レトロゲームレビュー/ファイナルファンタジーVIII
FINAL
FANTASY VIII
機種 |
プレイステーション |
発売元 |
スクウェア |
ジャンル |
ロールプレイング |
発売日 |
99年2月11日 |
価格 |
7,800円 |
ディレクター |
北瀬佳範 |
シナリオ |
野村一成 |
サウンド |
植松伸夫 |
テーマソング |
Faye Wong(フェイ・ウォン):『eyes on
me』 |
総制作人数 |
200人 |
総制作費 |
3000万ドル |
国内売上本数 |
360万本以上 |
全世界売上本数 |
687万本 |
プレイ時間 |
80時間以上 |
ファイナルファンタジーの定義
グラフィック |
ムービーの質は格段に向上し、髪や服が風になびく様子まで表現されている。 ムービーとポリゴンモデルとの差はまだまだあるものの、キャラの頭身は高く、 間接も無理が無くなり、当時点での最高峰の地位は揺るぎ様もない。 |
10 |
サウンド |
少し豪華過ぎるのではないかという印象を受ける。リアル過ぎる場の雰囲気と 噛み合っていなかったり、メロディが絞りきれないので心にも残り難い。 一つの曲として切り離して聴けば違うのだろうが、あくまでゲームということで。 |
8 |
システム |
新要素のドロー&ジャンクションは、あまりに斬新だが理不尽な点も多い。 そして、レベルに比例して強くなる敵に、レベルの意味を不明にさせられた。 今回は、使いこなせないと痛い目を見る、とっつき難いシステムと判断できる。 |
8 |
操作性 |
相変わらず押している方向と進む方向が違うのにイライラさせられる。 アナログスティックで操作しても不満は残る。それ以外はまとまってるのに。 |
8 |
プラス要素 |
再びムービーに驚かされた。カードゲームは、それ自体はいまいちでも、 収集しだすとはまるかも。主人公やストーリーは気に入らない人も多いだろう。 |
9 |
外観評価点 |
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43 |
プレイ感想 |
スコールには本当にがっかりした。否定的な考えばかりを聞かされて、 前半から既に気持ちは冷めていた。後の変わり様にも興ざめすることに。 戦闘では敵から魔法をドローするのだが、その行為は何かおかしい気がする。 ドローは戦闘には余計だが、やらないと不利になるのでやらざるを得ない。 そして、その魔法によってキャラクターを強化できるわけだが、その制限の無い 強化システムも何かおかしいと思えた。レベルが上がると敵も強くなることは、 レベルの意味を曖昧にしてしまっているということは、もはや言うまでもない。 ストーリーには様々な謎が秘められており、何度かのシーンの切り替えや 多くのキャラクターの密接な関係など、かなり凝った作りだったのは確かだが、 内容量があまりにも膨大過ぎて、自分にとっては完全な消化不良だった。 結局、グラフィックやサウンドをはじめとして、全ての面が特出している、 と言えてしまいそうな内容だったが、それは決して気持ち良くはなかった。 ただ、本編とは全く別次元で用意されていたカードゲームは結構良かった。 |
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内容評価点 |
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42 |
総合評価点 |
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85 |
コメント |
衝撃的だった「VII」をさらに上回るクウォリティーのムービーと8頭身のキャラ。 そして何よりも、「VII」のときに受けた衝撃が頭から離れなかったのだろう。 今作は、「FF」シリーズ最多の380万本という出荷本数を記録した。 当時、”今作は「FF」といえるのだろうか。”という意見を多く聞いた。 それは、この作品のできに対してというよりは、ストーリーや全体の雰囲気に 対してのものが多かったわけだが、坂口氏の台詞の一つにこういうものがある。 「ファイナルファンタジーは出し切り型のRPGです。システムがどうとか、 ストーリーがどうとかではなくて、その時点でスタッフが出せる力を最大まで 出して制作した作品を、ファイナルファンタジーとしています。」そう考えれば、 今作も間違い無く「FF」なのだが、それでも納得いかない人が多い状況である。 私も、後付けのこじつけに思えてしまうので仕方が無い。 次は内容について少し触れてみよう。主人公スコールに感情移入できない というプレイヤーが多い。これは、シナリオ担当の野島氏があえてしたことで、 プレイヤーを主人公ではなく第三者にしたかったという。これまた、敢えてそう したといわれても、そう簡単には納得いかないところだろう。 また、今作は「FF」シリーズで初めてテーマソングが使われた作品である。 「Eyes on me」は40万枚のロングヒットとなり、音楽業界としても話題となった。 唄っているフェイ・ウォン氏は、北京生まれの女性アーティストだが、母国での 人気は非常に高く、当初その人気を知らずに彼女の起用を決定したスタッフは、 その人気を知るやいなや、本当に今作だけのために唄ってくれるのかと心配に なったとのことである。ちなみに作詞は染谷和美氏、作曲は植松氏だった。 最後に、今作から坂口氏はエグゼクティブプロデューサーという立場になり、 今作にはそれほど関わっていない。今作からは、坂口氏の「FF」ではなく、 新しい人材によって「FF」が送り出される事となっていった。 |
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2002年 5月 8日 2003年10月12日訂正 |