レトロゲームレビュー/バイオハザード

bio hazard

 

 

機種

ニンテンドーゲームキューブ

発売元

カプコン

ジャンル

サバイバルホラー

発売日

02年3月22日

価格

6,800円

プロデューサー

三上真司

国内売上本数

20万本以上

プレイ時間

30時間以上

 

 

今度は完全に搾り尽くされた、恐怖という究極のエッセンス

 

 

グラフィック

画像の質はもちろんだが、そこに何かいるかもと思ってしまう陰影の置き方、

思わずビックリする雷、ほのかに辺りを照らす灯火など、光の表現の極みだ。

10

サウンド

雷鳴に、物音に、そして自らの足音にさえビビッてしまう。突然かかるBGMにも

見事にビビらされて常にビビりまくり。音に無理がないので自然にビビらされる。

 8

システム

 

システムは初心に戻ってシンプルになったが、難易度が高いために緊急回避

アイテムが加わっている。制約が厳しいが、それがゲーム性を引き立てている。

 

操作性

やっぱりラジコン操作ではなかなか思うように動かせない。緊急回避アイテムの

使用や火器の照準はワンボタンでOK。クイックターンも慣れれば問題はない。

 

プラス要素

初プレイでは最高の恐怖を、2周目以降は賢い攻略を楽しめる。おまけ武器や

コスチュームも健在だが、インビジブルモードには圧巻。広がりのある楽しみ方

はないが、色々と厳しい制約を決めて楽しめる自虐的な要素が潜在している。

 8

外観評価点

 

39

プレイ感想

PS版もやったのに・・・。正直言って先に進みたくなくなるくらい怖かった。

ゲームだとは割り切れないほどのリアルを感じながら、弾切れやアイテムの

不足と共に増していく不安と戦っていた。館の構造や攻略ルートはPS版から

大きく変更されており、ほとんど新作の気分で楽しめる。2周目以降はさすがに

操作にも慣れて、ゾンビを夢中で交わしたりタイムアタックに挑戦したり・・・。

最初から難易度は高いくせに、今回のおまけモードはまさに鬼の難しさだ。

ナイフオンリークリアや最短クリアなどいろんな遊び方があるのは確かだが、

そのほとんどが自虐的な遊び方で自由度が高いというのとはまた違う方向性。

まぁそこが今作のおもしろさの源なんだろうけどね。

 

内容評価点

 

43

総合評価点

 

82

コメント

 「バイオハザード」の記念すべき第一作目が発売されたのは96年3月22日。

もちろん完全な新規タイトルという立場であったが当時だが、すでにその強烈な

存在感だけは放っていたのだろう。発売初週で20万本近くを売る好スタートを

見せたかと思うと、その後も驚くほど好調に売れ続け、翌年には見事にミリオン

タイトルの仲間入りを果たしたのだった。この異常な売れ方を支えていたのは、

当時の中高生だと言われている。「FFVII」のPSでの発売が決定し、一足先に

PSを購入した若者達にとって、今作はあまりに魅力的だったのだろう。

私も、友人がPSと「バイオハザード」を私の家に持ってきて遊んでいるところを、

ドキドキしながら見入っていたことを覚えている。

 

 今シリーズはタイトルごとに違うコンセプトで作られている。1作目が「恐怖」、

2作目が「ハリウッド」という感じなのだが、そのターゲット層はシリーズを重ねる

毎にだんだんとライトユーザーへ向けられていった印象が強い。わかりやすく、

遊びやすく、そして派手に・・・。良くも悪くも今シリーズはより多くのユーザーを

求めて変化していったのである。この方針は、一見なにも間違っていないように

見える。「2」のダブルミリオン、「3」の140万本はどうみたって失敗ではない。

しかし昔からのユーザーは、このゲーム性の変化が今作にとって相応しくない

方向を向いてしまっていた、ということを敏感に感じとっていたのかもしれない。

 

 GCが発売する前日(01年9月13日)、三上氏はGCへのバイオシリーズ

独占供給を発表した。このとき三上氏は「任天堂の・・・というよりも宮本さんの

ゲーム作りに対する考えとすごく協調できた」と話している。本当にこれだけの

理由で販売台数の心配なGCへの独占供給を決めたのかと思うとなんだかもの

すごいのだが、宮本氏も「こういったことはカプコンさんだけじゃない。まだまだ

あると思いますよ。あります(笑)」と答えており、その後実際にセガやナムコと

の共同開発が行われていくこととなった。こうした試みの先にいったいどんな

未来が待っているのか、という疑問の答えはまだはっきりとは出ていないが、

これが今のゲーム業界が本当に必要としていることを見直すきっかけにでも

なってくれれば、まだまだゲーム業界は見捨てられることはないだろう。

 

 

 

2002年6月4日

2005年9月12日訂正