曽根干潟 〜生きた化石 カブトガニに出会う宝の海〜
2005年8月末 取材:ぽんぽこ
トビハゼ とてもたくさんいる
河口付近の海水がひたひたとある場所にたくさんいた。
カニ(種類:不明)
これは小さいもので簡単にとれたが、10cmくらいの大きさで、穴のそばから離れず、近寄るとすぐに穴に入ってしまうカニが無数にいた。ホウロクシギやダイシャクシギが狙っているカニだ。ここではシオマネキなど希少なカニも生息しているという。
← カブトガニ 写真下方
河口から流れ込む筋を伝って歩く。足が抜けなくなるほどぬかっているところも。トビハゼやカニがいっぱいいる中歩くこと百メートルくらいだろうか、先頭を歩いていた隊員R「あーーーーー!いた!ん?生きてるみたい!?」
駈け寄ると、いた、いた。
どこから、誰がみてもわかるその姿。体長60cmはあるカブトガニ。一見死んでいるようだが、たしかにモゾモゾしている。
← カブトガニの甲羅の中
もぞもぞしているのは、死んだカブトガニを食べるタニシや小さなカニだった。表にも裏にもびっしりとタニシがついている。
まだ、死んでからそれほど経っていないのだろう。臭いも強烈だ。
カブトガニの産卵は6月〜8月の満潮時に行われる。
写真はカブトガニのメス。オスは頭頂部がへこんでいる。産卵のためにメスに密着するようにするためだ。
このメスは産卵後に死んでしまったのか・・・?
カブトガニは、13年、14年かけて15、6回脱皮して成体になる。
脱皮が複雑で大変なので、脱皮の途中で死んでしまう個体もあるそうだ。
じゃーん!やったー!どうだ隊長!
全国的に生息数を減らしているカブトガニ。
曽根干潟でも毎年数百組の産卵数だったそうだが、ここ4年くらいの間、なぜか急増。2004年は1363組を記録したという。2005年もそれを超える数になりそうだとのことで、北九州空港の建設など環境の変化に対する何らかの影響ではないかとかえって、心配されている。
普段は、泥の中にもぐりこんでいるというが・・・。
2時間ほど探索したが、死んだ個体を4体発見。
生きた個体は見つけられなかった。
曽根干潟は野鳥天国 お楽しみは冬も本番!
←右:ホウロクシギ、左:アオサギ
沖合い近くの干潟で、一匹だけホウロクシギを発見。秋口から旅鳥としてたまに姿を現す。長いくちばしを穴に差し込んで、カニとりに余念がない。
これから冬にかけて、ズグロカモメ、ダイシャクシギ、ツクシガモなど貴重な鳥たちがこの豊かな海にやってくる。
望遠がなかったのでいい写真がとれなかったためあきらめたが、シギチドリ類が無数にいた。
現地情報