食肉目イヌ科 大きさ 50cm〜60cm 分布 ホンドタヌキ 本州〜九州 エゾタヌキ 北海道 中国やロシアに分布するタヌキの亜種 |
夜行性、親子や家族で生活。一夫一妻制で、オスも子育てする。雑食性。みんなで一箇所にフンをする習性があり、「ためフン」の場所は情報交換の場になっているそうだ。山里から、2000mの高地まで生息域が広い。 |
ウォッチングのコツ・・・・夜行性なので、夜の林道ドライブがおすすめ。春から夏にかけては特によく見かける。 ただし、びっくりすると失神してしまう(俗に言うタヌキ寝入り)らしいので、ひいてしまわないように気をつけること。とにかく車にひかれる野生動物ナンバー1で、特に巣立った若い個体が犠牲になりやすい。 もっと確実に観察したいのならば、餌付けされている民家や旅館などで観察させてもらうのがよいだろう。 |
路上に現れた!
思いがけない生息地のひとつは、なんと長崎空港
ここでは、観光客によって餌付け(えづけ)された野生のタヌキが、毎晩何頭も現れる。テレビなどで取り上げられたので、知っている方も多いだろう。
橋を渡って空港に入ると道は右へ直角に曲がるが、その角付近がタヌキの現れるポイントだ。フェリー乗り場の奥のほうに島があるそうで、そこがタヌキたちのすみかだそうだ。どうして空港にタヌキが現れるようになったのかはよくわからないが、もともとタヌキがすんでいた島に橋をかけ、空港をつくったらしい。
観光客のエサに群がる
最終便が21:00ころ空港に着くと、21:30に照明が落とされる。タヌキはその直後に現れた。
最終的に10頭くらいになっただろうか。以前はもっと来たそうだ。観光客がお菓子を上げると、ご覧のとおり、茂みから一斉にタヌキが飛び出す。でも用心深さは野生のままで、人が車から降りるとさっと逃げてしまう。(現地では魚釣りをしている人がいるので、聞いてみよう)
すみかが空港になってしまってもたくましく生きるタヌキたち。観光客との交流はなんともほほえましい。ただし、北海道の観光ギツネのようにはなって欲しくない。人からエサをもらって生きていくということが、タヌキにとって良いことかどうかは慎重に判断しなければいけない。
平成17年5月2日 和歌山県那智勝浦町
タヌキは、日本人にとって一番身近な野生動物のひとつだ。いろんな昔話に主役で登場するし、「たんたんたぬきの〜♪」ととぼけたメロディも浮かんでくる。
思いがけない大都会にあらわれたり、彼らは神出鬼没(しんしゅつきぼつ)だ。
どこにいても「タヌキに会えるかも」と思って気をつけていれば、案外すぐそばで出会えるかもしれない。
紀伊半島は、まるで昔話のなかの日本のように、野生動物がたくさんだ。
(紀伊半島の哺乳類のページも参照してください。)
ここ那智勝浦の海が見える高台にはホテルがあり、その下方に住宅が続いていた。ガードレールの脇から、大小のタヌキが次々に顔を出した。車のライトに照らされても、あんまり動じてない。
日本のタヌキの伝承 〜 群馬県館林市・茂林寺(もりんじ)の「ぶんぶく茶釜」
家族で行動するタヌキたち
タヌキは夫婦仲がよく、どちらかが死んでしまうまで連れそい、家族で生活する。ここでも、どれがお母さんで、どれが子どもだか、わからないほど何匹もあらわれた。この写真のタヌキは兄弟だ・・・・と思う。
日本昔話には、タヌキが人を化かす生き物としてよく登場する。タヌキはおく病な生き物で、驚くとひっくりかえって「タヌキ寝入り」して「死んだふり」をしたことからくるようだ。
ここ茂林寺は、「ぶんぶく茶釜」のお寺だ。「ぶんぶく探検隊」とは名前で縁がある。
← 茂林寺のぶんぶく茶釜
ぶんぶくちゃがまのおはなし
むかしあるところにおじいさんがいました。あるひ、おじいさんは、わなにかかっったタヌキを助けてあげました。
タヌキはちゃがまに化けて、「わたしを売ってもうけてください。」といいました。
おじいさんは、ちゃがまをお寺のおしょうさんに売りました。
おしょうさんは喜んで、みんなにじまんしようと、お客のまえで、ちゃがまで湯をわかしました。すると、ちゃがまのタヌキはあつくてがまんができず、逃げ出しました。
おじいさんのところへ戻ったタヌキ。こんどは、ちゃがまの綱渡りの芸で、大もうけ。おじいさんと幸せに暮らしましたとさ。
←酒ビンをかかえてニコニコのタヌキ
ここ茂林寺には、お寺の境内にずらりとひょうきんそうなタヌキが並んでいて楽しい。
日本人のタヌキに対するイメージはまさにこんなすっとぼけた姿だろう。
実際はちょっとおく病で、都会の片隅とかで、ひっそりと生きてるんだけどね・・・・
ところで、ぶんぶくちゃがまは、「分福」・・「福を分ける」といって、とても縁起がいいものとされている。
ぶんぶく探検隊も、みなさんに、ちょっと楽しい福をとどけられますように。
茂林寺(もりんじ) 群馬県館林市 東武伊勢崎線茂林寺前駅徒歩すぐ むかし話「文福茶釜」で知られる。応永33年(1426年)大林正通禅師が開山した曹洞宗の寺。伝説の分福茶釜や狸コレクションが見学できる。
周囲には茂林寺沼と湿原があり、夏にはヘイケボタルの観察ができる。 |
ずんぐり、むっくり
おしりが大きくて、短い足、丸い耳、目のまわりが黒い顔、なんとも愛嬌があってにくめない。ここのタヌキは、かなりのん気なのか、車のライトに照らされても、「?」という顔をしてぼけっとしていた。普通は、もちょっと、さーっと逃げていく。
平成16年2月 長崎県長崎市 長崎空港
タヌキは夜の林道などで見かけることは多くても、写真はなかなか撮らせてくれない。おく病なのだ。ところが・・・・そんなタヌキが目の前で観察できる場所がある。