個人的名作195

ツインイーグル(タイトー/セタ・1988)

 

 セタといえば、麻雀ゲームというイメージが強いですが、当時はこんなシューティングゲームをつくっていました。
 今回は「ツインイーグル」を取り上げたいと思います。
 

 

【イーグルなのにヘリ?】

 兄の敵を討つ為に、そして平和を脅かす悪の国を滅ぼすべく、主人公ジョーがヘリで戦う…そんなストーリーです。

 シンプルな縦シューティングでプレイヤーは自機のヘリを操作して敵を倒しながら進みます。
 無限に撃てる通常のショットとストック制だが広範囲攻撃のボムの2種類を使い分けて…と、攻撃方法もシンプルになっています。

 道中は敵兵士や戦車やヘリと戦う内容になっており、ステージの後半になると敵戦闘機が出現し突然高速スクロールでの戦いとなります。敵戦闘機との戦いを暫く凌ぐとステージクリアとなり、シューティングゲーム特有の巨大なボス戦闘機のようなものは登場しません。また、ラストステージも敵国の中枢の建物を破壊するだけでボスといえるものは全く登場しません。
 シューティングゲームながら巨大なボス戦闘機が一切登場しないというのは結構珍しい気がします。
 全6ステージで1周クリアでエンディングとなっています。


 道中はたまに黒い友軍機が登場し、アイテムを1つだけ出してきます。

[M]
 "M" と描かれたアイテム。自機のショットの攻撃範囲が広がる。
 初期状態はかなり狭いので、出来る限り回収したいアイテム。


[L]
 "L" と描かれたアイテム。自機のショットの飛距離が伸びる。
 初期状態では画面半分くらいしか射程が無いのでありがたいアイテム。


[S]
 "S" と描かれたアイテム。自機のスピードが上がる。
 初期状態のスピードはかなり遅く、高速で飛んでくる敵弾を回避困難な程の割には余り出現しない気が…


[B]
 "B" と描かれたアイテム。ボムの使用回数が増える。


[数字]
 数字が表示されているミサイル型アイテム。自機のショットが数字の弾数だけミサイルに変更される。

 

 

【戦いとはシンプルにしたいもので】

 操作系は「8方向レバー+2ボタン」。
 レバーは自機の操作。ボタンは「ショット」と「ボム」になっています。
 

 

【見所は…】

 このゲームでまず取り上げるのは、背景の美麗さですね。
 88年でありながら、背景グラフィックの書き込みの気合さは物凄く高いレベルである作品…とはいえ、背景に見とれている時間も隙も無いないのですが…。
 また、後半の戦闘機ステージではVGMが何故か英語ボーカル込みのロックみたいな曲になっており、こちらも気合の凄さを感じます…えっ!?ゲーム自体を褒めていない?

 

【リベンジの前に…】

 ゲーム内容としては普通のシューティングと言う感じで、敵の殆どが自機を狙って弾を撃つので、動き続ければ比較的弾に当たりにくく画面端での切替しをミスしなければ結構楽に進めたりします。
 只、一部の敵の攻撃がかなり辛く、特に1面から出現する「茶色の大型ヘリ」と「高速ミサイルを撃つ戦車」の攻撃がボム必須なくらいの強敵です。
 また、3面ぐらいから敵の数と弾の数がかなり多くなり、難易度がかなり高くなります。しかし、自機は初期状態が非常に貧弱で4面くらいからミスをすると建て直しが非常に難しい…というのが若干バランスが良くない感じがします。

 また、ステージボスが居ないだけでなく敵キャラの種類も非常に少なく、ラストまで若干似たような展開がずっと続く感じになっています。それだけでなく敵自体も1面で殆どの種類が登場してしまっているので、先のステージに進んでも背景意外に目新しさが無いというのが若干悲しい感じもします。
 

 

【褒めどころもあるけれど…】

 シンプルなシューティングゲームなのですが…
「パワーアップがそこそこの頻度で登場するものの、自機の初期状態が貧弱すぎる上にミスをしたらその場復活の上に初期状態に戻されるので、立て直しがきつい」とか「敵の種類が少ない割には1面で殆どの敵が登場する」とか…若干難点が見えなくも無い作品。
 名作シューティングという評価をされるまでには至らない作品だったのかもしれませんが、(88年の作品にしては)背景の凄さは一度見ておいたほうが良いかも…

 最後に小ネタですが、このゲームは一定時間以上連射機能を使うと自機が急にパワーアップします。
 ショット幅が急に広がるのですぐに分かるのですが、その代わりゲームのランクが可笑しいほどに上昇します…敵の弾がかなり高速になったり、敵戦闘機が大量の弾をばら撒いたり…とかなりリスクが増えます。
 どうでもいいところで連射機対策をしているなんて…  

 

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