食肉目ジャコウネコ科  大きさ 50cm 
 原産地 中国〜東南アジア 分布 本州(東部)・四国 
外来種 
 その名の通り、白い鼻筋と長い尻尾が特徴。夜行性、母子を中心とした家族で生活。複数の家族で群れて暮らすこともある。雑食性で、とくに果実を好む。小動物も食べる。タヌキが棲んでいた巣穴や、民家の屋根裏や軒下などにすむこともある。繁殖力が強く、年中子どもを産む。
 外来種とされているものの、明確な移入の記録がない。最初に生息を確認されたのが1945年静岡県。
 ウォッチングのコツ・・・・東京などの都会のど真ん中でもたくましく生きているので、どこで出会ってもフシギはない。タヌキ同様、道路でひかれた個体を見かける。
 夜行性なので、夜の車中から時おり見かけるが、けっこう出くわすのは難しい。写真は、温泉地で、餌付けされていた個体を撮影したもの。     
ハクビシン 

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平成18年8月23日 群馬県水上町 湯の小屋温泉

 湯の小屋温泉は、群馬県の水上温泉からさらに奥まった山あいにある。周辺は豊かな森林地帯で、秋には見事な紅葉に色づく場所だ。相棒のらくろば(オコジョ参照)と女二人旅、谷川岳とタヌキに会おうと遅い夏休みを楽しみにきたのだ。
 昼間は谷川岳ロープウェイで標高1500mの空中散歩を満喫、周辺は自然が濃くて、いかにもたくさんのケモノが生息していそうな場所で夜が楽しみ♪ 私たち二人は夕方、目的の宿、洞元荘(どうげんそう)に到着する。洞元荘は「タヌキのお宿」という愛称があって、長年、タヌキやキツネを餌付けしている。
 美味しい夕飯を食べたら、館内の観察室へ直行。そこではガラス越しに約10mくらい(?)離れた餌場(岩の上)にやってくる生き物を観察できるようになっている。部屋の中の張り紙にはキツネがまず来る事が多い・・とあるが・・・・・・。
 時刻は20:00前  ・・・・・・・・おっ、なんかきた!


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現地施設

湯の小屋温泉たぬきのお宿
洞元荘
利根郡水上町藤原字湯の小屋6158
0278(75)2211 
たぬきのお宿として、知る人ぞ知る、山奥の温泉宿。最近ではポカリススエットのCM(綾瀬はるかちゃんの温泉編)の撮影で使われたそうだ。翌日は、さらに奥山へ、11の滝のある、照葉峡、奥利根水源の森など、マイナスイオンスポットを散策しよう。
※詳しくは、洞元荘HP

 なんとなくフシギな雰囲気のケモノ・・・ハクビシン 一般的には大陸から持ち込まれ増えたとされているが、それも定かではなく、ナゾに包まれている。

 都市にも適応して、人里の中で生活しており、車にはねられた個体を時おり見るが、生きたハクビシンを見ることはフシギと少なかった(隊長は家の近くで数回見ているそうだ)。
 それが、この夏、タヌキがやってくるという山里の温泉宿に遊びに行ったら、このフシギ君が現れてビックリ! 

 あれれれ?タヌキじゃないぞ、アナグマか??・・・いや違う。こっちを向いたケモノの顔をみてひと目でわかった。「ハクビシン!!」 はじめてみた・・・・。 
 らくろばは、「おっきい〜」と変なところに感心している。
 あわてて、シャッターを切る。フラッシュ撮影ができないので、三脚に固定。
 連写するけど、動きが早いので、ブレたように映ってしまう。
 らくろばも、愛用のパナソニックFZ10で、真剣に撮影をはじめた。
 

 それにしても予想しなかったハクビシンの登場にびっくり。宿の張り紙にもひとことも書いてないし、ホームページにものってなかったぞ・・。
 温泉客があとから何人もやってきたが、ハクビシンと知るひとは誰もいない。「ハクビシンっていうんですかあ〜」
 しばらく前に新型ウィルスのSARSが流行ったときに、中国にすむハクビシンが、菌を媒介しているらしいということで話題になった(日本のハクビシンは大丈夫らしい)が、普段、あまりニュースに登場することもない。
 かなり深夜に活動するため、人目にふれにくいのだろう。

取材・文・写真: ぽんぽこ

※特定外来生物指定との誤記載をしていました。まことに申し訳ありません。訂正いたしました。平成22年5月5日

 出た!この宿の主 タヌキだ!
 「わーふとってるね」とまたらくろばが感心して言った。
 両者の対決はどうなるかと見ていたら、どうやら、タヌキの方が強いらしい。タヌキがいると、おそるおそる近づくか、威嚇されると後ずさり・・
 日本ではただ1種類のジャコウネコ科の動物で、もともとは獰猛とされているが、しょせんネコ?タヌキキツネにはかなわないようだ。ちなみに、最近、増えて問題になっているアライグマも、ハクビシンとは比較にならないほど獰猛らしい。
 ネットで見ていたら、なんとハクビシンをペットとして飼っているひとがいて驚いたが、それこそネコのようなのんきな生活ぶりだった・・・。

← 家族みんなゾロゾロ・・

 タヌキがいなくなったのをみはからって、ゾロゾロと子どもたちもやってきた。

 食べているのはパンくずのようだ。
 でもほんとは果物が大好き。
 「ハクちゃんはね〜♪
  バナナがだいすき〜
  ほんとはね〜 ♪♪」

 ハクビシンは果樹などへの農作物被害をおこすことがある。ただ、被害が局所的なのか、それほど大きな問題として取り上げられることはないようだ。
 タヌキにビクつく様子を目の当たりにして、妙に納得してしまった。
 
 どこかフシギに包まれていたのはその、ややビビリがちな暮らし方にあったのだろうか。
 まあ、なんとなく、しっかりがんばれと言いたくなってしまう彼ら。

 さてその後、らくろばと、私は、すっかり観察室の主になってしまい、来る客、来る客に、状況を説明していた。
 すっかり体が冷えたので、一旦ひきあげたが、先に風呂に入っていたらくろばが、「キツネがいた!」と部屋に駆け込んできた。風呂場からキツネを見つけたらしい。
 また観察室に飛び込んだが、もうキツネは出てこなかった。
 
 女二人旅においてかれた隊長・・・翌日、ハクビシンがいたことを自慢すると、「ふん
 あきらかにいじけ声だった。
 

2006.11.18 公開

奥水上  湯の小屋温泉周辺

取材・文・写真: ぽんぽこ
ここは俺のなわばりだぞ!とばかりににらむタヌキ(写真左)

ハクビシン(白鼻芯) 登場!

親子でどんどんあらわれる

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