レトロゲームレビュー/ドラゴンクエストV 天空の花嫁

ドラゴンクエストV

天空の花嫁

 

 

機種

スーパーファミコン

開発

ハートビート

発売元

エニックス

ジャンル

ロールプレイング

発売日

92年9月27日

価格

9,600円

シナリオ

堀井雄二

サウンド

すぎやまこういち

キャラクターデザイン

鳥山明

国内出荷本数

280万本

プレイ時間

60時間以上

 

 

また延期?マジで!? モンスターが仲間になるの?マジで!?

 

 

グラフィック

今回は原色に近い色使いとはっきりとした輪郭線で、これまたドラクエらしい。

前作と比べればそれなりに良くなっているが、ハードの性能から考えると・・・。

 

サウンド

今回も穏やかさ、勇ましさ、気品、そしてドラクエらしさの全てを満足している。

何よりBGM自身に自信が満ち溢れているので聞いていてとても安心できる。

10

システム

便利ボタンが追加によって、話す調べる扉を開けるなどが全て楽チンに。

今回注目したいのは何と言ってもモンスターを仲間にできること。

 8

操作性

便利ボタンによってわざわざコマンドを出す必要がなくなったので、まさに便利に

なったといえる。また地形や建物に引っ掛かり難くなって快適さが増している。

 8

プラス要素

モンスターを仲間にできることで集める楽しさと育てる楽しさが増した。

花嫁を選ぶのは楽しいのか?ストーリーはキツい出来事が多めな気がする。

 9

外観評価点

 

42

プレイ感想

ビアンカやヘンリーとの出会い。心強かった父親の死。奴隷として働かされる

うちに、主人公は大人になっていた。そしてビアンカ、ヘンリーとの再会、結婚、

そして勇者が誕生していく・・・。親と子、そして成長。今作からは、時間の経過

というものが前面に押し出されており。これまでのどのドラクエよりもシナリオを

強く感じることだろう。それとは逆に、若干自由度が失われている気がするが、

その分モンスターが仲間にできることもあるので、飽きさせない工夫としては

十分代用となっていると思える。今作までくると、さすがにいい加減同じネタを

使いまわしていることに気付くが、これも含めてドラクエらしさと思えばいいの

だろうか。また今回も、ドラクエらしいままで、驚きと楽しみを与えてもらえた。

 

内容評価点

 

45

総合評価点

 

87

コメント

 今作は、当初は91年の発売を予定していたが、なんと2度の延期を経て

92年にようやく発売された。「ドラクエ」が有名過ぎたのも原因の一つだろうが、

これほど延期が話題になり、ファンをじらした作品はこれまでになかっただろう。

当時の自分はRPGというジャンルに全く関心がなかったので気楽だったが、

ゲーム好きな私の叔父が延期の度にとてもがっかりしていた記憶がある。

 

 話題と言えば、モンスターが仲間になることでも人々に衝撃をもたらした。

前作でホイミスライムが仲間になったが、それが火種になったのかもしれない。

ストーリー的には父親が目の前で殺されたり、主人公が奴隷にされたりと、

かなりショッキングな内容だし、強制的に起こる花嫁イベントではこれまでに

ないほど選択肢に悩まされたのではないだろうか。(普通はビアンカか・・・。)

今作は発売延期以外にもプレイヤーに衝撃を与える内容が満載だった。

 

 ただ今回の発売延期はあくまで序章に過ぎなかった。これ以降、「ドラクエ」の

開発は泥沼時代へと突入し、今回以上に莫大な資金と開発期間をかけるように

なっていく。そしてこのことが、後に起こる悲惨な事態の引き金になるわけだが、

この時点でそれを心配する者はいなかっただろう。

 

 

2002年 2月24日

2003年 9月27日訂正

2005年10月20日訂正