平成18年1月21日 渡良瀬遊水地  14:50 

 フクロウ目フクロウ科  大きさ 38cm 翼開長99cm 冬鳥 北海道〜九州 
 10月〜4月に冬鳥として飛来。干拓地や河川敷の葦原、農耕地などの、広い草原で生活。夜行性で、夕方ごろから、活動をはじめ、羽音を立てずに狩りをして、ネズミなどを捕らえて食べる。羽角が小さく目立たない(コミミ)のが特徴。昼間は、草原で休んでいるが、昼間でもよく狩りをすることもある。
ウォッチングのコツ・・・時期は冬干拓地や大きな川の河原など、広い草原で越冬。日本各地に越冬地がある。基本的には夜行性だが、日中でもえさを探して飛ぶことがある。特に夕方以降が観察しやすいだろう。狩場はけっこう限定されているようなので、飛んでいるところを見つけたら、じっとその周辺で粘る「定点観察」が基本だ。止まり木や草むらに止まると、けっこうじっくり観察させてくれる。風の強い日はあまり飛ばないという話をよく聞くが、確かにそうかもしれない。夜のウォッチングも可能だが、じっくり見るのは難しい。飛ぶ範囲も昼より広がっているようだし(経験的に)、車のライトで飛び立ってしまうので、近づけない。めちゃくちゃ人気者なので、生息しているところは、バーダーがカメラを並べていたりするから、そういうところを見つけて観察をはじめてみよう。
コミミズク 渡良瀬05〜06年冬@
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 大雪の渡良瀬でコミミズクに遭遇した。イタチを狙って、500mmのレンズにストロボをつけてふらふらしていたら、いきなり目の前に飛んできた。コミミズクはまったく頭になかったから、少々うろたえる。あわてて後を追ったら、雪の中で思い切り転んだ。
 誰も先客はいないと思っていたけど、その先には数人のカメラマンが待ち構えていた。もしかして、恥ずかしいシーン、撮っちゃいました?・・・・・

 コミミズクはフクロウのなかまで夜行性。でも、昼間もけっこう飛んでくれる。この日はことさら雪が強くなった瞬間、東の方角からから飛んできた。たまに川向こうで飛んでいる個体だろうか? それとも、年末の夜、西の方角で目撃した個体だろうか? ・・・3個体とも同一だという可能性もある。

                巴波(うずま)川も雪化粧。
 渡良瀬遊水地には渡良瀬川のほか、巴波川、思川などの魅力的な川がいくつか流れている。巴波川はもう少し上流に行くと水草が一面を生い茂る素晴らしい川になるし、思川はサケや鮎がたくさん遡上する。

                 ススキの穂にも雪が積もる。
 コミミズクを狙うなら定点観察が基本。渡良瀬遊水地では俗称「鷹見台」と呼ばれている有名な観察ポイントがあり、多い日では100名近いバーダーがカメラを並べる。だけど、人ごみが苦手な僕は、たいていは車で移動しながらひと気のないところを探している。
 一度、渡良瀬遊水地に入ってしまえば、僕はいつも同じコースを回る。イタチによく会う道や、コチョウゲンボウの堤防、ハイイロチュウヒの寝床、その他、秘密のポイントがいくつかあって、そのコースをさっと回るだけでも軽く2時間はかかる。それほど渡良瀬遊水地は広いのだ。

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 雪の昼下がりにフクロウ・・・。なんとも素敵な組み合わせだ。

 ネズミを狩るフクロウ類は、羽音をたてない。モノクロの情景の中に、無音のコミミズクが消えていった。

渡良瀬遊水地(わたらせゆうすいち)

 栃木、群馬、埼玉、茨城の4県にまたがる面積33km2、総貯水容量約2億m3の我が国最大の遊水地。
 明治時代に、洪水被害を防ぐため、谷中村というひとつの村をなくして、作られ、昭和30年代から平成2年までの拡張工事により、現在の姿になった。
 広大なヨシ原でおおわれた環境には、野鳥約220種、魚種33種、昆虫類1345種が確認されているという。毎年3月には、環境の保全、害虫駆除を目的に、ヨシ焼きが行われる。
 遊水地の中心にある谷中湖は、マリンスポーツやサイクリングなどレジャーも楽しめる。
 
 最寄り駅:JR宇都宮線「古河駅、野木駅」 駅からは車で15分程度
 車:東北自動車道:館林I.C.より東へ約20分
  ※ 詳しくは、財団法人アクリメーション振興財団ホームページへ 

(2006.2.1 公開)

つづく・・・・