レトロゲームレビュー/ドラえもん

ドラえもん

 

 

機種

ファミリーコンピュータ

発売元

ハドソン

ジャンル

アクション、シューティング

発売日

86年12月12日

価格

5,500円

国内売上本数

115万本

プレイ時間

20時間以上

 

 

劇場版がてんこ盛り。ジャイアン、スネ夫も大活躍!

 

 

グラフィック

背景、建物、キャラクター、形や色使いまで、ドラえもんらしさが良く出ている。

3つあるステージはどれも特徴的で、全く違う雰囲気が楽しめた。

 8

サウンド

お馴染み「ドラえもんのうた」のアレンジバージョンが流れ続け、やられると

これまたお馴染みのフレーズで幕を閉じる。ただし、BGMはほぼこれのみ。

 

システム

アクションとシューティングが共に楽しめるだけでなく、それぞれのステージに、

独特な仕掛けと攻略法が施されているので、遊び甲斐のある作りだ。

 8

操作性

ステージによって操作法は異なるが、難しい操作は無く、上下移動や攻撃は

問題無く行える。ただ、ドラえもんがジャンプする必要はなかったと思える。

 

プラス要素

「宇宙開拓史」、「大魔境」、「海底鬼岩城」の劇場版3作品が楽しめる。

そして、のび太、スネ夫、ジャイアンの登場も。しずかちゃんは捕まっている。

 

外観評価点

 

36

プレイ感想

当時の自分は、金曜7時が待ち遠しい大のドラえもん好き少年だったのだが、

今作には少々疑問を感じていたかもしれない。いつもなら四次元ポケットから

ひみつ道具を取り出して、とても賢く、そして嫌らしく事が進むはずなのに。

しかし、アクションステージである1面は一本道ではなくかなり広いので、

道に迷い、行き詰まってしまう事もある。また、移動のためのどこでもドアや

マンホールは行ける場所が決まっており、初心者には悩み所となるだろう。

シューティングの2面は、何度も挑戦しなければクリアできないほど難しく、

寄り道するとジャンアンやスネ夫が仲間になるという手の込んだ作りに。

パズルアクションの3面は、パズル感覚でたくさんの道具を集めるという、

面倒な仕掛けで、しかも不用意に進むと敵がとても強いのでやられてしまう。

ということで、結局クリアできないほど難しく、何より“これはドラえもんか?”

と考えると、らしさは見た目ぐらいとしかないのだが、ゲームとして見るなら、

なかなか意地悪な作りで歯応えがあって良かったのではないだろうか。

 

内容評価点

 

28

総合評価点

 

 

64

コメント

 原作者の藤子・F・不二雄氏が亡くなった現在でも、ドラえもんは依然として

ゴールデン(金曜)・ゴールデン(7時)タイムの人気番組であり続けている。

そんなアニメの王様の、ゲームとしてのデビュー作なのだから、ミリオンヒットも

うなずけるところだ。ステージ1では「のび太の宇宙開拓史」、ステージ2では

「のび太の大魔境」、そしてステージ3では「のび太の海底鬼岩城」を題材とし、

とても豪華な内容だった。

 

 しかし、今作に登場するドラえもんは、原作のような頼れる存在ではなく、

ひょっとしたら違和感を持った子供が私以外にもいたかもしれない。

それは逆にいえば、ゲームとしては良くできているという事になるのだが・・・。

ゲームにこだわるのであればドラえもんを使う必要性は無かったわけで、

そんな複雑な内容から、この違和感は生まれたのだろう。

 

 今作は12月12日という発売日にも関わらず年間売上トップ5にランクイン。

既に制作中だったのかもしれないが、続編の話しはすぐに持ちあがり、

当時のコロコロコミックには、続編についての記事も掲載されていたという。

しかし、いつのまにかその話しは無くなり、これ以降ハドソンから今作の

続編が発売される事は無くなったのである。そして、それ以降のドラえもんは、

エポック社を中心に発売されるていった。

 

 

2002年 9月18日

2003年12月 1日訂正