個人的名作

のぼらんか(データイースト/コアランド・1986)

 

 あのデータイーストと「ごんべぇのあいむそ〜り〜」のコアランド…という驚異(?)のタッグ。
 内容も驚異だった…。今回は「のぼらんか」を取り上げたいと思います。

 

【天道虫?】

 主人公は何故かてんとう虫っぽいの被り物を被った中年男性っぽい人。
 ある日、般若の面を被った謎の人物に彼女(?)を浚われてしまい、大木の上へ…それを救出するために大木を上って行くのであった…と言う感じのストーリー。

 上下スクロールでプレイヤーは敵を倒しながら大木を上っていき、ゴールを目指します。
 ショットボタンで上方向にショットを撃つことが出来、それで敵を攻撃することが出来ます。要は上下に任意にスクロールできる縦シューティングという感じです。

 敵キャラクターも主人公の天道虫オヤジに負けないくらいのキモカワなマスコットキャラクター風の虫ばかり…キャラクターデザインのセンスは相当凄いようです。
 敵を倒すとフルーツアイテムを落とします。フルーツアイテムは下に向かって落ちていき、拾うと得点が増えてタイムが回復します。
 落ちてくるフルーツは決まっており、「りんご→みかん→桃→スイカ→レモン→イチゴ→パイナップル→メロン」となっていますが、メロンの次は「ドクロ」になっています。
 ドクロは触れたらミスになります。見た目は他のフルーツと見間違えることは無い位特徴があるのですが、雑魚敵が大量に出るシーンでまとめて倒すと大量のフルーツの中にドクロが紛れ込んでいたり、敵や敵の弾を避けようとした先にドクロが落ちてきて…ということがあったりします。
 フルーツの順番は憶える必要は無いですが『メロンの次がドクロ』とだけ憶えておいた方がよいでしょう。


 プレイヤーは木の幹にしがみつきながら進むため、木の幹以外の部分は進めません。但し、木の枝の上ならば歩くことが可能です。
 右ボタンを押すと一定時間飛行することが可能になります。飛行中は短時間ですが自由に高速に移動することが可能で敵や敵の弾を回避するのに役立ちます。
 しかし、飛行すると画面下の "I LOVE YOU" と書いてあるゲージが減っていくので多用は出来ませんが、ゲージは時間で回復するのでケチる必要はありません。


 道中にはたまにアイテムが落ちていることがあり、拾うことで様々な効果が現れます。

[ ストロー ]
 取ると何故か主人公がシャボン玉に包まれ、1回だけダメージを防ぎます。

[ 指輪 ]
 "I LOVE YOU" のゲージが回復します。

[ ハンマー ]
 画面上の敵が全滅します。

[ 時計 ]
 タイムが回復します。


 と言う感じで、敵を倒しながら上に進んで行き、ゴール地点にいるボスを倒すとステージクリアです。
 でも、ボスキャラは登るまでに苦労と時間がかかる割には結構温かったりします。注意点は第2形態で切り落とした足にも攻撃判定があるくらいかな…

 ステージ構成は3ステージのループになっています。

 

【昆虫の機動力】

 操作系は「8方向レバー+2ボタン」です。
 レバーはキャラクターの移動です。レバー上は木の枝やスタート地点(地上)に居るときはジャンプしますが、ゲームに殆ど影響しないのであまり気にする必要は無いです。
 ボタンは左が「ショット」。敵を攻撃します。
 右ボタンが「飛行」。ゲージを消費して、一定時間飛行することが出来ます。


 敵や敵の攻撃に当たるか、タイムが0になるとミスになり残機が減ります。残機が0になるとゲームオーバーになります。

 

【謎過ぎる世界観に…】

 内容自体はシンプルな縦スクロールのアクションゲームですが、常時油断が許されないくらいの敵の数と攻撃…でも余り難しいゲームではない…という絶妙なバランスが保たれているのが結構良く出来ている作品です。
 只、主人公の動きが若干遅いのと、初見殺し的な敵キャラが一部居るので慣れないとあまり長く遊べませんが、それでも出来としては中々楽しめると思います。
 変にジャンルに拘らなかった自由な発想が思わぬ名作を作り出してしまったのかもしれません。

 しかし、主人公が何故か天道虫風の格好をしたオヤジなのが謎です…「ごんべぇのあいむそ〜り〜」といい、キャラクター達が違う方向に秀逸です。
 また、コンティニュー時には沢山の主人公が踊りながら「9、8、7…」を描くという奇妙な演出が…馬鹿馬鹿しい程に凝った演出ですが、そこおかげでコンティニューしたくないときは30秒くらい待たされるんですよね…どこからどうみても演出が間抜けで面白可笑しい作品です。

 

メニューへ