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オコジョ


 食肉目 イタチ科  大きさ14〜20cm(エゾオコジョは23cm)
 分布 北海道(エゾオコジョ) 本州中部以北(ホンドオコジョ)  
準絶滅危惧(環境庁)
肉食、ネズミなどを捕らえて食べる。ライチョウやウサギなど自分の体より大きなものも襲う。単独で生活。冬眠はしない。山岳地帯のガレ場などにすむ。夜行性だが、日中も行動する。すばしっこく、岩場などを出たり入ったりする。夏毛は濃い褐色、冬は真っ白になる。しっぽの先だけ黒いのは夏冬変わらない。日本では最も体の小さな肉食獣。近年、生息域が狭められており、数が減っている。
ウォッチングのコツ
 観察地としては、北アルプスが有名。基本的には日中も行動するので、生息地にいけばチャンスがある。しかし、ねらって出会えるものでもない。尾瀬には10回以上訪れているが、今回出合ったが初めて。同じ地点でまた出会うとは限らない。尾瀬ではビジターセンターで目撃例を記録しているので、尾瀬散策の前に立ち寄ってみるとよい。意外に好奇心が強く、出会い頭にじっとこちらを見る。真ん前でじっと見るのは近眼だからだという本の解説もある。オーバーユースな夏場より、秋が旬かもしれない。さわいだり、動いたりするとだめ、じっとしているとオコジョの方から人間をのぞきに来る。
平成17年10月14日 尾瀬(日光国立公園)  

 オコジョとの出会いを期待して、隊員ぽんぽこと大学の頃からの親友らくろばは、秋の尾瀬を訪ねた。尾瀬は、関東ではもっとも早く、10月上旬に紅葉の最盛期を迎える。
 しかし、紅葉を愛でる期間は短い。10月中旬には雪がふりはじめ、あっという間に冬が来る。今年も10月15日を最後に山小屋は営業を終了するのだ。
 鳩待峠から入山し、一路、尾瀬ヶ原へ向かう。
 草紅葉の見事な尾瀬ヶ原を歩き、この日は見晴の弥四郎小屋に泊まる。
 翌朝、6:00に朝食を済ませると、三条の滝を目指して歩いた。
 もうこの時点で、オコジョのことは半ば忘れていた。それほど秋の尾瀬はすばらしい。

湿原に横たわる木道を名峰燧ケ岳に向かって歩く。草紅葉、高い空、わたる風、すべてが透き通っているようだ。

霜の降りたミズゴケ。水を蓄える能力が高く、湿原を守る大切な黒子役。

目指す三条の滝まで200m地点
御池方面への分岐の標識がある地点で、5〜6人の登山客がざわめいている。何かいたんだ!早足で近づく。

見事なミズナラやブナの樹林帯。小鳥もたくさんいる。
紅葉通のおじさんの話では、今年は台風で葉っぱが痛んで、黒い斑点ができていたと不満そう。そうかなあ・・・すごくきれいだったぞ。

オコジョよ、という女性の声。息が止まる。
そこから出てきたのよ、と教えてもらううちに、木の根の岩の脇から、顔を出すオコジョ。
「★○×■!!!!」パニックになりながら、カメラを向けるが、すぐに引っ込んでしまう。うわー失敗だー隊長に怒られるー。あわてふためく、ぽんぽことらくろば
こうしてみると、目がきらきらだ。

くるっと踵をかえし、岩の間に逃げ込むオコジョ。俊敏な動きである。
好奇心があるのか、あちこちの隙間から顔を出しては、また引っ込むを数分繰り返した。

可愛い。とにかく可愛い小さな姿だ。
10月下旬には、真っ白い冬毛に変わっていく。
この姿を最後に、あっという間に消えてしまい、20分くらいその場でじっと待ってみたが、もう姿を現すことはなかった。
出会えた喜びをしみじみと味わう。夢じゃなーい!
生きててよかった。

山の鼻ビジターセンターに発見を報告すると、もらえる証明書。
山の神の使いと言われている、と書いてある。からかうようなオコジョの表情を思い出し、嬉しくなる。
オコジョをはじめとする尾瀬の自然の把握のためにも、いろんな生き物を見かけたら報告して帰ろう。

オコジョへの未練を残しつつ、三条の滝へ。
私の中で5本の指に入る美しい滝だ。豪快で何の繕いもない自然の姿に心を打たれる。

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うれしいおまけ

(9:00発見 場所:福島県桧枝岐村と新潟県湯之谷村の境
            三条の滝200m手前・御池方面分岐の標識付近 )

取材・文・写真: ぽんぽこ

現地情報

山の鼻ビジターセンター(尾瀬保護財団)

問い合わせ
371-8570
群馬県前橋市大手町1-1-1群馬県庁17階 TEL027-220-4431 
尾瀬保護財団

尾瀬を訪れる人たちへの様々な情報のインフォメーションセンターの役割を担っている。自然観察ガイドウォークもあり。
尾瀬沼の入り口には、尾瀬沼ビジターセンターがある。

開館期間:平成17年5月14日〜10月23日(H17年度)
開館時間:8:00〜17:00 入館無料
※ 詳しくは、尾瀬保護財団HPへ
(私がお気に入りの弥四郎小屋などの山小屋情報、尾瀬へのアクセスなどの観光情報も確認できます)