個人的名作 〜特別編〜

【はじめに…】

 こんにちは、バキューブJr.です。
 今回は『個人的名作特別編』といたしまして、いつもお世話になっているPOT様よりレビューを1つ作成していただきました。
 昔、某所にてPOT様のレビューを拝見し、とても素敵なレビューを書かれていたので、いつかお願いしたいなと思っていたほどで、 ちょっとした機会に漸く実現することができました。
…まぁ、私の前書きで長々と時間をとるのも何なので、本編に入らせていただきます。

 制作されたPOT様、突然にお手数をお掛けして申し訳御座いませんでした。そして制作ありがとう御座いました。


お初の方もいらっしゃるかもしれません。
管理人さんの知人でPOTと申します。
このたび突発的に今回のみの駄文を寄稿することとなりました。
自己満足先行の駄文ではありますが、おつきあい下されば幸いです。

 

ドンキーコング(池上通信機/任天堂・1981)

 

コングがレディをさらい、工事中のビルへ逃げ込んだ!
レディを救え!マリオ!
 

…そんなわけで今となってはアーケードへゲームを出していたと言うこと自体忘れ去られていそうな任天堂の名作「ドンキーコング」です。
障害物をジャンプで避けながら各面の最上段のハシゴを登れば面クリア。
1ループは「25m」「50m」「75m」「100m」の4面構成で4面目をクリアすると難易度が上がって再挑戦となります。
マリオが障害物に当たったり、タイムオーバーになったり、身長以上の高さから落ちるとミスとなります。
 

【25m】
鉄骨が傾斜した足場を走り回り、ハシゴを登って上へ上へ。
コングはタルを転がして邪魔をしてきます。もちろん直撃で即死。
基本的にタルは転がるだけですが、たまにハシゴを下りるかのように「落ちてくる」のでハシゴ付近では注意。
でも、マリオがハシゴを登り、上の階層の鉄骨に届かないぎりぎりのところにいればなぜかタルは落ちてきません。
また、コングはタルを転がすだけでなく投げ飛ばすこともあり、斜めに飛んでくると不意にやられてしまうことも。
 

【50m】
ベルトコンベアーの床があり、進行方向へ進もうとするとびっくりするくらいの速度で走り出し、 逆らって進もうとすると極端に移動速度が遅くなります。
ジャンプするぶんにはいずれの方向にもいつもと変わらない距離で跳べます。
 

【75m】
とにかく足場が少なく、ジャンプで渡っていかなくてはなりません。
上方向、および下方向へ移動するリフトがあり、タイミングを計ってジャンプしていかなくてはなりません。
しかし、足場が悪いことよりも跳ね回るジャッキが難敵で、レディへのハシゴを登るタイミングが非常に難しくなっています。
 

【100m】
ついにコングを追いつめた最上層。
6段ある階層のうち、2〜5段目にはボルトがあり、それを歩いて通過、もしくはジャンプで通過することで抜き取ることができます。
8コのボルトを全て抜き取れば足場がすべて落下、コングも真っ逆さまに落ちて撃退。
とりあえずハッピーエンドです。
 

【マリオ初登場!】

今となっては任天堂の看板キャラのマリオですがこれがデビュー作。
しかし、当時はまだ名前が無くインストカードにも「プレイヤー」としか書かれてませんでした。
マリオという名前は続編の「ドンキーコングjr.」でお目見えとなったのでした(しかも悪役)。
 

【「アタックハンマーを取れば無敵!」】

「75m」以外の面にはハンマーが2カ所ずつ設置されていてジャンプして取ることができます。
しばらくの間、進軍ラッパのような勇ましいBGMが流れマリオがハンマーを振り回して 迫り来る障害物を破壊して得点を稼ぐことができますが、この間ハシゴは登れません。
ハンマーを「振り上げる」「振り下ろす」を繰り返すのですが、 「無敵」を鵜呑みにして走り回ると振り上げた瞬間にタルがマリオに直撃する、というのはお約束です。
 

【ワープ!?】

「25m」で最下層から第2階層へ登ってちょこっとレバーをずらしたところで最下層へ向かって呼び降りるとやられるどころか床をすり抜け 顔だけ残して(下半身は画面右上に出る)なぜかクリアとなります。
基板によってできるものとできないものがあります。
 

【クレイジーコング!?】

当時はヒット作には必ずといっていいほど「コピー基板」なるものがありました。
タイトルだけ変えて安く販売するというのが蔓延してました。 当時はまだ小学生だったので短絡的に「ニセモノ」とひとくくりに呼んでいました。
「クレイジーコング」も見た目はドンキーコングそっくりですが、 コングの容姿が怪しかったり、マリオのジャンプ音が「ホヤッ」というかけ声だったり いかにも「怪しさ大爆発」な代物でした。
しかし、後でわかったことですがこれはちゃんと任天堂に許可をとり「クレイジークライマー」基板で作られたものだと知りました。 でも、僕の記憶の中では今でも「ニセモノ」感が拭えません。
 

【そしてファミコンへ…】

「ドンキーコングとかマリオブラザーズが家でできるらしいぞ。」
そう聞いたのは中学生になってからのことでした。
家庭用ゲーム機といえばそれまでは「カセットビジョン」なる ■←こんな粗いドットを組み合わせたキャラクターしか表示できないものでした。
そんな時代だったので期待はしてなかったのですが、その友人が言うには「本物(アーケード版)そっくりだとよ」とのこと。まさか。
しかし、見てびっくり。友人が言った通りの出来。
縦画面だったものが横画面になったため、潰れて見えるのは仕方ないとしても見た目はまんま「本物」と映りました。
「50m」が無かったり、一度に多くのキャラを出せないためにやや簡単になってたのは少々残念でしたが、 それでも家庭用ゲーム機の常識を破ったものすごいマシンという印象は変わりませんでした。
まあ、その後、いろいろな作品が移植される中で「限界」も感じることになるのですが ファミコンのデビューは個人的にはドンキーコングで衝撃的なものになったのでした。
 

【えっ!!??】

これを書くにあたり、知識の確認のためにウィキペディアで「ドンキーコング」を参照。
すると驚愕の事実が!なんと海外版は面構成が違うのです!
1周目は2面、2周目は3面、我々がいつもプレイしてる4面構成には 3周目に入らないと実現しないのです。これはびっくりしました。

・1周目 → 25m・100m
・2周目 → 25m・75m・100m
・3周目以降 → 25m・50m・75m・100m
※ただし、どの周でも最初の面は25m、次の面は50m、その次の面は75mという表記

よく日本国内バージョンと海外バージョンでゲーム名が違うとこがあることは知ってましたがここまでゲーム内容が違うこともあるのかと驚きました。
…しかも発売後約30年後に。
 

【最後に】

小学生高学年の頃、友人に連れられて行ったあるスーパーのゲームコーナー。
そこにあったが「ドンキーコング」でした。
それを初めて見た時に「言葉にならないなにか」を感じたのです。
幼少の頃、デパートのゲームコーナーで「スペースインベーダー」をやったことはありましたがまったくゲームになってないプレイ内容でした。
攻撃する、避けるといったプレイの根幹すらこなせず、自分が砲台を動かせた、というだけでなにかしらの満足感を得ただけの幼児のゲーム初体験。
やられたときの爆発音だけが嫌な思い出として残っており、それ以後ゲームには接する機会がありませんでした。
それから約10年。
色鮮やかな画面にちょこまか走り回る小太りなオーバーオールの男。
走るとタラちゃんみたいに音が出るユニークなゲームは刺激的だったものです。
今はお金を持ってないけど、今度遊びに来たい!そうして足しげく通うようになりました。
この「ドンキーコング」は僕がゲームにのめり込むようになったきっかけとなったいわば「記念碑的ゲーム」なのです。

そのゲームコーナーでずっと年上の中学生がワープを行ったのを見て驚き、 「今のどうなったの?なんでクリアなの?」と見知らぬ相手に聞かずにはいられなかったり、25mで1つめのハンマーを喜んで取ってみたら、 後でタルだらけになってて見かねた知らないにーちゃんが「あれは取らないほうがいいよ」と教えてくれたりとか ゲームを通じて知らない人と話していたということが今でも信じられないほどです。

現在、ゲームは驚くべき発展を遂げていますが、僕の世代はゼロに近いところから進化してきた瞬間を体験してるので、 その都度驚いたり楽しんだりしてきました。
それは今の若い世代には逆にわかり得ないいわば「財産」だと思います(←えらそうに)。
よく「スペランカー」は主人公が弱すぎるとか言われますが、この「ドンキーコング」を体験してきてる僕に言わせれば、 高いところから落ちて死ぬのは当たり前でジャンプの瞬間の緊張感こそがあのゲームの醍醐味だと信じています。

長年、ゲームをプレイしてきたことで得られたもの、逆に失ったり得られなかったものも多いと思います。
それでも、僕は満足しているし、その第一歩を踏み出させてくれたのが「ドンキーコング」であったのです。
この「ドンキーコング」に出会ってなかったとしたら…
たぶん別のゲームに魅入られていたとは思いますが(汗)、忘れられないゲームのひとつです。
 

 

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