ウサギ目ナキウサギ科  大きさ 12cm〜16cm  北海道
 岩のごろごろした山にすんでいる。ピーッ、ピーッと高い声で鳴くウサギ。
 氷河期の大昔に大陸からわたってきて、その当時の生活を今も続けているので、「氷河期の生き残り」と呼ばれている。 草や花、コケなどを食べる。冬になる前に、せっせと食料をたくわえ、雪が積もると岩の下などにこもる。
ウォッチングのこつ : 現地では鳴き声を頼りに探す。「ピッ」、「ピチィ」と一定の間隔で聞こえたらナキウサギである。わりと大きな声なので、そのうちにナキウサギだとわかるようになるはずだ。鳴いている周辺の岩の上や、岩と岩の間、地面などを注意深く観察しよう。小さいことと岩と同じ地味な色をしており、リスやウサギと比べても動きが少ないので,、慣れないうちは気づきにくい。とにかく長期戦で粘って探してみよう。 

ナキウサギ 2 (じいちゃん先生編)


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 ナキウサギの特徴は、耳が丸くて尻尾がない。後ろ足が短く、モルモットに似ている。
 岩の隙間やイソツツジの間を器用にかけまわることができる。それも足の裏に毛が生えているからだ。

 鳴き声が聞こえるあたりで、足場を確かめ三脚を立てる。じっと待っていれば、たいてい顔を出す。時にはすぐ目の前に現れて驚かされる。

 岩場をかけているときは、早くてなかなかシャッターを切るチャンスがない。20mくらいの瓦礫の間なら一気に駆け抜けることができる岩場の忍者でもある。
 岩の上にたち、「ピチィピチィ」と口笛みたいな鋭い声で鳴き、体を大きく上下させているのが観察できる。静かに待てば、あちらこちらから鳴き声が聞こえてくる。

 なんといっても、「気長に待つこと」これがいちばん。

 ジイーッと遠くを見つめる姿もまた愛らしい。いろんな表情があるものだ。

 20〜30uほどの広さを生活圏にし、岩のすきまの決まった場所を食料貯蔵庫・排泄場所などに決めている。
 貯蔵庫に枯れ草をため込み、冬の間も冬眠せず、貯蔵した食料を食べながら巣穴の中ですごす。
 晴れた晩秋に干し草つくりのため、岩の上に草を並べて乾燥させている姿を見ることができるかも・・・。

 ナキウサギの天然記念物指定をめぐり、北海道教育委員会は重い腰をあげ、地元市町村から意見を聞き、ひとつでも指定を望む声があると文化庁に要請するそうだ。
 いずれにしても、絶滅回避への道を探って欲しい。

 ISAMU

撮影&文:じいちゃん先生

〜岩場を駆けるナキウサギ〜

 ナキウサギは、「氷河期の生き残り」とされ、日本では北海道にしかいない希少生物。個体数は推定数万頭であり、草食獣としてはかなり少ない数であろう。
 大雪山や日高山系の高山地帯の岩場など、限られた生態系の中でしか生きてゆけない。

 このナキウサギを追って、十勝岳に何回も挑戦する。撮影は2006年9月〜10月にかけてである。
 さすがに寒くなる季節、姿を現すのは、一日に何回もない。
 温かくなる午前7時過ぎから10時まで頃がチャンスである。採餌の時間と日向ぼっこの時が観察に一番適している。
 観察場所は、ゴツゴツと足場の悪い岩場・・・さすがにじいちゃんの足ではひと苦労・・・・しかし、成せば成るものである。ほとんど毎回、その愛らしい姿をたっぷり見ることができた。

明け方の十勝岳

岩の上で朝日をあびる

遠くを見つめるナキウサギ

ボク、天然記念物になる・・・?

ぶんぶく探検隊 レポート100号目は、じいちゃん先生!

 今回のレポートは、じいちゃん先生の力作、ナキウサギ。74歳の老体にムチ打って、2ヶ月の間に10回前後も十勝岳に通ったそうな。
 ぶんぶく100号を記念して、とっておきの写真を公開!

岩の上で瞑想しているかのよう・・

by isamu

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