レトロゲームレビュー/ドンキーコング

ドンキーコング

 

 

機種

ファミリーコンピュータ

発売元

任天堂

ジャンル

アクション

発売日

83年7月15日

価格

4,500円

国内売上本数

100万本以上

プレイ時間

3時間以上

 

 

無限の因果を秘めて

 

 

グラフィック

マリオ、ドンキー、ピーチ姫、鉄骨、樽、etc。必要最小限の表示で背景はなし。

はっきりくっきり見たまんまで超明瞭。でもアーケード版の完全移植に皆驚く。

 

サウンド

足音、ジャンプの音、障害物の音、そしてあってないような単純なBGM。

音はあくまでおまけ程度だが、でもやはり効果音があるのは救いだと感じる。

 3

システム

クリアを目指し、タイミングを計り、ジャンプで交わしていく。単純明快だが、

プレイヤーがどう考えるかを理解した、システム作りの第一歩に違いない。

 5

操作性

アクションゲームの操作法とボタン配置はこの時点で半分出来上がりだろう。

後はレスポンスやジャンプの軌道の違いくらい。今作は最初にしてはいい感じ。

 6

プラス要素

単純とは言っても、障害物の迫り方や、攻略ルートなど、そのバリエーションは

かなりの可能性を秘めている。ステージは、アーケード版の2面が削られた。

 

外観評価点

 

22

プレイ感想

樽を跳び越えるタイミング、梯子を上るタイミング、鉄骨を走り抜けるタイミング。

目で見て判断して、タイミングを計り、実行する。マリオのジャンプの軌道や

足の速さを、無意識の中で把握しているのは、もはや当然の事だろう。

突破のタイミングがどこかにあるということが一目瞭然なら、そのタイミングを

見つけるのが楽しみになり、それを実際に成功させることが快感になる。

それが、ゲームがどうあろうと変わらないおもしろさだと、体で感じられる。

ステージが少なく、あまり長い遊ぶ事はないだろうが、再び遊ぶことがあれば、

これがゲームだとしか思えないおもしろさを確認できる事だろう。

 

内容評価点

 

23

総合評価点

 

45

コメント

 「ファミリーコンピュータの栄光と軌跡」と、誕生にまつわる様々なお話は、

いつか専門のコーナーでご紹介するとして、今回はこの「ファミコン」と同時発売

となった「ドンキーコング」、「ドンキーコングJr」、「ポパイ」の3作品の内の、

当たり前ではあるが「ドンキーコング」について紹介したい。

 

 「ドンキーコング」は、1981年にアーケードゲームとして発売された。

任天堂がアーケードゲームへと進出した経緯だが、1978年にタイトーから

発売された「スペースインベーダー」の大ヒットによるゲームセンターの増加、

に焦点を合わせた事業戦略だったのだろう。開発は任天堂自身と任天堂に

ゲームプログラム開発の一部を委託された池上通信機との2社共同である。

そしてこのキャッチー?なタイトルは、元任天堂広報室企画部企画課係長で、

現在はマイクロソフトのXbox事業部広報宣伝部長として活動している、

本郷好尾氏によるものであり、ドンキー(donkey)<ロバ、とんま、頑固者>

という単語の間抜けなイメージを連想し応募→決定されたのだった。

 

 開発中の秘話と言えば、やはり横井軍平氏と宮本茂氏のやり取りだろうか。

アーケード版では、アクションボタンは一つの仕様だったので、それにどんな

アクションを与えるかが問題だった。そして、当初宮本氏が考えていたのは

「ハンマーを振る」というアクション。そこに横井氏が、「ジャンプ」させてみたら

どうか、とアドバイスしたのである。結果的には、両方のいいとこ取りとなり、

アクションボタンに配置されたジャンプでは、避けるという緊迫感を。アイテムと

なったハンマーでは、自ら叩きにいく快感を生み出す最高の結果となったのだ。

 

 ドンキーコングは大ヒットだった。あまりに有名になり過ぎて「キングコング」を

製作した、アメリカのMGM(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)社から、タイトルの

事で訴えられたり、共同開発の池上通信機からは報酬や著作権のことなどで

損害賠償を求められたりしたほどだ。良くも悪くも話題となった

 

そして、今作を同時発売タイトルとした「ファミリーコンピュータ」は、

それまでのゲーム機を圧倒する、最高のスタートダッシュを決めたのであった。

 

 

2004年 4月 5日