平成15年12月10日 千葉県銚子市

 新しいカメラを買っちゃって、どうにもがまんできなくて、銚子にクジラを写しに行ってきた。
 夕方にカメラを買い、その3時間後には家を出発し、翌朝、カメラのマニュアル片手に船に乗って、船酔いと寒さと寝不足でふらふらしながら、何度も船から落ちそうになる。添乗の女の子が市川市から来たおじいさんと僕の背中を交互に支えてくれた。吐いてるお兄さんの足元に僕の新品レンズが転がる。
 でもできた写真には思わずうっとり。手前のオスは、垂直に頭を出して海上の様子を見ている。「スパイホップ(SPY HOP)と呼ばれる偵察行動だ。オスの体長は平均15mくらいで、時に20mを超える。歯のある動物では世界最大。

 クジラといえば「潮吹き」。下の写真の右側の白い霧がそれだ。でも、海水を吹き上げているのではない。肺にためていた空気を、いっきに吹き出しているのだ。わかりやすく言えば呼吸のときの鼻息。「噴気(ふんき)とか「ブロー」と呼ばれる。
 クジラ類は、ブローの後にゆっくり背を見せながら潜水する。それが左の個体だ。

 銚子海洋研究所の所長さんによると、この日遭遇した群れはここ9年間では最大で、42頭の群れだったとのこと。青年期のオスが中心。好奇心旺盛なクジラは何度も船に突進してくるので、そのたびに船は急発進して逃げなければいけない。船の真下をくぐるクジラはとても怖いもんだと所長さんが言っていた。
 クジラは人間が危害を加えないことを知っている。捕鯨が行われていた時代では考えられない光景だろう。


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(有)銚子海洋研究所 千葉県銚子市外川町2-11077-9
電話0479-24-8870 FAX22-7911
(AM8:00〜19:00受付)
銚子沖のイルカ・クジラウォッチングクルーズならここ
首都圏に住む人も気軽に足を伸ばせるところだ。詳しくはHPへ
○電話をして予約を。天候によっては、中止になることもある。
○3〜4時間くらいかけて沖合に出ることもあり、大人でも船酔いしやすいので、あらかじめ酔い止めを飲んでおくとよい。船酔いしないこつがあるので、添乗員さんに聞いておくこと。
○沖合に出る便では10歳以上と年齢制限がある。
○暖かい服装をすること。
銚子沖でマッコウクジラが観察できるのは、10月〜12月
ハクジラ亜目 マッコウクジラ科   大きさ オス15〜20m メス12〜14m 体重 40〜50トン
 分布 世界中の外洋  
絶滅危惧II類(IUCN)  
 クジラの仲間の中でももっとも大きなクジラ。潜水能力が高く、深海にすむイカなどを採って食べる。1時間以上も潜水が可能。体の3分の1もある頭部の中にある脳油(のうゆ)器官というところで、ワックス状の脳油を冷まして潜り、暖めて浮上するそうだ。少子で、4〜6年間隔で出産し、子育てに2〜3年をかける。子育て期のメスと子は母系の群れで行動、成熟したオスの群れとは別に行動する。長寿で70歳以上生きると考えられる。メルヴィルの『白鯨』のモデルとして知られる。
ウォッチングのコツ・・・・どこで見るにせよ、ウォッチング船での観察になるだろう。船さえ出港すれば、後はプロにすべてお任せ。かなりの確立であえるはずだ。銚子沖では10月〜12月に沖合いで観察できる。3時間くらいかけて沖合いまで出るので、心配な人は船酔い止めの薬を飲むこと。
そのほか、北海道の根室、紀伊半島、小笠原諸島などウォッチングポイントがある。こちらを参照して欲しい
。→イルカクジラウォッチング全国ネットワーク

マッコウクジラ


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初めてデジタル一眼レフを買った当時の記録から再編集です。そのときのカメラ、実はもうないんです。購入1年半後に車中荒らしにあってしまいました。

 クジラはおおまかに歯のある種類とない種類の2種類に分けられる。前者が「ハクジラ」、後者が「ヒゲクジラ」だ。ハクジラ類の大半はイルカ類で、いかにもクジラという感じなのはマッコウしか思い浮かばない。
 名まえの由来は、マッコウの腸内からまれに竜涎香(りゅうぜんこう)とよばれる香料が採れるのだが、それが抹香(まっこう)に似た香りがするからだそうだ。
 2004年10月現在,世界には83種類のクジラの仲間(イルカも含め)がいるそうだ。が、少し前、新種のツノシマクジラが見つかったので84種類となったはず。クジラも大きいけど、海はもっと広いということだ。

 ウォッチング船でのクジラウォッチングは、まずは海鳥の群れを探す。鳥の群れがあれば船は減速し、クジラを探す。背中から見つけることもあれば、ブローから見つけることもある。まぁ、たいてい添乗のスッタフが見つけてくれるから、のんびりしていて平気だ。一度、クジラの群れのまん中に船を入れたら、あとは呼吸のため海面に現れるのを待つ。そしてブローとともにクジラが現れれば、ゆっくりと見せてくれる背中を待てばいい。近ければ「ぶほー」と息を吐き出す音が聞こえる。
 しびれることまちがいなし! あとは船酔いに負けるな。

 クジラやイルカはかつては捕鯨の対象であり、食料資源として重宝されてきた。しかし、捕鯨が禁止された今、観光資源としてのクジラ、イルカに注目されている。各地でエコツアーに参加すれば、身近にクジラたちを観察できるのだ。

 下は銚子市にある銚子海洋研究所とウォッチング船のフリッパー号だ。

現地施設

↑スパイホップ中のマッコウクジラ

↑マッコウのブロー(写真右側)

↑マッコウの背中   船のすぐ脇に現れた。

↑胸びれが水面に   呼ばれているような・・・

←クジラの骨(自宅の化石・標本部屋より)

 数年前、銚子の海岸で拾ったクジラの骨。180cm近くあり、サイズからしてマッコウではないかと思っている。よく車に詰め込めたものだと思う。いや、採集してから3年くらい、生臭いにおいと湧き出る小虫に負けずにがんばった、と自分をほめたくなる。

 それにしてもでかい!

↑マッコウの群れ   見にくいけど4頭写っている。

 いまだに議論が続く捕鯨問題である。過去の歴史をていねいになぞり、現状を細かく把握し、なおかつ数十年、数百年先の未来をしっかりイメージしたうえでの議論が必要だろう。
 でも、食料資源と観光資源のはざまで、当のマッコウクジラは何を思うだろう。


 スパイホップとは面白いネーミングだといつも思う。実は僕たち人間がクジラにウォッチングされているのだ。
 自然界から送り込まれたスパイは、洋上から静かにことの成り行きを見つめている。

bunbuku

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公開:2005.11.27