カササギ
 スズメ目カラス科 大きさ45cm     分布 九州北部(佐賀県、福岡県) 繁殖地が天然記念物

生息地は佐賀県と福岡県に集中し、田んぼの周辺や町中にも住んでいる。電柱の上などに枝をくんだ大きな巣を作る。穀類や昆虫、木の実など雑食性。佐賀県ではカチカチ鳴くので「カチガラス」と呼んでいるそうだ。カラスくらいの大きさだが、黒い体に白い腹、羽を広げると、白い扇子を広げたように美しい。人為的に移入された外来種と言われている。

おすすめの観察地
佐賀県の南のほうに行けば普通に見られるが、なんと言っても、観光をかねて佐賀県神埼郡にある吉野ヶ里遺跡を訪ねるのがいいだろう。見渡す限りの畑中に、邪馬台国時代の竪穴式住居や高床式倉庫が並んだ吉野ヶ里遺跡は圧巻だ。カササギは、遺跡の間をとことこ歩いていたりする。

撮影 : 福岡県福岡市・今津干潟周辺    (平成17年1月)

撮影 : 福岡県柳川市、佐賀県芦刈町  (平成16年2月)

 地元の人に、福岡市内にはカササギはあまりいない、佐賀県寄りの南側で見られるかどうか、なんて言われたけど、博多湾周辺にもいた。3日間通って会えたのは1回だけだったが・・・。

 九州高速道路を下りると、すぐ田んぼのわきにカササギがいた。運転しながら周囲を見ていると、電線の上や田んぼのあぜ道に、当たり前にカササギがいる。
 写真は佐賀県三田川町の吉野ヶ里遺跡で撮影。けっこう近づいても逃げない。

←電線の上のカササギ(福岡県柳川市)

 最も多く見たのは電線の上。長い尾もかっこいい。よく見ると両脇の羽は美しく青く光っている。
 目があっても逃げないし、すっかりファンになってしまった。

 カササギは電柱の上に巣を作る。そんな目立つところに巣を作るのだから、人の目なんか気にしない。もともとペットとして持ち込まれたという鳥だし、歴史的にも人とかかわりが深いのだろう。

撮影地:佐賀県芦刈町

撮影地:福岡県柳川市


もどる

←有名な吉野ヶ里遺跡

 吉野ヶ里遺跡が全国に発表されたのは平成元年ごろ。史上まれにみる考古学ブームをまきおこした。
 雄大な佐賀平野とマッチして、ロマン満点。

← カササギの巣
 あちこちの電信柱にカササギの巣を見た。どの巣にもカササギの姿はない。繁殖期ならばじっくり観察できるであろう。

 吉野ヶ里遺跡歴史公園(佐賀県)

  有名な日本最大級の規模を誇る環壕集落遺跡「吉野ヶ里遺跡」を保存する国営公園。
  まわりはのどかな佐賀の田園地帯。遺跡と里がマッチして美しい公園だ。
  古代弥生の里の風情に浸りながら、確実にカササギを観察できる。
   佐賀県神埼郡三田川町大字田手1843 電話 0952-55-9333 吉野ヶ里歴史公園管理センター
   詳しくは、吉野ヶ里遺跡HPへ
 冬の今津なんだから、1日中、鳥を追いかけていればいい。そのうち目の前にカササギが現れるかもしれない。
 今津干潟(福岡県)  
 福岡県福岡市にある博多湾には、国内有数の渡り鳥の飛来地、和白干潟と今津干潟がある。いずれも、100万都市福岡市の中心に近い位置にあり、開発でなくなっていくことが危惧されている。博多湾は、大陸への渡りの重要ルートとなっていて、300種以上の野鳥が観察されるそうだ。
 代表的なのは、世界的に希少種となっているクロツラヘラサギ、カラシラサギ、ズグロカモメなど。

撮影 : 佐賀県 吉野ヶ里遺跡 (平成16年2月)

 カササギは、地元では「カチガラス」と呼ぶそうだ。秀吉の朝鮮出兵の時に、佐賀鍋島藩主が「カチ・カチ・カチ」と鳴く鳥をみて、縁起がよいと持ち帰ったのだとか。
世界では広く分布しているが、日本では佐賀県とその周辺の地域だけに生息している。
 吉野ヶ里遺跡、田園風景、そしてカササギ・・・・それが不思議なくらい町の風景として自然に溶け込んでいる。

 ↑ 竪穴式住居 
  地面を掘った上に屋根。
  中に入ると弥生人になった感じ。

↑ 物見やぐら 
 敵の見張りに使ったもの。

ぶんぶく ぶんぶく探検隊トップページへ
リンクフリーです