レトロゲームレビュー/ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣
ファイアーエムブレム
暗黒竜と光の剣
機種 |
ファミリーコンピュータ |
発売元 |
任天堂 |
ジャンル |
シミュレーションRPG |
発売日 |
90年4月20日 |
価格 |
6,000円 |
プロデューサー |
横井軍平 |
ディレクター |
加賀昭三 |
サウンド |
辻横由佳、他 |
国内売上本数 |
30万本以上 |
プレイ時間 |
50時間以上 |
あなたは何回リセットしましたか?
グラフィック |
見やすいがかなり地味。FC時代も完全に終盤だったのでこれでは物足りない。 戦闘画面は背景が真っ暗でキャラがポツンとたたずんでいる。シンプル過ぎ。 |
5 |
サウンド |
会話シーンはバイオリンを連想させるようなトーンの高い曲が流れ、戦いの中に 身を置いているという緊張感が強く伝わってくる。かと思いきや戦闘マップでの 曲はゆったりとして力強く、戦士達の勇敢さや雄大さが感じられる。また勝利が 近づくと曲も余裕な雰囲気に変わっておもしろい。戦闘の曲はかなり地味。 |
9 |
システム |
元祖にして既に完成形に近い。移動距離や攻撃範囲を始めとしたのキャラの 個性や戦闘時に及ぼす地形効果。そしてマップ上での会話や民家への訪問。 現在のシミュレーションRPGにも通じるシステムはもうほとんど行われていた。 |
9 |
操作性 |
まとまったシステムにより、小難しい操作は一切無い。キャラを選んで行動を 選んで移動場所を選ぶだけ。現在の作品よりもむしろシンプルで遊びやすい。 |
8 |
プラス要素 |
難易度が異常に高く、味方の犠牲なしでのクリアはほぼ無理と言っていい。 しかしキャラ一人一人に愛着が沸き、死なせてたまるかと思えてくる。ニクい。 また、特定のキャラが話し掛けることでしか仲間にならないキャラがいたり、 敵に先を越される前に民家を訪問したり宝を入手したりと、極めどころも多い。 |
9 |
外観評価点 |
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40 |
プレイ感想 |
冒頭の会話シーンも手短に終わり、すぐに戦いが始まる。ややこしい操作は ほとんどないのですんなり進められるだろう。味方の人数は敵と比べるとかなり 少ないが、それぞれが持つ戦略的な個性をうまく使い分けて勝ち進んでいく。 そんな掛け替えのない仲間達だが、たとえやられたとしても、一人くらいなら 近い能力を持ったスペア的な存在はいるので致命的ではない。だが、それでも 一度愛着の湧いたキャラを死なせたまま進めていく気にはなかなかなれず、 リセットしてしまうことに。中盤以降は敵に民家を壊されたり宝箱を取られたり、 また新しいキャラを仲間にできなかったりで、試行錯誤のリセットも始まる。 この頃になると、お気に入りのキャラや戦略はプレイヤー毎にだいぶ違ってくる。 本来なら味方の屍を乗り越えもしないで勝利を得られるはずがないが、ここでは リセットの嵐さえ乗り越えれば、みんなと共に勝利を味わうことができるのだ。 |
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内容評価点 |
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44 |
総合評価点 |
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84 |
コメント |
スーパーロボット対戦やフロントミッションなど、現在シミュレーションRPGと 呼ばれている作品の元祖といえる存在が、この「ファイアーエムブレム」だ。 今シリーズの売りは、なんといっても愛着のあるキャラクターと非情なまでの 難易度の高さだ。“味方が死んだら即リセット”というのはあまりに有名である。 しかし今作が発売された当初は、まだその難易度が受け入れられることはなく 結局この時点はあまり大きく取り上げられないまま消えていくこととなった。 今シリーズが一気に有名になったのは、94年にSFCで「紋章の謎」が発売 されてからのことだ。より綺麗に描写されたキャラと微妙に優しく調整された 難易度のおかげか、「紋章の謎」は約80万本の大ヒットを記録。今シリーズの 熱狂的ファンも、そのほとんどがこのときに生まれたのだった。ちなみにこの 「紋章の謎」は2部構成をとっており、その第1部として「暗黒竜と光の剣」が リメイクされたものが入っている。 また今作のCMはとんでもない演出で行われた。50人のオペラ歌手に中世の 騎士の格好をさせ、さらに本物の馬まで使い、ファイアーエムブレムの世界を CMの中で実際に表現してしまったのだ。さらに、そこでメインテーマに乗せて 唄った歌詞も面白く、関係者の中では伝説とされていたのだが・・・。2002年、 久々の新作である「封印の剣」の発売と共に、このCMが復活し話題となった。 |
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2002年 4月 8日 2005年 8月21日訂正 |