レトロゲームレビュー/ファイナルファンタジーII

ファイナルファンタジーII

 

 

機種

ファミリーコンピュータ

発売元

スクウェア

ジャンル

ロールプレイング

発売日

88年12月17日

価格

6,500円

プロデューサー

坂口博信

サウンドクリエイター

植松伸夫

シナリオ

寺田憲史、河津秋敏

キャラクターデザイン

天野喜貴

国内売上本数

76万本

プレイ時間

15時間以上

 

 

仲間同士で殴り合う、超新感覚システムを搭載

 

 

グラフィック

前作とはほとんど変わりなく、敢えていうなら、少し地味になったと思える程だ。

敵キャラが少し渋くなったようにも思える。どちらにせよ、十分トップレベルだ。

 9

サウンド

戦闘では毒々しさ、それ以外の場面では、切なさ、儚さが増したように感じる。

それにしても、これだけ負の感情を含んだメロディーはめったに聞けないだろう。

 9

システム

現在でさえもRPGの絶対的概念であり続けているレベルというものを排除し、

熟練度システムの祖となるものを築いた。それ以外も前作同様まとまっている。

 9

操作性

前作同様Aボタンのみで何から何まで出来るので面倒臭さはない。

戦闘やステータス画面での操作も、シンプルで迷う事はない。

 9

プラス要素

戦争の悲惨さを物語る暗いストーリーは、賛否両論あるかも。しかし自分達を

痛めつけてHPを増やす、という意味不明さにはみんなハマってしまうかも?

 8

外観評価点

 

44

プレイ感想

前作と比べると、少しだが全体的にクウォリティーアップしている。

だが、そんなことがどうでもいいくらい、熟練度システムの魅力は大きい。

剣を振れば剣の腕が上がり、魔法を使えばそれはより強力になる。

そしてダメージをたくさん受けたときは、なんとHPが上昇する。いくらでも。

ストーリーはとても暗く、仲間が次々に死んでいく様は、正直耐え難いものが

あるかもしれない。さらには熟練度システムのためか、難易度のバランスも

余り良いとは言えず、万人向けとは言い辛い。始めてすぐに行き詰まって、

全く先に進めなかった自分が、こんな事言える立場じゃないけれど。

 

内容評価点

 

37

総合評価点

 

81

コメント

「ファイナルファンタジー」の大成功によって、がけっぷちの状況から、

一命を取りとめたスクウェアであったが、彼らは決して安全作を取らず、

今度は「ファイナルファンタジーU」へ向けて、再び新たな挑戦は始まった。

 

そんな事は露知らず、88年2月に「ドラゴンクエストV」が発売される。

「V」はシリーズ中でも最高傑作と名高い名作中の名作。その売れ行きは

FC時代のRPGでは文句無しのトップであり、当時のユーザーは、このRPGの

王様に並びかける作品が登場するとは、夢にも思わなかっただろうが、

なにはともあれ、その年の12月に「ファイナルファンタジーU」が送り出された。

 

今作で新たに導入され、注目を集めたのが「熟練度システム」だ。

このシステムは、現在でもたまにしか見られない珍しいシステムだけに、

今作にも、スクウェアがやりたかった、“賭け”の部分を垣間見る事が出来る。

さて、この熟練度システムだが、味方を攻撃できる事と合わせて利用し、

とんでもない事態を引き起こしてしまった。仲間内で傷つけ合う事で、無限に

HPを上げられるのである。そしてその事は、いつまでもHPを上げ続ける事、

現在で言う「やり込み」を生み出すきっかけになった。実は叔父さんもしていた。

 

 

2002年10月14日

2004年 1月 4日訂正