個人的名作145

桃太郎電鉄(ハドソン(FC)・1988)

 

 一体、何作出したら気が済むのか…と思いたくなるような程、発売されている桃太郎電鉄シリーズ。
 その初代はファミコンからの登場でした。今回は桃太郎電鉄を取り上げたいと思います。


 

【社長!お時間です】

 このシリーズでは御馴染みの日本を舞台にした双六のようなゲームです。プレイヤーは全国各地を回って、物件を買い漁って収益1を目指していきます。
 プレイヤーは自分の番のときにサイコロを振り、出た目だけ進むことが出来ます。


 進んだ先の駅には通常の駅のほかに「東京」「大阪」「名古屋」等の大都市の駅が存在しています。
 プレイヤーは目的地としてルーレットで選らばれた都市に向かって進んで行きます。目的地に到着すると多額の賞金が貰えます。 目的地は後のシリーズでは全員同じ場所で一番乗りを目指していきますが、本作ではプレイヤー毎に設定され、全員がバラバラに移動して行きます。
 勿論、目的地によっては近い・遠いが存在するため、若干の有利不利は発生しますが、その代わり目的地到着時に貰える賞金額は距離が遠いほど多額になります。
 また、後のシリーズでは目的地は『ピタリ止まらないとダメ』になっていますが、本作ではピタリでなくてもOKになっています。

 移動はサイコロを振って出た目だけ駅を進んで行きますが、千葉・長崎・釧路にはフェリー乗り場があります。
 後のシリーズではフェリーも通常の升目になっていますが、本作では他の2港へ4ターンかけて自動的に移動してくれます。
 賞金額はフェリーでの移動は考慮されていない為、目的地が釧路から長崎の場合は移動に掛かるターン数の少なさの割には高額な賞金が貰えます。


 目的地に到着すると賞金が貰え、所持金で物件を購入する事が出来ます。
 購入できる物件は大きく分けると2種類あり、「通常の物件」と「鉄道」になります。
 目的地以外の大都市の駅ならピタリ止まったときのみ購入できます。


 通常の物件はこのシリーズ御馴染みの「ホテル」「特産品屋」等…各都市につき4つずつ存在し、お金を払うと入手する事が出来ます。
 物件を所有すると、決算のときの収入に影響します。 後のシリーズに有る『1つの都市の全物件買占めによる収益額にボーナス』等は無いので、一部の都市を集中して狙う必要は無いです。
 また、大都市でない通常の駅の一部には隠し物件が存在しており、所持金が一定以上であればそこでも物件を購入する事が出来ます。
 物件は所持する事自体にデメリットは一切ありませんが、所持金が不足してしまった場合には売却してマイナス分を補わなければなりません。

 「鉄道」とは各大都市に必ず『隣接する都市との区間の鉄道』が物件として存在します。
 勿論、購入する事が可能で、これも決算の際の収入に影響します。
 また、通常の物件と異なり、所持金不足の際に売却対象にできない上、全物件を売却しても所持金不足となった場合でも鉄道は売却できないので、 鉄道を優先的に購入した方がマイナスを喰らったときのダメージが少なくなる事が有ります。
(物件0で鉄道のみ所有の場合に所持金がマイナスになると、は何も売らなくて良くなる)

 プレイヤーの順番が一巡すると季節が変わり、「春⇒夏⇒秋⇒冬⇒…」と4ターンで1年が経過し、毎年春には決算となり、各プレイヤーが所持する物件により収入が得られます。
 基本的にはこの決算による収入で順位が決まります。


 このシリーズでは、各駅には『プラスの駅』『マイナスの駅』があり、止まったマスによって所持金が増減しましたが、 本作では、サイコロを1個振って進んだ先でもう一度サイコロ2個を振ります。出た目によってイベントが発生し、所持金増減などが起こります。
 起こる内容は季節と出た目の合計値(出目の種類は無関係)によって決まり、小さい数の方が良いイベントとなり、ピンゾロだと大幅な収入等の得なイベントになります。 逆に六ゾロだと大変な損をしてしまいます。

季節 イベント
 所持金の増減のみだが、小さい目を出しても大きなプラスにならない反面、大きな目を出しても大きなマイナスにはならない大人しい季節。
逆にピンゾロを出すと悲しい。
 所持金の増減のみ。ほとんどが所持金プラスイベントという嬉しい時期だが、貰える額は冬のマイナス額と比べると少ない。
 色々な事が起こる。
 「目的地に自動的に移動」「サイコロをもう1回振って、出目の2倍進める」「次の都市まで移動できる」…など移動に関するものや、 「物件をタダで貰える」「物件を購入時の4倍の値段で売却」「物件の業績好調により臨時収入」「物件を1つ失う」…など物件に関するものもある。

 また、「1回休み」が存在し、次のターンでは移動できないが、休むのは冬でイベントも起こらないため、マイナス回避ともいえる。
フェリー上で「1回休み」になってもフェリーの移動は行われ、しかもイベントが起こらないため、結構得。
 所持金の増減のみだが、ほとんどが所持金マイナスイベントでしかも多額。特に10を越える目はかなり痛手になる。

 また、イベントは夏だと所持金のプラスになる事が多い上に額も大きいですが、冬だと大半がマイナスイベントでその額も多額になります。
 所持金で払いきれない場合は鉄道を除く物件を売却してマイナス分を払う必要がありますが、 払いきれない場合は所持金0になるだけで、それ以上のマイナスはチャラになり、所持金0でゲーム再開になります。


 ルールは『特定の年数経過時点で最も収益の高い人が勝ち』『決算の際の収益が一定額を越えた人が勝ち』『桃太郎ランド購入した人が勝ち』 のどれかをゲーム終了条件として設定する事が出来、どれかを満たすまでゲームは継続します。…尚、セーブは無いので悪しからず。
 ちなみに『桃太郎ランド』は岡山県の物件でこのゲーム最高額の50億円となっており、購入するのは長時間が必要となります。
 

 

【大人しかった…】

 桃鉄シリーズといえば、「カード」「貧乏神」等の特徴有る要素が多いですが、本作ではこれらは存在せず、 『単純にサイコロを振って目的地に進むだけ』な内容になっています。
 また、冬のマイナスイベントに耐えられるほどの所持金があれば物件を買い漁り続けたもの勝ちみたいなところがあり、上位の人を中々落とせないルールになっています。 逆転的な要素は少ないですが、最下位の人がタダで物件がもらえるなど、弱者救済のイベントは有る程度用意されています。
 理不尽に崩れ落ちる事が少ないので、平和的といえば…そうかもしれませんが…


 シリーズ御馴染みの「カード」「貧乏神」等は続編のPCエンジンの「スーパー桃太郎電鉄」にて登場。
 名作シリーズの出発点がここに始まっていったのですね。
 元々は双六風のゲームとか桃太郎伝説のパロディとか…という感じだったらしいですが、それがここまでになった…そう思うと『何気ない一作』も見逃せませんね。  

 

【小ネタ】

[若干高速]
 プレイヤー、CPUのマス移動時にスタートボタンを押しっぱなしにすると移動スピードが少しだけ早くなります。気持ち時間の節約…かな。

[所持金が?]
 ゲームスタート時に十字キーを押しながらスタートするとスタート時の所持金が増加します。
 上:2億、右:1億、左:5千万、下:1千万。

[シリーズだから?]
 ゲームスタート時、プレイヤー人数を三人にし、それぞれ「モモタロ」「おんがく」「しつ**」にすると音楽を聴く事が出来ます。
 2人目を「びじゅつ」にするとグラフィックを見る事が出来ます。
 原作の「桃太郎伝説」にもあった桃太郎音楽室と桃太郎美術室が本作でも登場していました。

[女湯]
 これまたこのシリーズでは御馴染みの女湯。本作では全ての温泉の物件を一人で買い占めると発生。
 九州の別府の隠し物件の温泉も含まれているので達成は結構厄介の上、前述の桃太郎美術室では見ることが出来ない。
 

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