覚醒人凱号、ファーストインプレッション

覚醒人凱号を見て、思ったことなど。その前にニューロノイドの基礎知識を

ニューロノイドとは

ニューロノイドとは、デュアルカインドと呼ばれる人間が二名揃うことで発生する 特殊な脳波、デュアルインパルスをリンカージェルが増幅、 それによりエネルギーを得て稼動する一種のロボットである。 ただし、使用に伴いリンカージェルに不純物が溜まり デュアルインパルスを増幅できなくなってしまうため、ジェルの透析が必要となる。

操縦法はヴォイス・コマンドによる音声操縦であり、内蔵された生体ユニットが 補助するため、デュアルカインドでありさえすれば訓練を受けてない素人でも それなりの操縦が可能である。

ニューロノイドは二名のデュアルカインドをヘッドダイバー(操縦者)として要することから それぞれ、別個のマニピュレイトBOX(コックピット)を設け、機体頭部に位置する方の ヘッドダイバーが操縦のイニシアチブを握る方式が採用されている。 すなわち、ウームヘッドを頭部としたAPモード(アクセプト・モード)と セリブヘッドを頭部としたAVモード(アクティブ・モード)である。 APモードは調査・分析に適した形態であり、AVモードは移動やパワーを要する事態(戦闘行為を含む)に 対応するための形態である。必要に応じて二つの形態は使い分けられる。 モード変換時のアクションは乱暴に言ってしまえば「逆立ち」であり、 これにより腕と脚が逆転し頭部に位置するユニットも入れ替わる。

ニューロノイドの共通装備にして最大の特徴とも言えるのがシナプス弾撃である。 AVモード時のみ使用可能で、TMシステム(胸部のスリット部)から大気中の空気分子を取り込み、 任意の物質を合成し、両腕の発射口より発射する。強酸や界面活性剤、液体ヘリウムなど様々な物質の合成が可能である、 また逆に有毒ガスの分解なども可能である。 使い方次第では絶大な効果を得られるが、リンカージェルの消耗も激しい諸刃の剣である。

ニューロノイドの種類

覚醒人1号

(有)アカマツ工業製のニューロノイド。

基本的に探査用として造られているため、 頑丈ではあるものの、シナプス弾撃以外の武装は無い。 また、比較的初期に開発されたため、他のニューロノイドに比べリンカージェルの活動限界も早い。 反面、自由度や順応性などは高いと言われている。

生体ユニットとしてバンドウイルカ12頭の大脳皮質が用いられている。 このため、嬉しい誤算であるが水中活動の適応性が高くなっている

ティラン

試作機を含め4体が製作されたモーディワープフランス支部製のニューロノイド。

4号機であるカトリエは試作を経て造られただけあり、 総合性能は覚醒人1号よりも高く、またリンカージェルの活動限界も長い。

生体ユニットとして、試作機3体は人間の、カトリエだけは チンパンジーの一種、ボノボの大脳皮質が用いられている。

ブロッサム

モーディワープ製の戦闘用ニューロノイド。

戦闘用として造られたため、APモードはオミットされており、 マシンガンが装備されている。さらにオプションとして ミサイルランチャーやキャノン砲などの装備が可能である。 ヘッドダイバーとして手術により人工的に造られた擬似デュアルカインドが乗り込む。

その、物々しい武装や擬似デュアルカインドの存在、唯一量産されている事実 (確認されているだけでも16体は存在する)などから、モーディワープには ニューロノイドを軍事目的に利用する意思があったと考えられる。 もっともそのモーディワープもアルジャーノンのために壊滅してしまったが。

なお、生体ユニットとして何が用いられているかは不明である。

グリアノイド

ニューロノイド飛行推進ユニットである。ニューロノイドではないが、 構成上、ここに記述させてもらう。リンカージェル透析システムを備えており、 ニューロノイドとドッキングすることによりリンカージェルの活動限界を補い、 空中での機動力を補う。

覚醒人凱号

特徴

Z計画のために(有)アカマツ工業が主導となって開発した新型ニューロノイド。 覚醒人1号ではオプションであったグリアノイドによるジェル透析システム、 飛行推進ユニットを標準装備させており、結果、それまでのニューロノイドよりも 大幅な出力及び活動限界の向上を実現させている。

さらに特記すべき事項として、従来の倍近く巨大化した事と ガオーマシンとのドッキングポートの増設がある。 ドッキングポートの増設と機体の巨大化はどちらが先だったのか。 機体が巨大化してしまったので、その流れからさらにドッキングポートを追加したのか、 あるいはドッキングポートをつけるためにそれに相応しいサイズまで巨大化させたのか気になるところである。

生体ユニット

生体ユニットは不明であるが、モーディワープの壊滅に伴い、 ニューロノイドの生体ユニットに関するデータ及びそれに関わる知識、技術を持つ人材が 少なからず失われたであろう事は間違いない。(覚醒人1号の生体ユニットに関する データ、システムはモーディワープの管轄でありブラックボックス化されていた)

また、GGGが変形ビークルロボに利用されている 超AIに関するノウハウを持っていることは自明である。 必要な機能が得られるのならば、生体ユニットに拘る必要は無い。 むしろ、初期型ティランで生体ユニットに起因する暴走事故などがあった事を考えれば GGGの技術が使えるのならば、生体ユニットではなく AIを使ったと考える方が順当だろう。

ガオ凱号

覚醒人凱号(AVモード)がステルスガオーII、ライナーガオーII、ドリルガオーIIと ファイナルフュージョンすることでニューロメカノイド・ガオ凱号が完成する。 ステルスガオーIIIではなく、ステルスガオーIIを利用しているのは、 凱号がガオファーのようにファントムリングを生成できないからであろう。 あるいは木星圏での活動を想定しているので、 宇宙戦仕様のステルスガオーIIの方が都合が良かったのかもしれない。

シナプス弾撃

ガオ凱号でのシナプス弾撃はどのように使用するか、通常のニューロノイドならば AVモード時の腕にシナプス弾撃発射口が備えられているのだが、 ガオ凱号の腕にはそのような物は無い。通常とは異なる部位から発射するのだろうか。 (ガオ凱号の肩上部にある覚醒人凱号の肩パーツあたりだと思うのだが・・・)

なお、既に説明したようにシナプス弾撃は大気中の空気分子を取り込んで使用する。 当然、宇宙空間では使えないはずだ。どうするのだろうか?。 (せっかくのニューロノイドなのにシナプス弾撃が使えない、という事態は避けたい)

ファイナルフュージョン

ガオ凱号のファイナルフュージョンはどのような方式で行うのか。 ステルスガオーIIはプログラムリングに対応していないし、 二つの方式を混成でやるわけにもいかないだろう。 そうするとガオガイガーと同じEMトルネード方式か、 あるいはステルスガオーIIを改造してプログラムリングに対応させるかだ。

ファイナルフュージョンによる負担などのリスクを軽減するならプログラムリング、 手間や開発期間の短縮化を図るならEMトルネード方式といった所だろう。