レトロゲームレビュー/北斗の拳3 新世紀創造 凄拳列伝
北斗の拳3 新世紀創造 凄拳列伝
機種 |
ファミリーコンピュータ |
発売元 |
東映動画 |
ジャンル |
ロールプレイング |
発売日 |
89年10月19日 |
価格 |
6,200円 |
プレイ時間 |
50時間以上 |
バットとリンも最前線
グラフィック |
原作の世界が荒廃しているのも確かだが、建物などの外見はかなり酷く、中は 同じ通路の繰り返し。キャラはフィールドでは相変わらず酷いが、戦闘では顔が よくわかるし、攻撃時のエフェクトもおもしろく、迫力が出ていてかなり良い。 |
7 |
サウンド |
フィールドは、荒廃した世界をイメージさせながらどこか切なく気取った感じ。 戦闘はダーティだがスピード感がなくていまいち。ボスは激しくクールで◎。 |
6 |
システム |
フィールドから戦闘の操作、またアイテムの購入やセーブまで、全てドラクエを ベースにしたコマンド方式で構成されている。個性はないが理解はしやすい。 |
4 |
操作性 |
十字キーによる移動とコマンドでの操作が全てなので、操作に困るところは ないといっていいだろう。ただ、装備の入れ換えは面倒だ。 |
6 |
プラス要素 |
バットとリンの参戦は反則だが嬉しい。それ以外のキャラも、本編のシナリオを 無視した立ち回りで登場するが、主要キャラはほぼ網羅されているのでファンも 頷ける…だろう。秘孔や奥義も微妙に間違っているが、種類は多くて楽しめる。 ダンジョンの無意味な長さには間違いなくうんざり。ザコも非常にうっとうしい。 |
5 |
外観評価点 |
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28 |
プレイ感想 |
原作で見られるような、ケンシロウが敵を圧倒するイメージは全く通用しない。 次々に現れるザコは確かにザコではあるが、少々とはいえ手間をとらされる。 また、べらぼうに長いダンジョンに間違いなくうんざりさせられるので注意だ。 ストーリーやキャラクターについてもかなりハチャメチャ。バットとリンが主力で 戦うのはもちろんだが、重要なキャラ(ユリア,マミヤ,シュウなど)が雑用として 扱われていたり、敵の名前が違っていたり、死ぬはずのやつが生きていたり。 ファンならシナリオのいい加減さがすぐにわかってしまうだろう。 だが、戦闘は敵味方共にその表情が伺えるほどよく描き込まれており、 さらにボス戦となるとキャラがどアップで描かれるなど、かなり迫力が楽しめる。 何かと難があるが、よほど気が短い人でなければ何とかクリアできるだろう。 |
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内容評価点 |
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28 |
総合評価点 |
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56 |
コメント |
テレビゲーム版「北斗の拳」は、現在、いくつかのメーカーから計10作品ほど 発売されているが、今作は東映動画が発売したシリーズの3作目である。 今作でまず注目したいのは、2作目の発売から今作の発売までの期間だ。 アクションとしての正当進化に留まった1作目から2作目までの製作期間は わずか半年であるのに対し、RPGへと変貌を遂げた2作目から今作までの 期間は約2年半。製作期間はおそらく2年くらいだろう。如何にこの時期に RPGというジャンルがもてはやされていたか、という事が感じてもらえるだろう。 では、おそらくもう「北斗の拳」シリーズを紹介する機会はないと思うので、 後の「北斗の拳」シリーズについてはここで一気に紹介しておいてしまいたい。 東映動画プロデュースの作品を追っていくと、3作目以降は、FC時代末期に 発売された4作目と、SFCで発売された5作目は共にRPGのままだったが、 6作目と7作目は対戦格闘となっている。これもまた「ストリートファイターII」が もたらした、格闘ブームの影響を強く受けたということが窺い知れる。 そしてこの7作目が、東映動画からの最後の作品となった。 これ以降の「北斗の拳」シリーズは、96年にバンプレスト、00年にバンダイ からそれぞれ1作ずつ発売されたが、最近は発売されていない。 ドラゴンボールの再加熱振りが目覚しい昨今なので、それに乗じて今作も もう一度、ということも考えられなくはないが、アクが強く、教育上問題視された 今作にとって、それは少々難しいことなのかもしれない。 |
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2002年11月9日 2005年2月8日訂正 |