個人的名作197

バッテンオハラのスチャラカ空中戦(データイースト/テクノスジャパン・1985)

 

 アーケードゲーム史上稀な程の変わったタイトルの「バッテンオハラのスチャラカ空中戦」。今回はこの作品を取り上げたいと思います。

 

【カミカゼアターック】

 横スクロールのシューティング+アクションゲームとなっています。
 主人公は何故か、3頭身ほどの髭面で一昔前の戦闘機のパイロット風のキャラクター。彼を操作してゴール地点にいる敵の基地を占領するとクリアになります。
 よくよく見れば敵も戦闘機を除けば、「爆弾を持ったブタ」とか「タケコ○ターを着けたブタ」とか「UFO」とか…よく分からないマヌケな世界観だったりします。

 ステージは最下部が地面となっており、まずはそこから戦闘機に乗り込み、レバーを右に入れ続けると離陸します。
 離陸後は空を自由に飛行しながらショットで敵を倒して進みます。空は上下5〜6画面くらいあるんじゃないか位広い上にプレイヤーの動きに併せた任意スクロールなので結構自由に動ける雰囲気がします。
 しかし、画面上に行き過ぎると背景が黒くなり何故か宇宙に出てしまいます。宇宙に出てしまうと空まで強制的に戻されます…が「こいつ大気圏を平気で突破したぞ!?」という強烈な突っ込みは…野暮かもしれません。ザクでも出来なかった大気圏突入を平然とやってのけるとは…とはいえ、宇宙に出るメリットは余り無いのでお遊び程度にしておきましょう。


 ショットボタンを押すと弾を撃ち、敵を倒すことが出来ます。飛行機には燃料ゲージがあり、時間と共に徐々に減少していきますが敵を倒すと少しだけ補充されるので、敵を倒すことも重要です。しかし、普通のシューティングゲームのように『敵がひっきりなしに大量に出てくる』訳ではないので、敵を余り逃さないのがポイントになります。

 戦闘機に乗っているときに戦闘機から脱出することが出来ます。
 脱出をすると何故かジャンプをしてパラシュートを開いて地上まで降下します。地上には何故か戦闘機が置いてあり、それに乗れば戦線復帰となります。
 しかし、地上にいるときにも敵が攻撃してきます。中には何故かゴジ○風の怪獣が地面から出てきて火を吐いてきたり、ブタが爆弾をばら撒いてきたり…とこれまた謎の世界観の攻撃が沢山あります。それらをかわしつつ、戦闘機を探して乗り込みます。
 地上の攻撃の激しさとパラシュートには使用回数があるので地上に降りるメリットは殆どありませんが、脱出自体にはいくつかのメリットがあります。
 1つは、自機は敵弾に2回当たるとミスになるので、1回当たった状態のときに飛行機を乗り捨てて新しい飛行機に乗れることです。もう1つが脱出時に敵の飛行機に接触すると何故か敵の飛行機が奪えます(UFOなど乗れないものもある)。敵のパイロットはどうしたのか…と突っ込むのは野暮ですかね。敵の飛行機に乗るとボーナス点+燃料満タン+パラシュートを使う前なら消費しない…とメリットだらけです。
 只、敵の戦闘機によってショットの性能が変わり、素直にまっすぐに弾が飛ばずに後ろや斜めに撃てるようになったりします。
 ジャンプの軌道を覚えてしまえば乗り換え続けることで、スコアも増えるし比較的安全ということになります。

 ステージ最後には敵の基地があり、ここにも何故かブタの兵士が居ます。基地の攻略の仕方は2つあり、「敵のブタ兵士を全滅させる」か「基地にある敵の旗を降ろし、自分の旗を立てる(旗のところで長時間とまっていると自動で行われる)」のどちらかを達成するとクリアとなります。
 敵の兵士は戦闘機の弾で倒せますが、戦闘機から降りてしまった場合はなぜかジャンプで敵を踏み潰すと倒せます…「マリオかこいつは!!」とか「主人公は銃すら持っていないのか」…というツッコミどころです。

 

【進軍します】

 操作系は「8方向レバー+3ボタン」です。
 レバーはアイスキャンディーを立てたような細長いればーとなっており、ボタンの1つはレバーの上部についています。左手でレバーを握るときに親指の部分にボタンがあるという感じです。
 ボタンは「ショット」「加速」「脱出」の3つとなっています。レバーの上について居るのが「ショット」でレバーの横に2つあるのが左から「加速」「脱出」となっています。
 「ショットボタン」は前述の通り、弾を撃ちます。戦闘機に乗っているときだけ使用します。
 「加速」は戦闘機が加速しますが、燃料の減りが多くなります。また、地上に降りたときは主人公がジャンプします…が余り使いません。
 「脱出」は戦闘機に乗っているときに脱出します。

 

【演出が豊か?】

 このゲームは何故かミスの条件が多く…
(1).一度被弾した戦闘機に乗っている状態でもう一度被弾する。
(2).戦闘機に乗ったまま地面と接触したとき。
(3).飛行機に乗っていない状態で敵や敵の攻撃に当たる。
(4).パラシュートの残りが0の状態で脱出し、地上まで落下する。
(5).パラシュートが開く前に地面に落下したとき(パラシュートの残りがある状態で、一定以下の高さから脱出して地面に落下したとき)

アクションゲームとしては(5)を除けば結構普通のミスですけど。。。(5)の関係上、ある程度の高さで飛び回るような流れになっています。
やられパターンも何通りかあり、「地面に落下」「地上で敵と接触」「地上でのゴジ○の炎で黒コゲ」…とマヌケな世界観にふさわしい(?)演出となっています。

 

【個性的というのも…】

 ゲームとしては結構普通な出来…なのですが
 一昔前の戦闘機のパイロットの格好をした3頭身の髭オヤジが主人公で敵がブタ兵士だったり、高度を上げすぎると宇宙まで飛んでしまったり…と結構変な世界観の作品。
 レバーも「忍者龍剣伝」の様な特殊レバーを使うので、レトロゲーム系のゲーセンでも余り見かけることがありませんでした。
(3ボタンで対応しているゲーセンも有りましたが…)

 燃料の減りが若干多目ですが敵機撃墜も(慣れれば)敵機に乗り換えも難しくないので、それなりに続けられる遊び易い内容になっています。
 ステージ構成がやたら長く、1ステージ5分くらい飛び続けて漸くゴールするくらいの長さなのが若干だるい感じもありますが、一度くらい触れてみても良いかなと思う作品ですね。

 

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