レトロゲームレビュー/ファイナルファンタジー

ファイナルファンタジー

 

 

機種

ファミリーコンピュータ

発売元

スクウェア

ジャンル

ロールプレイング

発売日

87年12月18日

価格

5,900円

ディレクター

坂口博信

サウンド

植松伸夫

シナリオ

河津秋敏

キャラクターデザイン

天野喜孝

国内売上本数

52万本

プレイ時間

約5時間

 

 

第一弾にして最後を覚悟した、スクウェア決死の背水の陣。

 

 

グラフィック

グラフィックへの注力は既に感じられる。サイドビューの戦闘画面は、背景は

真っ暗だが衝撃的だった。独特なタッチも印象的。全体的にクールでクリアだ。

 9

サウンド

ファンタジーというだけあって、もちろん幻想的な雰囲気も持っているのだが、

どこか寂しげで妖しい雰囲気も持った渋くて複雑なメロディ。他とは一味違う。

 9

システム

ゲーム開始直後に味方全員のジョブを選択する。ここで全員白魔同士にしよう

ものならクリアはほぼ無理となるので注意。また複雑なコマンドがなく、一つの

ボタンでほとんどの操作ができたり、セーブ機能があるのは嬉しい心遣いだ。

 8

操作性

戦闘やお店でこそコマンド表が表示されるが、大抵はAボタン一つで全てを

行えるのでとてもわかりやすい。RPGなのに説明書はいらないのが親切だね。

 8

プラス要素

難易度のバランスがいまいちなので、いきなり全滅ということもありえるが、

映画的演出も含めたこれまでにない雰囲気がプレイヤーを離さないだろう。

 

外観評価点

 

39

プレイ感想

まず見た目からして他のRPGとは全く異なっている。BGMも今作でなければ

聞けないと断言できるほど独特の雰囲気を持っており、プレイヤーは違和感無く

そのファンタジーな世界にのめり込めるだろう。システムと操作系はシンプルに

まとめられているので苦になる操作はないし、パスワードが主流だった中で

セーブ機能があるというのもありがたい。グラフィックやサウンド面に限らず、

ドラクエやドラクエの類似品とは一線を画された、ものすごく大きな存在感を

見せつけられた感じだ。ただ当時の自分には、ストーリーは到底理解できず、

また何処に行ったらいいかもわからなくなり、結局クリアできませんでした。

 

内容評価点

 

30

総合評価点

 

69

コメント

 「ドラゴンクエスト(以下DQ)」の発売によって、RPGというジャンルが一気に

注目されるようになった。「DQII」によって“RPGは売れる”、というイメージが

業界全体に広がった。今作「ファイナルファンタジー」が生まれたのは、そんな

FC時代が中期にさしかかった頃の事であった。

 

 当時のスクウェアは、そのクリアなグラフィックを武器にいくつかのソフトを

発売していたが、どの作品も期待したほどの利益を得ることができなかった。

そして倒産寸前の危機に追い込まれていた中で「最後に我々のやりたいこと、

やりたかったことをやろう。そして、これがダメならあきらめよう。」という思いを

込めて今作「ファイナルファンタジー(以下FF)」を生み出したのである。

まさに、スクウェアが全てを出し尽くした”最後の賭け”だったのだ。

 

 「FF」は「DQ」やそれを真似た類似作品とは違い、独自の方向性を見せた。

外観から内容まで、その全てが「ドラクエ」とは違うと言っても過言では無い。

ファンタジーと言うに相応しいグラフィックとサウンドは、プレイヤーを酔わせ、

また、味方の戦う姿が見える横画面の戦闘シーンは、プレイヤーに衝撃を

与えたに違いない。こうして、「FF」は見事に成功を収めるた。

坂口氏とその一行は、”最後の賭け”に見事勝利したのである。

 

 

1999年 8月

2002年10月13日訂正

2003年 9月 3日訂正