個人的名作186

タイムギャル(タイトー・1985)

 

 80年代にはレーザディスク(以下、LD)を使用した一風変わったゲームが何作か登場しました。
 今回はそのLDを使用したゲーム「タイムギャル」を取り上げたいと思います。

 

【LDゲームって?】

 LDを使用したゲーム全般にいえることなのですが、ゲーム自体はシンプルで、ゲームスタートをすると、画面にLDから再生する形でアニメーションが映し出されます。
 ですが、それを見るだけではゲームにはなりません。所々にアクションを要求するシーンが登場し、プレイヤーはレバーとボタンを使って先へ進んでいきます。

 

【タイムギャルって?】

 西暦3001年、人類はタイムマシンの開発に成功し、それと同時に歴史保安警察が創設された。
もしも危険分子が過去に戻り、歴史に介入することがあるとがあると、大変な事になるからである。
 ところが30世紀最大の大悪党ルーダがタイムマシンを強奪し、時空の彼方へ飛び去ってしまった。
 そこで歴史保安警察のエースで、"タイムギャル" と呼ばれているレイカはルーダを追跡すべく時空の中へ飛び立った。
(PS版タイムギャル&忍者ハヤテのブックレットより)
 …という感じのストーリーです。

 プレイヤーは主人公「レイカ」を操作して危険を回避しながら先へと進んでいきます。
 

 タイムスリップが可能なスーツの力を利用して「レイカ」は古代・現代(近代)・未来へとタイムスリップし、タイムマシンを取り戻す為に「ルーダ」を探していきます。
 ゲーム画面にはLDによるアニメーションが映し出され、「レイカ」はタイムスリップ先で冒険をしていきますが、何故か行く先々で必ず敵(恐竜やロボットなど)に襲われてピンチに陥ってしまいます。
 LDのアニメーションがある程度進む度に敵にやられそうなシーンが出てきます。(敵の攻撃を喰らいそうになる、落石に当たりそうになる…等)
 やられそうになる寸前にアニメーション上の何処かが光ります。
 プレイヤーはレバーをその矢印の方向に入力またはボタンを押す等、適切な入力を行うと、見事レイカはピンチを回避することが出来、アニメが継続されます。
 しかし、入力ミスか入力しなかった場合はミスとなり、敵にやられるアニメが表示されて残機が減ってしまいます。

 ちなみに『流石はLDゲーム』と思うくらいにやられシーンがかなり大量に有り、大抵は80年代のギャグアニメを髣髴とさせるような2〜3頭身風の風貌で80年代のギャグアニメ風の悲鳴を上げてやられてしまう映像だったりするのですが、中にはちょっとエロっぽいシーンもあったり…

 ピンチを回避した場合は、アニメが継続され、ミスをした場合は少し前のシーンからやり直しになります。
 また、ピンチの回避のときに胸のボタンが光る事があり、そのときはボタンを押すことで回避できますが、シーンによっては「タイムストップ」状態になります。
 「タイムストップ」状態のときは、『どうやってピンチを回避するか?』という3択が表示され、プレイヤーは一定時間以内に3択から1つの答えを選びます。
 正解ならピンチを回避でき、間違えた場合はミスになりますが、正解は常に決まっているので、運は一切絡みません。

 …こんな感じで様々なピンチを一定回数回避するとクリアとなり、次の時代へとタイムスリップします。
 ラストステージをクリアできればエンディングとなり、その前に残機がなくなるとゲームオーバーになります。
 

 

【レバーとボタンでレイカを救え!!】

 操作系は「4方向レバー」と「ボタン」。
 どちらも「レイカ」のピンチを回避するのに使用します。また、レバーはタイムストップ時の選択肢の選択にも使用します。
 

 

【逆にLDならではの…】

 「タイムギャル」はLDのアニメーションを使用してプレイするという内容上、同じシーンでは常に同じアニメーションになり、危険になるタイミングが常に同じであり、更にそのシーンでの危機回避方法が常に同じになっています。
 更にレバー入力は『入力を要求されたときの誤入力』はミスになりますが、それ以外での入力はミスにはなりません。
 つまり、次の回避方法を憶えてしまえば、次に入れるべき方向を予め連打で入力していれば絶対に回避できます。
…というか初見で回避をするのは割と難しいので、反射神経のゲームというよりは憶えに近い感じもあります。
 『アニメを見ながらのゲーム』と見た目は凄いゲームに見えますが、実はちょっと奥が浅い…。

 只、ゲームパターンを増やす為なのか、アニメーションが左右逆に再生されることがありますが、レバー左右の入力が逆転しているだけで、上下とボタンは同じです。…微妙な違い程度ですね。
 

 

【一時期は良く見かけましたが…】

 LDゲームはその性質上、専用筐体になっていました。ちょっと大き目のアップライト筐体という感じです。
 LDゲームはタイトー以外にも数社が何作か作成していましたが、専用筐体になってしまう上、LDを使用するためメンテナンスが独自のもの(通常の筐体とは全く別のメンテが必要)になってしまう傾向があるためか、管理が難しく、アーケードに存在した期間はそんなに長くありませんでした。

 また、アニメーションを使用してのゲーム進行の為、基本的には同じことが常に起こるので、危機回避もパターンを憶えてしまえば…という感じになってしまい、イマイチ深みの有るゲームにはなりにくかったようです。

 まぁ、個人的にはこのゲームは「レイカ」だけで充分でしたが…


 ちなみにこの「タイムギャル」はプレイステーションやセガサターン等に家庭用に移殖された事もあります。
 しかし、何故か入手が非常に困難な上、中古品でも結構な価格になっています。
 私は偶然某中古ゲームショップで実物を発見して購入しましたが、実物を見たのはその1度だけ…結構レアな様ですが、販売数自体が少なかったのでしょうか?  

 

メニューへ