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 ペリカン目ペリカン科  大きさ 140〜175cm 篭脱け 分布 アフリカ、ヨーロッパ南東部、東南アジアなど
 桃色がかった大きな体に大きなくちばしが特徴。沖縄の離島などに迷鳥として飛来した記録がある。印旛沼や各地で生息しているのは飼育されていた個体が逃げ出したもので、篭脱け(かごぬけ)という。
 1989年には山口県宇部市で幼稚園に通う「カッタ君」が全国的に大人気になった。印旛沼の個体は、「カンタ君」と呼ばれ、長年漁師さんの船で暮している。地元やバーダーに親しまれている存在だ。
 平成18年初頭、四国など西日本をにぎわしたコシベニペリカンも籠ぬけらしい。
 ウォッチングのコツ・・・印旛沼のカンタ君に会うには印旛沼へ。北印旛沼で漁をしている船に乗っているので、探してみよう。地元のひともよく知っているので、たずねてみるのもいいだろう。印旛沼は、江戸時代の干拓の歴史で有名な場所で、広大な沼の周辺には田園が広がる。バードウォッチングやサイクリングに訪れる人が多い。のんびり散策を。散策マップ→利根川下流河川事務所HP参照
モモイロペリカン
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成17年2月2日 茨城県印旛村・印旛沼   

 この見慣れぬ鳥はモモイロペリカン。飼育していた鳥が逃げ出した、いわゆる『篭(かご)脱け』と言われる鳥だ。自然のもとで生まれ育ったわけではないから、「野生生物」とは言えない。

 場所は千葉県北印旛(いんば)沼・吉高機場前沼。1994年頃からここに住み着いており、カンタ君という名前があるらしい。現れた当初はものめずらしさで話題になったそうだが、篭脱けの鳥だと判明してからはいつしか忘れられてしまった。

 初めての出会いからもうだいぶ経つ。車から小船を見つけ、降りて近づくと、明らかに異質な鳥がいる。ああ、カンタ君だ、とすぐわかった。でかい。人馴れしていて、すぐそばで撮影させてくれた。が、近づきすぎると羽を広げて威嚇(いかく)される。
 僕はもう2年ほど会っていないけど、今も変わらず小船の上で静かにすごしているのだろうか。

 モモイロペリカンは北アフリカ、西アジアからヨーロッパにかけて生息する大型の鳥。羽を広げると2mを大きく超える。わりと寒い地方で暮らしている種だから、日本の寒い冬も平気なのだろう。各地の動物園で飼育されている。そういうところから逃げ出したモモイロペリカンは、ここ以外でも時おり現れて話題になる。
 幼稚園に通って大ブームになったカッタ君は、山口県宇部市の常盤公園で放し飼いにされていたもの。1989年のことだ。
 

 何度か行ったが、いつもこんなかんじで小船に乗ってじっとしている。船が漁で出るときは一緒に出かけ、漁のおこぼれの小魚を頂戴するらしい。はじめて見たときはびっくりした光景も、何度か見ると当たり前に思えてくる。それくらいカンタ君はさりげなく普通にそこにいる。

 ふるさと遠く日本の地で、たった一人で生きる道を選んだカンタ君。それが自由を手にする代償だとしても、冷たい雨に打たれて彼は一体何を想うのだろう。
 
 僕ならば自由と孤独を秤にかけるとどちらが重いか?
 否、社会で生きる人間にとって、本当の自由とは一人で生きると言うことか。
 うーーん、よくわからんが、自由の前にひとり立ちが必要だ。
 

成17年1月16日 茨城県 印旛沼   

この日は天気が悪い。真冬の冷たい雨の中、ひとりたたずむカンタ君・・・・。

公開:平成18年5月25日

↑ 近づいても逃げないモモイロペリカン