レトロゲームレビュー/ドラゴンボール 大魔王復活
ドラゴンボール 大魔王復活
機種 |
ファミリーコンピュータ |
発売元 |
バンダイ |
ジャンル |
アドベンチャー&カードバトルRPG |
発売日 |
88年8月12日 |
価格 |
5,800円 |
プレイ時間 |
30時間以上 |
ドラゴンボールスタンダードの発見。
グラフィック |
あらかじめ用意した静止画のみを使って演出することで原作(漫画)に近い 雰囲気と効果が出ている。コマを区切ったりするのも迫力が出ていてうまい。 |
6 |
サウンド |
元気があるのかないのかわからない、自分としては力の抜けるような音だ。 双六的な要素にあっていてリラックスできると取れないこともないが・・・。 |
4 |
システム |
双六のように盤上を進み、アドベンチャー形式で謎を解く。そして手札の数値で 決着をつけるというカードバトル。前作のアクションと比べると、超大胆な変更が 見られる。そしてそれは、演出、遊びやすさなどの点では大正解だと思える。 |
8 |
操作性 |
リアルタイム的な要素が一切取り払われたおかげで、操作に焦ることはない。 全体的に基本的な操作のみで、敢えて付け加えるにもサブメニューくらいだ。 |
7 |
プラス要素 |
簡単な操作で原作に近い戦闘が楽しめるのは嬉しいが、運に大きく左右され、 油断がなくてもやられてしまうのは頂けない。アドベンチャーも選択を誤ると即 地獄行きだ。原作と全く違うストーリーはどうか。セーブ不可は非常に厳しい。 |
5 |
外観評価点 |
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30 |
プレイ感想 |
中盤辺りまでしか進めなかった前作と比べると、コマンドを選択していくだけで 進める今作のほうが格段に遊びやすくなったと思える。バトルでもいい手札を 揃えておけばそれを順番に出していくだけでいい。レベルも上げておけばさらに 確実に進められるだろう。ただ、それでもバトルは運次第といった感が強くて、 あっという間にやられてしまうこともある。また、コマンドを選んで進めるアドベン チャー部分もかなり嫌らしく作られており、ダンジョンで迷うのはもちろんのこと、 選択肢を誤ると即死ってときも・・・。よってしっかりメモをとるべきかもしれない。 ということでやっぱり今作もクリアできなかった。あとセーブはできて欲しいね。 |
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内容評価点 |
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28 |
総合評価点 |
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58 |
コメント |
今作が発売された88年といえば、子供向けのトレーディングカードである 「カードダス」が世に出回った年である。当時に限らず、現在でもアニメ(だけ ではないが)を題材にしたトレーディングカードは男の子(だけではないが)に 大人気であり、誰もがレアカードを求めて夢中になった経験があることだろう。 この「カードダス」の最初の題材として選ばれたのは、「ドラゴンボール」、 「聖闘士星矢」、そして「SDガンダム」の3種類だった。 私は、今作が前作と打って変わってカードバトルの形態を取ったのは、この 「カードダス」の発売が最も大きい要因だったのではないかと思っている。 前作「神龍の謎」から今作までのブランクは2年。当時にしてはあまりにも長い 発売期間。これはやはり「カードダス」の発売に合わせた、大幅なシステムの 変更のために費やした期間だったのではないだろうか。 ところでこの「カードバトル」という方式。これ自体にはドラゴンボールらしさ など微塵もない。しかし、カードバトルにしたことで生まれたこの演出方法は、 今作に劇的な変化を与え、まるで原作(漫画)を見ているかのような迫力を 感じられるようになった。これは一見すれば、せっかくゲームであるはずなのに 漫画と同様に静止画のコマ送りにする、という元も子もない方法に思えるかも しれないのだが、FCという制約の中でドラゴンボールという無限の速さと力を 秘めた作品を表現するための、最も安全かつ妥当な方法だったと私は思う。 このカードバトルという方式は、この先のドラゴンボールシリーズでも当面の間 使われていくこととなり、まさしく一時代のスタンダードを築く手法となった。 そして、FC最後の作品となった「ドラゴンボール3」ではしっかりとその進化形を お披露目し、SFC「スーパーサイヤ伝説」ではその完成形を見せてくれている。 |
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2002年9月29日 2005年12月2日訂正 |