公開:2005.12.23

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コクマルガラス


下の写真は旧総和町の養鶏場の周辺で撮影。

 ミヤマガラスの鳥柱を追いかけ、200羽の群れの中からコクマルガラスを探す。場所は群馬県板倉町周辺。渡良瀬遊水地にわりと近いあたり。かつては珍しい鳥だったが、今はけっこう飛来するらしい。確かに僕の家の周辺でもけっこう見かけるようになった。
 漢字で書くと「黒丸鴉」。小柄で、真っ黒の黒色型と、白黒パンダ模様の淡色型の2バージョンがある。もちろん狙いは淡色型。このパンダガラスがめちゃかわいいのだ。

昨年は一度も見なかったポイントなんだけど・・・・・。

 上に写っている個体をよく見て欲しい。一見、黒色型にも見えるが、淡色型にも見える。
 黒色型と淡色型の中間バージョンのようだ。

↑ そろってあぜ道を横断中
スズメ目カラス科  大きさ 33cm  分布 ユーラシア大陸 日本には冬鳥として西日本を中心に飛来
 冬鳥として、9月〜4月 飛来。日本で繁殖はしない。平地や山地周辺の田んぼで昆虫などをとって食べる。
 群れで行動。ミヤマガラスの群れに混ざっていることが多い。「キュ」と変わった声で鳴く。
 カラスの仲間では体が小さい。体の色は、淡色型と暗色型にわかれ、淡色型は、首から腹までくっきりと白いのが特徴的。中間型という、全体に褐色がかったものもある。
 ウォッチングのコツ・・・冬鳥として飛来する秋以降が観察期間。基本的には西日本に偏るそうだが、近年東上しているという話もある。埼玉・茨城・栃木・群馬にまたがる渡良瀬遊水地の周辺の畑、さらには市街地でも、観察できる。基本的にはミヤマガラスの群れを探し、その中でひときわ小さいカラスを確認するのがよい。
 2005年に市街地で確認したものは、ミヤマでなく、ハシボソガラスの群れの中にいた。

↓淡色型(下)と 淡色と黒色の中間型(上)
 下は同じ場所で撮影。夕焼けにお尻を見せて、なーんかパンダに写らない。
 

平成17年11月  茨城県古河市(旧古河市)

  2005年冬、コクマルはすっかり僕の隣人になった。古河市や、埼玉県久喜市など、去年はいなかったはずの場所でよく見る。僕の生活環境が去年と大きく変化したため、偶然機会が増えただけかもしれないが、今年は渡って来た個体が多いのではないかとひそかにわくわくしている。

ウォッチングのコツ2
ウォッチングのコツ2は、夕方編である。

 カラスは決まったねぐらで眠る。ねぐら周辺でコクマルを探す。まずはねぐら探しだが、これが意外なほど市街地に近かったりする。学校やお寺、工場の周辺の雑木林だったりするので油断できない。日が沈んでからねぐらの林で騒いでいるカラスを見つけよう。が、ねぐらのカラスを直接観察するのはけっこう大変。もう暗いし、たいてい人が入れないような足場の悪い林だからだ。僕がお薦めするのは、ねぐらに向かうカラスたちが一旦集合する場所だ。
 日没の30分前にはすでに、カラスたちはねぐらが見える周辺の場所(Tkm以内)に、いくつもの小グループに分かれて集まる。そして日没の直後、さらにねぐらに近い場所(ねぐらの数百mのあたり)に大集合し始める。そしてあたりがすっかり暗くなる頃、カラスたちは大騒ぎしながらねぐらに戻っていく。
 ようするに餌場からねぐらにまっすぐに戻らず、一旦周辺に戻ってきてからじわじわ戻るのだ。その時間帯がウォッチングのゴールデンタイムだ。
 

平成17年12月  茨城県古河市(旧総和町)

↑ハシボソガラスの群れに入っていたコクマル

 上の写真は古河市(旧古河市)で撮影。ねぐらのすぐ近くだ。もう日が沈んでいたためフラッシュを使っている。ここで初めて見つけたときは、ほんとにびっくりした。電飾テカテカのパチンコ屋の駐車場である。以後数回観察に来たが、いつも警備員のおじさんが不審そうに僕を見ていく。
 この日、いつもになくしつこいおじさんの目を避けるため、客を装い店内に入る。自販機のコーヒーだけ買おうと思ったが、ケンシロウの「あたー」という呼びかけに、僕はついつい席についてしまった。ああ、よせばいいのにあとの祭り・・・・。焼肉フルコースと決めていたはずの晩飯が、490円のラーメンになってしまった。せめてねぎラーメンが食いたかった・・・。

ウォッチングのコツ1(渡良瀬遊水地周辺版
 実は昼間と夕方ではウォッチングのコツがちょっと違う。

 まず昼間。基本的には田んぼや畑で餌をとっている。田んぼの中を探す前に、まずは周辺の電線を探してみよう。たくさんのカラスがとまっていたら、ミヤマカラスの群れかどうかを確かめる。ミヤマならばかなりの高確率でコクマルもいる。

 電線でミヤマの群れを見つけた場合、まずは淡色型を探すのが常套だが、黒色型しかいない場合もあるし、逆光や薄暮の中では淡色型も真っ黒に見える。そんな時は大きさが見分けるポイント。コクマルはハトるみたいに小さい。
 さらに、群れの端のほうにいるカラスからチェックするのもポイント。鳥の群れに混ざる珍鳥系は、たいてい控えめにしているものだ。時おりミヤマに追いかけられていることもある。
 ちなみに、ハシボソガラスの群れの中にミヤマガラスが混じっている場合もある。
 
 また、田んぼの中にいる群れは、車中からだと意外と見えにくい。そんな時、耕運機が停まっている田んぼを探してみよう。土を掘り返した後の田んぼは、カラスのみならず、ケリやタゲリなどいろんな野鳥が集まっている。

 この群れには淡色型のコクマルだけでも7〜8羽いた。同じ種類なのに、何で2バージョンの体色なのか? 何で白黒なのか?
 ・・・・・・繁殖地の様子を見たくてたまらん。

  遠いけどこれ以上近づけない。コクマルが、というより、カラスは総じて警戒心が強い。

                    ↑きれいな淡色型

 上がパンダバージョン(淡色型)。大きさ、色とも、とてもカラスとは思えない。
 コクマルガラスはミヤマカラスという渡りガラスの群れにちょこっと混ざるが、その中でもパンダはさらに少ない。ぜひ本物に会って欲しい鳥のひとつだ。

← ミヤマガラスの群れ

 ハシブトやハシボソよりも小さめで、口ばしが鋭く、根元が灰色ぽいのが見分けるポイント。。
 
 探すなら広い田んぼや畑が良い。200羽〜500羽の大きな群れを作る(数えたことはないけど)。

         (栃木県藤岡町にて)

平成17年2月  群馬県板倉町