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 クジラ目 歯クジラ亜目 マイルカ科  大きさ 2.7m
 分布 熱帯の海洋 北太平洋では沖縄、フィリピンセブ島など、日本では主に九州以南
 
 20頭から数百頭、ときに1000頭もの群れを作るイルカ。遊泳速度が速い。頭がまるく、背びれは大きい。歯が多いことから、和名がついた。上がおに20本から25本、下あごに22本から24本の歯がある。
 近海での観察例が少なく、あまり生態が知られていないという。群れで行動しているため、座礁すると規模が大きい。
ウォッチングのコツ
 残念ながら通常は観察しにくい種類。
熱帯の海にすむので、日本なら沖縄の外洋で観察できるかもしれない。研究者でも、ストランディングした個体の調査が重要な情報源のようだ。

 2頭とか、3頭で並んで泳いでいる。何組がそうした光景が見られたが、どういうわけだろう。はじめはよくわからなかった。だが、よく見るとたいていどちらかが傷だらけだ。
 上の写真では真ん中が弱ったイルカだ。そう・・・・・・。彼らは弱った仲間を持ち上げるようにして泳いでいるのだ。

         ↑ 瀕死の仲間のまわりを泳ぐイルカ

 スウェットスーツで、見守っている人がいた。話を聞くと、ボランティアのダイバーで、今日は仕事を休み、岸辺に打ちあがってひっかかってしまう個体を湾に押し戻しているという。

 保護されているといっても、人間の与えるエサは受け付けない上に、湾内の小魚を食べる元気もないのだという。

 「自然に海に出て行けばいいんだけど、仲間を大事にするイルカだから、弱った仲間を置いていけないらしい・・・。」

 彼らは一体、どうなるのだろう。
 「助からないかもしれないが、できるだけのことをしてあげるしかない。でも、漁業にさしさわるから、いつまでこの湾に保護できるかもわからない。」とその人は言った。 

← 見物にきた人々

 天候もあまりよくないのに、見物に来る人がたくさんいた。

 「いたいた!すごい!」と携帯電話のカメラをむけて、はしゃいぐ人たち。

 でもまもなくイルカの状況がつかめてくると、誰もが表情を暗くした。

 あまりに痛々しい姿だからだ。

撮影: 平成18年3月2日 東浪見港 

 彼らは海の生き物、でも溺れてしまった。
 それは、なかなか取り返すことのできない痛手なのだ。
 見物する人波に近づいてきたイルカが、「ぷはっ」と弱い呼気をたてた。
 仲間が元気になるか、弱って死んでしまうまで、彼らはけっしてこの場所を離れないのだろう。

 自らの命を削りながら、仲間を守ろうとしている・・・・・・。
 

 ストランディングの起きた海岸から、少し離れた場所に港があり、そこでカズハゴンドウが保護されているというので、悲しい浜をあとにした。

 港には、湾を見つめる人だかりができていた。イルカたちだ。
 遠くからも、泳いでいるのがひと目でわかったので、嬉しくなって駆けよった。

 しかし、様子がおかしい。
 
 泳いでいるというより、浮かんでいる。見た目にも瀕死とわかる個体が何頭もいる。
 泳いでまわっている個体は数頭しかいない。 

by ぽんぽこ

※この記事は4本立てです。
カズハゴンドウ プロローグ 
 
カズハゴンドウ 1
カズハゴンドウ 2
カズハゴンドウ エピローグ

カズハゴンドウ  2 〜ストランディング〜   

by ぽんぽこ