レトロゲームレビュー/クロノ・クロス

CHRONO CROSS

 

 

機種

プレイステーション

発売元

スクウェア

ジャンル

ロールプレイング

発売日

99年11月18日

価格

6,800円

ディレクター

加藤正人

サウンド

光田康典

国内出荷本数

70万本以上

プレイ時間

50時間以上

 

 

新作なのか?続編なのか? 納得できない不足と余分

 

 

グラフィック

背景は一枚絵、キャラはポリゴン、デザインも変わって前作の面影は全くない。

より鮮やかで明るくなったが、それによって逆に感傷的な感じもする。独特だ。

戦闘ではキャラクターがアップになると、ポリゴンのカクカクが気になるかも。

 

サウンド

ギターが印象的。最初の村では優しくて暖かくてホッとする。メインテーマでは

強さや勇敢さというよりは弱さや寂しさを強く感じる。戦闘の曲はいまいちかな。

全体的には前作のアレンジが多く賑やかで懐かしい。

10

システム

 

戦闘システムが大幅に変化した。スタミナを気にしながら、攻撃するか、または

エレメント使用かを判断していく。エレメントの配置によって出しやすさや威力が

変化するので配置は非常に重要。仲間になるキャラは行動次第で変化する。

 9

操作性

戦闘はリアルタイムではないので急ぐ必要はないが、エレメントが厄介かも。

そしてエレメントの配置作業はやらないと敵に勝てないが、やるとかなり面倒。

 8

プラス要素

ストーリーは小難しい部分もある。仲間は総勢40人以上だが、1回のプレイで

全員を仲間にすることはできない。仲間はそれぞれ隠しイベントや固有武器、

固有エレメントが存在しており、やりこめる要素はたっぷりと用意されている。

 8

外観評価点

 

45

プレイ感想

BGMこそ懐かしいものがあったが、見た目に前作の面影はなく、続編だという

感覚はなかった。戦闘システムも一新され、スタミナの続く限り攻撃が可能。

またエレメントの使用はフィールドの属性を変化させ、有利不利が入れ替わる。

よってスタミナの配分、味方との連携、敵との兼ね合いなど、特に強敵との

戦闘では戦略が勝敗を大きく左右する。ただ、肝心なエレメントの配置が面倒。

ストーリーは、奥が深いというか小難しくて少々理解に苦しんで消化不良気味。

音楽はほとんどが前作のアレンジということで、とても心地よく流れ込んでくる。

気付かないほどの大幅なアレンジもあれば、明らかにわかるものもあって、

前作のメインテーマがほとんどそのまま流れてくるとゾクゾクっときてしまった。

仲間は40人以上いるのだが、それぞれに固有のエレメントや隠しのイベントが

用意されており、やれば次々に新しい発見があるほどの遊びが詰まっている。

1回のプレイ時間がけっこう長めなので、全てやりきる時間があるかが問題か。

 

内容評価点

 

42

総合評価点

 

87

コメント

堀井氏と坂口氏。お互い人気タイトルの生みの親として、それを作るだけで

精一杯という状況で、もうあの夢の共演はないのかなぁ、とみなが諦めかけた

中での突如たる発表だった。前作「クロノ・トリガー」から今作の発表までには

4年半あったのだが、この間が全くの空白だったかというと実はそうではない。

 

「クロノ・トリガー」の発売は96年3月だったが、その年にサテラビュー対応で

「ラジカル・ドリーマーズ 〜盗めない宝石〜」というサウンドノベルの作品が

配信されている。これこそが「クロノ・トリガー」の流れを受け継いだ続編であり、

そこに登場したセルジュ、キッド、悪役のヤマネコが、今作「クロノ・クロス」の

主用キャラとして登場する事となったのである。

 

今作は知名度の高い堀井氏や鳥山氏が全く関わっていなかったことから、

シナリオやデザインといった中身の部分だけでなく、ユーザーの認識の面でも

続編とは言い辛い状況におかれている。私自身も、今作に対するユーザーの

冷ややかな対応を実際に肌で感じている。堀井氏が“自分に無断で発売した”

と怒りをあらわにした、という噂も聞かれており、今作の位置付けは正直謎だ。

そして再び、クロノは沈黙の期間に入ることとなる。

 

しかし2002年末、日本を代表するゲーム会社のエニックスとスクウェアが

合併することを発表し、希望の光は突然射し込んだ。坂口氏の独立もあり、

完全な続編の実現は依然として難しい状況だが、「クロノシリーズ」最新作が

いつ発表されてもおかしくない状況はだんだんと整ってきている。

 

 

2003年 2月21日

2005年 8月 3日訂正