クッチャロ湖のコハクチョウ


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撮影&文:じいちゃん先生

 

 北海道北部オホーツク海に面する町浜頓別(はまとんべつ)町にあるクッチャロ湖の秋はコハクチョウの飛来とともに深まる。
 同湖はロシア・シベリアと日本を往復するコハクチョウの国内有数の中継地。
 ラムサール条約(水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)に1989年、国内3番目に登録され、町は観光資源としてもPRに力を入れている。

 コハクチョウの渡りは例年10月末にピークを迎え、湖で羽を休めながら、春の北帰行を待つ。
 秋の行楽シーズンはもちろん、冬は流氷観光のバスツアー、春はゴールデンウィークと、道内外の多くの観光客がコハクチョウを目当てに湖を訪れる。

 コハクチョウはここ数年、秋の飛来数が減少傾向。かつては10月の飛来数は2万羽前後だったが、2001年の17,300羽を境に、2002年は4,400羽、2003年は5,300羽、2004年は3,000羽、2005年は5,500羽と一万の大台を割っている。

 コハクチョウは、オオハクチョウと比べて、体が小さく、くちばしの黄色い部分の基部が丸みをおびている。
 水面や地面を助走して飛び立つ。ほとんど水にもぐらず、オホッオホッとか、コォッコォッと鳴く。

 ここに、ナキハクチョウという日本に飛来するのがきわめてまれなハクチョウがきていると知り、BABAちゃんとともに、湖を訪れた。

クッチャロ湖水鳥観察館の小西主査に、「ナキハクチョウはいますか?」とたずねると、「ナキハクチョウは昨日から見えなくなり、渡ったかも・・・。」残念ながら会えなかった。
2日ほどたって電話で確認したが、やはりいないとのことだった。

 たくさんのコハクチョウの群れのなかから、もしかしたら、ナキハクチョウがいるかもしれないと探す。
 ナキハクチョウはくちばしが真っ黒だと聞いていたので、コハクチョウの個体を一羽ずつ確認していると、くちばしの黒いのを見つけた。

 小西主査に聞くと、「くちばしの付け根がチョッと黄色いでしょう。あれはアメリカコハクチョウだよ」と教えてくれた。

 なるほど、わずかだが、黄色い部分が見える、。コハクチョウの亜種だという。日本には少数が飛来する。
 はじめて確認、シャッターを切る。3羽ほどが泳いでいた。
 ナキハクチョウには会えなかったが、たくさんのコハクチョウ、そしてアメリカコハクチョウにあえて、BABAちゃんも満足。


                                       (2006.12.4 isamu)

コハクチョウ
カモ目カモ科  大きさ 120cm 翼開長177cm 冬鳥 分布 本州〜北海道各地に飛来
 10月〜4月にかけ、北日本を中心とした各地に越冬のため飛来。湖沼にはえた水草の葉や根をたべる。主要な飛来地では地元の保護会が餌付けしていることが多く、観察が容易である。
 くちばしの先端が黒く、もとが黄色い。黄色の基部が丸い。オオハクチョウはおなじ黄色の基部がとがっている。亜種であるアメリカコハクチョウはくちばしの大部分が黒い。 
 ウォッチングのコツ・・・日本各地に飛来地があり、意外と身近に観察できるので、近くに飛来していないか調べていってみよう。

by isamu

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クッチャロ湖から見える山々

クッチャロ湖で休む水鳥たち

餌付けの時間

コハクチョウ

by isamu

←標識(首輪)をつけたコハクチョウ

 渡り鳥のの生態や移動などを調べるためにつけられた首輪。
 国際的な協力体制のもと、実施されている。日本では山科鳥類研究所が専門で行っているそうだ。
 首輪には個体番号のほか、取り付けた国の名前などが書かれている。
 このコハクチョウはどこから来たのだろう。

by isamu

アメリカコハクチョウ(コハクチョウの亜種)

by isamu

コハクチョウにナンカ言ってる・・・

(2006.12.27公開)