ウミガラス(オロロン鳥)


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参考ホームページ 自然写真家 寺沢孝毅(てらさわたかき)さんのオフィシャルホームページ 天売島在住自然写真家の寺沢孝毅さんのホームページ
「北海道天売島 地球が見える島」
 天売島で観察できる海鳥をはじめ、現地の自然情報、観光情報も充実しているので、天売島へ行きたいと思ったら、必見!寺沢氏が講師として同行するツアーもあり!

また、島についたら、寺沢氏の写真の展示のほか、現地の鳥情報の拠点となっている「海の宇宙館」に立ち寄り、きっちりと情報を仕入れよう。各種ガイドツアーも実施している。
羽幌町観光協会ホームページ 天売島の観光情報の総合窓口
じいちゃん先生の
トナカイだより
じいちゃん先生が、ふるさと北海道をゆったり歩き、野生生物や自然を紹介。いまや、ぶんぶく探検隊の名物に!
(オロロン鳥関連の記事 2006年5月 断崖絶壁にすむウトウ等参照)

現地施設


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撮影&文:じいちゃん先生

ウミガラス(オロロン鳥)
 チドリ目ウミスズメ  大きさ 43cm 分布 北太平洋、北大西洋沿岸 日本では天売島に少数が繁殖、冬は南下して沖合いにいる
 北海道天売島で少数が繁殖している。沖合いにいて魚やイカ類をとる。内湾に現れることはほとんどないので、姿を見ることはきわめてまれ。鳴き声がオロローンと聞こえるので「オロロン鳥」と呼ばれている。オスメス同色、冬羽は、首の辺りや腹側など、全体的に白い部分が多くなる。
ウォッチングのコツ・・・天売島に行き、まず「海の宇宙館」にいって、鳥の情報を仕入れ、島の歩き方をよく聞いて行動しよう。島は、世界一のウトウの繁殖地でもあり、たくさんの野鳥の宝庫だ。オロロン鳥に出会うには、記事の通り、オロロン号にのって、根気強く、探そう。

ヤッター!! オロロン鳥 (ウミガラス) 見つけタァ!!

 オロロン鳥がすんでいるという天売島(てうりとう)をたずねた。
 天売島には、遊覧船「おろろん」という、海鳥のすむ断崖を巡る探勝船がある。この船で70分かけて島の周りをめぐるのである。

 1日目はウトウの観察をして、2日目にこの「おろろん」にのって島巡り。ところが、4人以上いないと運航しないという。この日は予約客はじいちゃんだけ。乗り場に行ってみると、運良く5人になったので、出航してくれるという。その中に、東京から来たSさんという、鳥類に詳しい方と乗りあわせることができたのは実に幸運だった。また後ほど説明するが島在住の自然写真家 寺沢氏に、大変お世話になった。

 波もなく、絶好のコンディション。穏やかなので、かなり岩場に船が近づける。
 鳴き声が「オロローン、オロロロン」と聞こえることから、オロロン鳥と呼ばれるウミガラス。かつて、万の単位で生息していたこの鳥も、現在ではわずか10数羽、日本で最も絶滅が心配されている海鳥でもある。このオロロン鳥の生息地が、天売島の西端にある赤岩周辺。

 途中、ケイマフリウミウを観察して、赤岩に近づく。
 赤岩は、海に直立した高さ48mの岩で、あたりは切り立った断崖絶壁が続く。赤岩周辺には、人が近づけないが、展望台からは見下ろすことができる。またこの周辺は、ウトウの営巣地でもある。ウトウの掘った無数の巣穴を見ることができる。

 赤岩の手前に来た頃、船がとまる。Sさんが、「ウワァ!!ホレ、いるいる!」と突飛な声を出している。はじめ何がいるのかわからない。ただならぬ雰囲気に驚いて、まわりを見るが、何も見つからない。「何がいるの?」とじいちゃん。

 はじめて見るオロロン鳥、しかもすぐ前を悠々と泳いでいる。しばらくシャッターを切るのを忘れて見惚れていた。ちょうど鳥の姿が見え隠れするように波がたっていた。探すのに一苦労。このようにめぐり合えるのは、奇跡だーッ。

 さて、このオロロン鳥、なぜ絶滅危惧種になったのか?
 北海道大学の学者は、赤岩の岩棚が貧弱でもろくなって、長い年月に、厳しい気象条件と重なり、岩が風化して営巣ができなくなった。
 ただ、それだけでなく、いろんな説もある。オオセグロカモメ、ハシブトガラスなどの天敵に卵やヒナが食べられ、少なくなったということ。また、エサのイカナゴの数が少なくなったことも原因のひとつ。ウミウも増えているそうだ。この海鳥にオロロン鳥はおわれて営巣地を離れた。

 島に住む、自然写真家・寺沢孝毅氏著書「オロロン鳥」によると、漁師による流し網が、海中の「カスミ網」といわれるように、オロロン鳥はこの網にかかったそうだ。
 昭和56年〜59年までの海鳥の死亡数の推計によると、多い年で25万羽、少ない年でも約10万羽平均で16万羽の海鳥が死んでいる。

 30年前は、8000羽もいたオロロン鳥は、10数羽になった。

 写真家の寺沢氏は、じいちゃんとは母校が同じという縁がある。彼は教師の職をなげうって、オロロン鳥の保護に乗り出したそうだ。現在、屏風岩に動くことのない45羽のオロロン鳥のデコイ(鳥模型)が、生きたオロロン鳥の帰りを静かに待っている。
 翌年には、鳥声の拡声装置までつけられ、「オロローン、オロロロン」という声が日本海の美しい海原に広がり、デコイに味方する。

 活気のある、屏風岩が戻ってくることを祈って・・・。

                                       (2006.5.31 isamu)

天売島西端 赤岩付近(中ほどにオロロン鳥の巣)

↑ 赤岩周辺のウミガラスのデコイ(模型)

 「あれあれ、あそこにオロロン鳥が泳いでいる」。じいちゃんあわててあちこち見るが何も見えない。そんなじいちゃんを見てSさんが波間を指差す。「ほれ、あの岩の前に2羽泳いでいるでしょ」。具体的に言われ、すかさずその辺りを見る。「うん!居た!居た!ヤッタァー、オロロン鳥だーッ」
 やっと探すことができた。それも2羽、きっとつがいであろうか?仲良くならんで泳いでいる。

人を寄せつけない断崖絶壁に、飛び交う海鳥、ウミウやカモメたちが多い。

by isamu

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