子どもたちとカニの遊ぶ庭
 
〜 おがさわらレポート 干潟の生き物編 〜  

2006年3月30日〜4月1日 by ぽんぽこ

 おがさわらレポートの第2弾は、「干潟の生き物編」
 
 隊長から「テナガエビ!オガサワラヨシノボリ!オオヒキガエル!」などと無理難題をいいつけられた私は、美しい浜辺で日光浴している人を尻目に、川とか干潟はないかと、大村地区をさまよった。


 アオウミガメのいる水産センター近くで、河口のぞいてみると、そこは小さな干潟になっていて、地元の子供たちが遊んでいた。
 「カニいる?」と聞いてみたら、「いるよ!いっぱい!見ますか?」と元気な声。

「ほらっ!」と次々に持ってきてくれたカニ 何の種類でしょう?
どの種類も、なかなか判定が難しいのです。ぜひ、これを見た方教えてください。

← 子供たちの採集風景

 小3のひろきくんをリーダーに、しょうくん、みなとくん、そして小1のけんとくん

 熱心に石をひっくりかえしたりして、カニを探す。みな石をひっくりかえす動きにむだがない・・・・すごい・・・

←トビハゼ

 カメラを構える私のところへ、つぎつぎに獲物をもってきてくれるみんな。
 これなあに?と聞くと、「ひろきーこれなにー??」とみなとくん、けんとくんが飛んでいった。

 ハゼもいろんな種類があるようだが、これはなんというのだろう。

←カニの隠れ家

 大小の穴が見えるだろうか。
 潮が引いているときは、この穴にひそんでじっとしているのだろう。
 
  

 小笠原諸島の玄関口である父島には、静かな入り江のわりには、干潟が少ない。意外と思われるかもしれないが、海岸はけっこう護岸されており、干潟が数箇所しかなくなってしまったそうだ。

 子供たちが遊ぶこの干潟は、島にとってきわめて貴重な場所。
 心底楽しそうに遊ぶ子供たちの顔を見ていると、いつか、また島に豊かな干潟が戻ってくることを祈らずにいられない。

 「みんなでこの場所にしかいない、カニたちを守って、大事にしてね」と平凡すぎることしかいえない私に、「うん!わかった!」とほんとに素直なあかるい声がかえってきた。

← シオマネキ(推定)

 小笠原にいるシオマネキは、亜種になるかもしれないと、自然体験ガイドの金子さんは教えてくれた。

 金子さんには2日間、父島の森林を案内していただいた。(山編はちょっと時間かかってますお楽しみに!)

 小笠原の干潟の生き物は自然環境への配慮に欠けた護岸工事で壊滅的な打撃をうけているそうだ。
 干潟そのものがほとんどなくなってしまったそうだ。

 その貴重な亜種のシオマネキかどうかは定かでないが、子供たちは、「シオマネキだ!」と歓声をあげた。
 
 

 

← オガサワラヨシノボリ

 「お?これ使えないか〜」と落ちてたあみ(ぼろぼろの)を見つけてきたのはしょうくんだったかな?

 もうとても使えそうにないあみを、ひろきくんとしょうくんが、かわるがわるいじって、ていねいにあみを開いた。「よし!」と穴だらけのあみで、すくいだす。
 
 そもそもみんな、はじめから何の道具も持ってきてないようだ。たくましい姿だ。

 夢中になっているうちに、しょうくんは、ズボンをびっしょりぬらしてしまった。「うちで着がえてくる!」とかけあがっていく。

 いちばん年下のけんとくんが、あとからやってきて、みなとくんと、水の中を探っている。

公開:平成18年5月25日

現地施設

自然体験ガイド
ソルマル
〒100-2101
小笠原村父島字東町
04998-2-3773
父島の自然を十分に味わうなら、ソルマルへ
トレッキングだけでなく、シーカヤックも体験できる。経験豊かな金子さんの植物や生き物についての楽しいガイドは超おすすめ。本当の父島の魅力を味わえる。
小笠原ビジターセンター 大村地区
04998-2-3001
小笠原の情報拠点。自然のこと、生き物のこと、歴史的なこと、基本的なことをここで学ぼう。
おがさわら丸入港中のみ開館 入場無料 朝から21:00ごろまで開いているの。夜には各種レクチャーも。
 
小笠原水産センター 大村地区
04998-2-2545
東京都の水産試験施設、水族館になっており、子供のアオウミガメを観察できる。年中無休 入館料無料 8:30〜16:30
b-シップ
(観光協会)→一番便利な小笠原情報のホームページ
大村地区
04998-2-2587
観光協会やホエールウォッチング協会などが協同で運営する総合案内所。宿泊情報、交通、ホエールウォッチングや各種ガイドツアーの紹介をしてもらえる。 
年中無休 8:00〜17:00(お昼休みあり)
小笠原海洋センター 大村地区
04998-2-2830
アオウミガメの保護、研究のための施設、産卵時期には観察会実施している。ウミガメのことなら迷わずここ。
年中無休 入館無料 8:00〜16:00

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← ヒラテテナガエビ

 うすぐらい川の中から、しょうくんが、あっという間に探し出してくれた。

 モクズガニ(参照)と同じで、河口付近で生まれた稚エビは、川をのぼっていく。

 昔は食べるほどたくさんいたそうだが、最近は各地で数を減らしているらしい。
 隊長によると、ただのテナガエビとは種類が違うそうだ。名の通りハサミのある手が太くて平たい、平手(ひらて)・・というわけだ。

 

← グッピーのメス

 グッピーもたくさんいるらしい。ひらひらして綺麗なのはオスで、写真の個体はメスだそうだ。熱帯魚としてポピュラーで、アマゾン出身。もちろん人が持ち込んだ外来種。
 隊長によるとよく似たカダヤシという外来種の魚も小笠原には生息しているそうだ。

シオマネキ メス?

シオマネキ オス?

「もっといいとこあるよ!」といわれ、さらに河口のやぶのなかをさかのぼっていく・・・

 生き物にとってもくわしいひろきくん、真剣なあまりズボンをぬらしたしょうくん、いっぱいカニを見つけてくれたみなとくん、一番おちびさんのかわいいけんとくん、みんなありがとう!
 みんなと会えてとても楽しかったです。学校で見てくれているかな? 記事が遅くなってごめんなさい。
 これからも父島でたくさんの発見をしてくださいね!!

この記事は3本だてです。
 小笠原レポート 海編
 小笠原レポート 干潟編
 小笠原レポート 山編