個人的名作192

ラッパッパ(データイースト・1983)

 

 珍作というのか開発者の遊び心と言うのか…世の中には普通のゲームの中に奇妙な仕様を作る人も居るようです。
 今回はデータイーストの「ラッパッパ」を取り上げたいと思います。


 

【デコカセ】

 「パックマン」などに代表されるドットイートタイプのアクションゲームで、固定画面で迷路状のフィールドになっています。
 プレイヤーはラッパを操作して、迷路の中にある全ての音符を回収したらステージクリアとなります。

 ラッパが音符に触れると回収できますが、そのとき前方に飛ばします。飛ばした音符には攻撃判定があり、敵に当てれば倒すことが出来ます。
 これなら挟まれても安心…と思ったら、更にボタンを押すとラッパが一定時間透明になり無敵になることができます。
 透明になっている間は短時間ですが無敵の代わりに音符を回収できず、更に透明が解除された直後は短時間の間透明になれない時間があるため、透明になり続けることは出来ませんが、敵を回避するには充分な性能だったりします。


 フィールド上の音符をある程度回収すると「休符」のようなアイテムが1面につき2回出現します。
 休符を取ると、一定時間敵の動きが止まって「ト音記号」に変化します。ト音記号を回収すると敵を倒しかつボーナス点が入ります。「パックマン」で言うところの「パワーえさ」に相当します。
 便利なアイテムですが、休符は一定時間で消滅する上に音符を当ててしまうと休符が消えてしまうため、音符の回収順序が結構攻略に重要だったりします。

 同様にラッパマークが出現することがあり、それは回収すると残機が増えます。
 出現頻度が高い代わりに速攻で回収しないとすぐに消えてしまいます。これも音符を当てると消えてしまいます。


 フィールド上にある全ての音符を回収したらステージクリアとなります。
 敵や敵の攻撃に当たるとミスとなり、残機が減ります。残機が0になるとゲームオーバーになります。


 

【個性的でした】

 このゲームに登場する敵キャラは全6種類。
 見た目だけでなく、性能が若干異なっています。1ステージは最大4匹で、倒すとそれだけ補充されます。


[GUITACO]
 緑色のギターで普通に追いかけてくるだけ。1面から出現する「シンプルな敵」です。


[GUITARO]
 赤色のギターでGUITACOと同様に追いかけてくるだけですが、休符を回収したときにト音記号に変化しません。(触れるとミス)


[CYMBOMB]
 シンバルのような見た目。たまに迷路状に音符を置く。その音符も回収しないとクリアにならない。


[TRIEN]
 トライアングルのような見た目。ときどき触れるとミスになる罠を迷路上に配置する。


[MADPHONE]
 ヘッドフォンのような見た目。前方に飛び道具を撃ってくる。


[PIANHA]
 赤いピアノのような見た目。動きが若干早く、さらに迷路の壁を無視して進むために結構厄介。

 

 

【これが・・・遊び心か】

操作系は「4方向レバー+2ボタン」です。
レバーでラッパの操作。ボタンで「透明化」です。

 さて、2ボタンで1つが透明化となっていますが、もう1つのボタンをゲーム中に押しても何も起こりません。
 それなのに2つ目のボタンがあるのは何故でしょうか。。。。

 実はこのゲームのネームレジストが非常に個性的になっています。
 一般的なゲームならば、英文字3文字〜10文字程度を入れるだけなのですが、このゲームは「縦30ドット×横50ドット」程の大きさに自由にドットを打ち込んで絵を書くことができます。同社の「スケーター」と言う作品でもネームレジストで絵がかけるのですが、こちらの方がサイズが広く、ドットは白一色であるもののマーク程度なら描けてしまいます。
…で、そのドットを打ち込むのと消すのに2ボタン使用します…逆に言えば、ネームレジストが無ければ2ボタン要らないのです。
 変わったネームレジストをしたかったのでしょうが、流石にこれは…驚異の遊び心としか思えません。

 あ、あぁ…そこの君!! ドット絵で変なマークを描かないように!!

 

【センスあふれた?】

 透明化と音符での攻撃と1UPアイテムの出やすさから、それなりに遊べてしまうこのゲーム。
 単調でかつ類似作と似たような物になりがちなドットイートゲームにそれなりの味付けをしたかったのでしょうけど、ハッキリ言って「ネームレジストでのお絵かき」が強烈過ぎて、それしか記憶に残らないような作品だったりします。

 デコカセットという当時でのシステム基盤を使用していたこともあってか、余り彼方此方で見かけるほどでもないし、後々にレトロゲームを取り扱うゲーセンでも見かけることも無く、家庭用に移植されることも無く…というマイナーな感じの作品。
 デコカセットは「ハンバーガー(バーガータイム)」を輩出してはいるし、それ以外にもそれなりのクオリティーの作品はあるもの、有名になるまでには至らなかったようで。。。

 

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