レトロゲームレビュー/ルイージマンション

Luigi Mansion

 

 

機種

ニンテンドーゲームキューブ

発売元

任天堂

ジャンル

アクションアドベンチャー

発売日

01年9月14日

価格

6,800円

プロデューサー

宮本茂

サウンドクリエイター

近藤浩治

推定国内売上本数

40万本以上

プレイ時間

100時間以上

 

 

ついに主役に大抜擢!掃除機背負って兄さんを探せ。

 

 

グラフィック

滑らか描かれたなキャラクターが、これまた滑らかに動く。半透明のお化けは

ハードの性能の賜物。家具や壁はけっこう普通だけど、ガタガタと揺れ動く。

 

10

サウンド

メインのBGMは、ルイージの鼻歌だったりもするが、妙に頭に残るフレーズだ。

全体の曲数は明らかに少ないが、音を利用した仕掛けや演出が冴えていた。

 8

システム

謎を解き、お化けを驚かせて吸い込む。確かに今作ならではのシステムだが、

いまいちパッとしない印象だった。もう一つなにかアクセントが欲しいところ。

 8

操作性

アナログスティックとCスティックの同時操作などは、操作が得意でない人には

慣れるのが難しいかもしれない。ルイージは走らないが、それはそれでよい。

 7

プラス要素

ロードは全くと言ってよいほど無かったが、ボリュームも同じように無かった。

自由度も低く、やり込み要素もあって無いような程度。新時代は感じられたし、

謎解きの難易度も、さすが任天堂と言えるものだっただけに、少し残念だ。

 6

外観評価点

 

39

プレイ感想

急に現れるお化けは、そのときの効果音とルイージのリアクションも協力して、

確かに驚いてしまう。隅々までくまなく探すことや、強力なお化けを驚かせて

攻略するのは楽しいし、終始ロードが全く感じないのはとても嬉しいことだ。

しかし、クリアまでの時間は比較的短く、クリア後に、特別嬉しいお楽しみな

要素が用意されているわけでもない。道順もほとんど決められているので、

人それぞれの攻略法があるわけでもない。もちろん、それが悪いと言いたい

のではない。任天堂らしさがあまり感じられなかった事が残念だったのだ。

 

内容評価点

 

35

総合評価点

 

74

コメント

 N64での反省点を活かす。という目標の下に開発され、2001年9月14日に

発売されたニンテンドーゲームキューブ(以下GC)。その同時発売タイトルとい

う役割を任されたのが、今作「ルイージマンション」だ。それまで兄マリオの影に

隠れっぱなしだったルイージだが、社内のスタッフの希望と、今作にピッタリの

イメージキャラクターとして、ようやく切り込み隊長の座が回ってきたのである。

 

 GCが期待されている点の一つに、開発のしやすさによる、開発期間の短縮と

開発コストの削減が挙げられる。これはN64があまりにも開発に適しておらず、

タイトルが十分に揃わなかった事に対する反省といえるのだが、こうした結果、

サードパーティーとそのタイトル数は、N64の時と比べると確実に増えている。

リスクが少ない事で、クリエイターは思い切ったアイディア作品に挑戦し易く、

GCはそのアイディアをたやすく形にすることができる。さあこの事がこれからの

ゲーム業界にどのような結果をもたらすのか、楽しみに待ちたいものである。

 

 ただ、今作はこれまでの同時発売タイトルと比べると、最も“任天堂らしさ”の

無い作品になってしまった、と思っている。新時代のゲームを感じさせ、尚且つ

その作品だけでも十分に満足できてしまう程の奥深さ。それがこれまでの同発

タイトル(「マリオ」)にはあった。しかし、今作には奥深さは感じられ無い。

もちろん、先ほど述べたように、N64時代の反省(ここでは、開発期間の膨大)

を考慮した上での発売だと言うのは分かる。しかし、それは決して内容の薄い

ものを発売してもよい、という意味ではないはずだ。

後半年かけて内容を増やせば、1週間長く楽しめる。は別にしなくてよいが、

1ヶ月調整すれば、半年飽きないものができる。のなら是非そうして欲しい。

これは多くのユーザーが後になってよく思うところだろう。

今作がこの例に当てはまるか否かは別として、それでも今作の位置付けは、

ハードの性能を試し、それを見せつける為の“一発アイディア作品”だった、

とされても仕方の無いところだろう。

 

 

2002年 5月29日

2003年 6月 8日訂正