個人的名作174

倉庫番デラックス(ナムコ・1990)

 

 名作パズルゲーム「倉庫番」がアーケードに登場したことがありました。
…しかもナムコから…。
 まさに挑戦作だったのかもしれない「倉庫番デラックス」。今回はこれを取り上げたいと思います。

 

【荷物の番が俺の使命】

 「倉庫番」をご存知なら話は早いですが、かつてパソコンや家庭用ゲーム機等でヒットしたパズルゲームのアーケード版移植で、固定画面のフィールドですべての荷物を「・」が描かれている位置に配置することが出来ればクリアとなります。
 プレイヤーは荷物を押すことしか出来ません。また、荷物を飛び越えたりすることは出来ないので、荷物を特定の位置に押す事だけでなく、動かす順番や通路の確保もポイントだったり…とシンプルなルールながら、嵌まり込んでしまうと止められなくなる面白さ…これがアーケードでも楽しむことが出来ます。

 

【色々あります】

 プレイヤーは最初にレベル1〜レベル5まであり、どれかを選びます。
 「初心者向け」のレベルから「中毒患者向け」(結構酷い表現)のレベルまであります。
 レベルによって見た目も異なり、「おばあちゃんの家の倉庫の整理」や「蔵の整理」もあれば「工場の整理」…と『ちょっとだけ』飽きさせない工夫もあるようです。
 それぞれのレベルはA〜Kまでの10ステージと「?」マークの合計11ステージあり、好きなステージを選ぶことが出来ます。
 難易度はAから徐々に難しくなっている感じに作られており、A〜Kまでのステージ構成はすべて固定ですが「?」のステージはいくつかのステージからランダムに選ばれます。「?」はA〜Kまでの10ステージとは異なる内容ですが、難易度的にはそのレベルの上位クラスに匹敵する内容になっています。


 すべてのステージは時間制限があり、タイムが0になるまでにクリア条件を満たせばステージクリアとなります。
 制限時間が0になるまでにクリアできなかった場合はゲームオーバーとなります。
 各ステージA〜Kのクリア率にかかわらず、「?」ステージをクリアするとレベルクリアとなります。すべてのレベルをクリアするとゲーム終了となるので、レベル1〜5の「?」だけさえクリアすれば、5ステージで終了。全部のステージを順番にプレイすれば、55ステージまで遊ぶことが出来ます。


 前述のとおり、荷物を押すことしか出来ず、別の移植作にあったようなヘルプアイテムは一切ありません。アーケードなのにガチな倉庫番となっています…。
 ボタンは、操作手順を間違えたときの修正に使います。
 右ボタンは「1手戻す」です。プレイヤーの操作するキャラクターを1手だけ戻します。押しっぱなしなら、どんどん戻り続けます。
 左ボタンは「最初からやり直す」です。やり直すかどうか聞かれるので、YESを選ぶとステージスタート時の状態に戻ります。当然、制限時間だけは減った状態になります。


 各ステージには制限時間のほかに「BEST STEPS」と「GOOD STEPS」という値が設定されています。
 ステージクリアをしたとき「BEST STEPS」または「GOOD STEPS」を下回る歩数でクリアするとボーナス点がもらえます。 「BEST STEPS」の値のほうが小さい値で、それを下回ってクリアしたときのほうがボーナス点が大きいです。
 「BEST STEPS」とはいっても、そのステージの理論上最も少ない歩数ではないのがミソ。多少歩き間違えても「BEST STEPS」以内であれば問題なく、ステージによっては「BEST STEPS」を大幅に下回る歩数でクリアできる事もあります。
 但し、歩数は前述の「1手戻す」ではステップ数は減りません(20歩歩いた状態で、「1手戻す」を5回押しても15歩目の状態になるがステップ数は20のまま)が、「最初からやり直し」をした場合はステップ数が0に戻ります。

 

【当番制…なんですよね?】

 操作系は「4方向レバー+2ボタン」です。
 レバーはキャラクターの移動です。
 ボタンも先ほど説明したとおり、左ボタンで「最初からやり直し」で右ボタンで「1手戻す」になっています。

 

【回答…】

 長く遊びたいが為に、紙にメモってやっていた頃が懐かしい…個人的にはそんな作品です。
 「倉庫番」の特性上、正解がほぼ一定でしかも固定ステージが50面も有る…という構成のため、解答を知ってしまえばかなり長時間を確定で1コインで遊べてしまうのがアーケードらしからぬ…そんな作品ですね。
 まぁ、アーケードゲーム化するとアクション性を向上させたいばかりに、下手なアレンジを入れてしまい(「テトリス」の派生作品とか「ロジックプロ2」とか…)、結果として原作の面白さを多少なりとも傷をつけることが多い中、正統派を貫いたことは、評価に値するといえるでしょう。

 レベル1でもA付近は簡単にクリアできるが、Kに近づくにつれて初手の操作次第でクリアが容易にも絶望になることも…序盤から「思わぬ罠」な構成になっていますが、それだけに解法が見えたときの快感もひとしおです。


 とはいえ、ゲーセンで1クレジット払ってまで、やりたいほどの内容かと言われると…(汗)

 

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