ツル目ツル科 大きさ 雄140cm 雌131cm(翼開長227〜243cm) 分布 北海道東部 特別天然記念物 絶滅危惧種U類 |
つがいと幼鳥からなる家族群で行動。雑食性で、植物や昆虫、ネズミや魚など何でも食べる。湿原の草むらに巣を作る。日本では一時絶滅しかけたが、地元の保護活動が実を結び、現在では900羽以上まで増えた。雄は、大きな声を出しながら羽を広げ、雌に求愛する。 |
ウォッチングのコツ・・・・冬は集団で越冬し、餌付けされている。越冬地に行けば確実に会える。夏は湿原の奥につがいで入り、繁殖するが、標津(しべつ)から根室市にかけての湿地などで、けっこう簡単に見つけることができる。大きくて白いから遠くにいてもよく目立つ。 観光客がよく、遠くのアオサギなどのサギ類をツルと勘違いしているので、鳥初心者はサギ類も事前に勉強しておいたほうが良いかもしれない。 |
撮影 : 北海道鶴居村・鶴見台(平成15年12月)
撮影 : 北海道標津町・野付半島 (平成15年8月)
撮影 : 岡山県自然保護センター (平成16年2月)
タンチョウを飼育しているところはいろんなところにあり、東京の上野動物園などで1年中見ることができる。そんな中でも岡山県の取り組みはユニークだ。なんと、繁殖したタンチョウを自然に戻すという壮大な計画があるそうだ。
←エサを食べるタンチョウ
アメリカザリガニをついばむ。
アメリカザリガニのいない北海道ではありえない光景。こうらをくちばしでつついて砕き、中身だけ食べていた。
こんな光景がいつでも見れるよう、ぜひ、がんばって欲しい。
←飼育されているタンチョウ
ここ阿寒のタンチョウも有名。
夏は湿原に戻ってしまうタンチョウだが、飼育している個体は夏でも見ることができる。
撮影 : 北海道阿寒町・阿寒国際ツルセンター(平成16年8月)
写真は鶴居村・鶴見台にて撮影。
冬はトウモロコシなどで餌付けされており、ここには200羽前後のタンチョウが集まるらしい。午後2時ころが一番タンチョウの集まる時間だそうだ。
いうまでもないが、タンチョウを絶滅の危機から救ったのはこの餌場である。地元の人たちの保護活動なくして、タンチョウの今日はなかった。
←親鳥と2羽の若鳥
写真では小さくてわかりにくいが、目を飛ぶタンチョウは頭頂が赤く、大人のツル。うしろの2羽は頭が茶褐色の若鳥だ。
タンチョウは2歳が過ぎてようやく、頭のてっぺんが赤くなる。
ツルセンターの中では、いろいろな展示があって、勉強になる。写真はエサの展示。
←タンチョウが食べた空き缶
左はタンチョウが食べてしまった空き缶の展示。何気なく捨てたゴミも、時には野生生物の命を奪ってしまう。
群れで冬を越したタンチョウは、春、雌雄つれだって湿原の奥に帰っていく。繁殖は4月なかばからはじまる。葦(あし)の中に大きな巣を作り、、2個の卵を産む。ヒナはたいてい1羽のみ育つ。
下の写真は標津町・野付半島で撮影。夏の野付半島はかなりの確率でタンチョウに会える。もちろん群れではなく、ペアでいる。このペアはヒナをつれていないようだ。
←飼育中のタンチョウ
敷地内の池で放し飼いされているタンチョウ。かつては日本中にいたタンチョウだと思えば、どこで見たって違和感はあまりない。
←夏のタンチョウ〈野付半島〉
大きくて真っ白いタンチョウはよく目立つので見つけやすい。地元の人によると、特に午前中がよいそうだ。
湿地の鳥だが、水辺から離れた牧草地などでも休んでいることがあるので、ゆっくり探してみよう。
←トドワラ周辺で見つけタンチョウ
どうせ探すなら景色の良いところがいい。そういう意味でも野付半島は最適だ。天気がよければ北方領土の国後くなしり)島が間近に見える。20kmくらいしか離れていないのだ。
←雪原を歩く
なんとも美しい。
古くから、昔話などで馴染み深いタンチョウであるが、それだけ身近な鳥だったのだろう。
現地施設
阿寒国際ツルセンター | 北海道阿寒町23線40番地 電話 0154-66-4011 |
タンチョウ保護のための施設。11月〜3月 タンチョウが飛来、観察センターで観察できる。詳しくはツルセンターHPへ 開館時間:9:00〜17:00 休館:月曜日 入館料:大人400円、子ども200円 |
(財)日本野鳥の会 鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ |
北海道阿寒郡鶴居村字中雪裡 電話 0154-64-2620 |
タンチョウの保護・研究施設。タンチョウの給餌を観察(14:00)できる。詳しくは、野鳥の会HPへ 開館期間:10月から3月 開館時間:9:00〜16:30 JR釧路駅より阿寒バス乗車約1時間、鶴居村役場前下車、徒歩約15分 |
阿寒 鶴居村 鶴見台 |
北海道阿寒郡鶴居村雪裡原野 | 北海道道53号線沿いにある。 1日2回給餌の様子が見られる。 |
恩根内ビジターセンター | 阿寒郡鶴居村温根内 電話 0154-65-2323 |
釧路湿原の動植物の紹介。釧路湿原を歩く前に寄るとよい。 全長3.1q、約1時間半の木道コースあり、野鳥の観察ポイント。 詳しくは、鶴居村HPへ 開館時間:10:00〜17:00 休館:火曜日 年末年始 入館無料 阿寒バス温根内ビジターセンター前下車徒歩3分 JR釧路駅より(又は釧路空港から)車で約35分。 |
環境庁釧路湿原野生生物保護センター | 〒084-0922 北海道釧路市北斗2−2101 電話 0154-56-2345 |
シマフクロウやタンチョウなど絶滅の恐れのある野生生物や湿地の生態系の解説、保護研究施設。シマフクロウを保護、飼育しており、観察できる。 詳しくは、釧路湿原国立公園連絡協議会HP または、環境庁野生生物体験施設ガイドコーナーへ |
岡山県自然保護センター | 〒709-0524 岡山県和気郡佐伯町田賀730 電話 0869-88-1190 |
湿生植物園あり、野生のタンチョウを飼育している。 開館時間:9:00〜16:30 休館:火曜日年末年始 入館料無料 詳しくは、自然保護センターHPへ |