神々の山 大雪山黒岳に生きる動物 

2005年8月12日 北海道上川町


 アイヌの人たちは、古来から大雪山のことをカムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)と呼び、神々の棲む山として尊んできた。それは今もなんら変わることなく、2000m級の山々からなる広大な自然は、とにかく懐が深い。日本最大の山岳国立公園であり、その面積は神奈川県に匹敵する。
 今回はそんな大雪の黒岳に登ってきた。ロープウェイとリフトで7合目まで行ける。7合目からは1時間20分ほどで登頂という、わりとお手軽で人気の登山コースだ。

←黒岳山頂からほど近い雪田地(せつでんち)
 
 手前に見えるのは石室の山小屋。真夏でも雪渓が残る美しい山並み。高山植物に彩られ、7月にはウスバキチョウなどの高山蝶も見られる。

 

黒岳山頂で出会ったナキウサギ

 このナキウサギは警戒心が少ないようで、至近距離でしばらくうろうろしていた。ちょっと小さめで茶色みが少ない。若い個体なのだろう。

 息が止まる瞬間もつかのま・・・。気配を感じた登山客が集まりだし、じき岩の下に隠れてしまった。

← 石室近くのナキウサギ

 ガレ場(岩場)に近づくとナキウサギのピチッという鳴き声があちこちで聞こえだす。予想していたよりは生息密度が高いようだ。
 見張りのように岩の上にたたずむナキウサギを見つけた。真ん中の薄茶色の小さな丸い点だ。50mくらいは離れているだろうか。
 

← 昼寝中・・・

 岩の上で寝ている。
 ここまで無防備な寝顔は見たことがない。まだ残雪の残る厳しい環境だ。短い夏がもうすぐ終われば、冬越しの準備で大忙しになる。
 この岩のちょっと手前から先ほどのナキウサギが飛び出してきた。

山頂でシマリスを見つけた。雄大な大雪の山々によく似合う。

 右上が有名な雪渓で、2羽の鶴が向かい合って飛んでいるように見える。撮影の翌日に北海道新聞で紹介されていた。

← ふたたびシマリス

 登りで4匹、山頂で3匹、下りは3匹会っただろうか。あたりまえのように目の前に飛び出してくるので、数もよく覚えていない。
 人間に慣れていて、遭遇する確率はほぼ100%。学生のころはすぐ足もとによって来て、エサをねだる「観光リス」もいたが、今回は1匹もいなかった。

黒岳8合目過ぎの登山道から

大雪の山々はとにかく深い。どこまでも森が続いているかのようだ。
そして雲・・・・・。どこまでも続く北海道の夏の雲は、ひとつひとつに表情がある。

現地施設

層雲峡ビジターセンター 〒078-1701 北海道上川郡上川町字層雲峡
TEL:01658-9-4400

黒岳の玄関口 層雲峡にあるビジターセンター
ロープウェイに乗る前に、立ち寄って、情報収集しよう。
詳しくは、層雲峡ビジターセンターHP
開館時間:08:00〜18:00(6月〜10月)(11月〜5月は09:00〜17:00)、休館日:6月〜10月は無休、11月〜5月は月曜日、年末年始(12/31〜1/5)、入館料:無料

大雪山層雲峡・黒岳ロープウェイ 〒078-1701
北海道上川郡上川町層雲峡

TEL:01658-5-3031
層雲峡から、黒岳の5合目までゴンドラで、7合目まではリフトが、運航されています。眺めはすばらしく、日本有数の花畑が待っています。(所要30分)
黒岳頂上まで1時間半あまり、花やリスと戯れながらの登山が楽しめます。詳しくはりんゆう観光HP


料金:ロープウェイ(ゴンドラ)往復大人1750円、小学生以下900円 リフト往復大人600円、小学生以下400円
交通:JR旭川駅または上川駅より道北バス層雲峡行き終点下車徒歩3分

ぶんぶく ぶんぶく探検隊トップページへ
リンクフリーです