個人的名作142

天地を喰らう2 〜赤壁の戦い〜(カプコン・1992)

 

 90年代のカプコンといえば、格闘ゲームと横スクロールの格闘アクションの名作が多々登場しました。
その中の1つに『天地を喰らう2 〜赤壁の戦い〜』があります。
 前作について書いてから随分と時間が経ってしまいましたが、今回はこの作品を取り上げたいと思います。
 

 

【馬は不要?】

 前作「天地を喰らう」とは異なり、「ファイナルファイト」に代表される奥行きのあるフロアの横スクロール格闘アクションです。
前作同様、馬に乗ることも出来ますが基本的には徒歩で進むような展開になっています。
 プレイヤーは三国志で有名な蜀の武将を1人選んで、曹操軍と戦い倒していきます。

 攻撃ボタンで敵を攻撃して体力を減らし、0にすると倒すことが出来ます。
武装した敵に対し、パンチやキックで挑んでいく辺りが凄いですが…まぁ、余り突っ込まないほうが良いでしょう。
 敵を倒しながら進んでいき、ボスを倒すとステージクリアとなります。最終ステージクリアでエンディングとなります。
 プレイヤーの体力が0になるとミスになり、残機が減ります。残機がなくなるとゲームオーバーになります。
 

 プレイヤーは三国志の蜀の武将5人(関羽、張飛、趙雲、黄忠、魏延)から1人を選んでプレイすることが出来ます。
[関羽]
 平均的なタイプ。使いやすい技ばかりなので、初心者でも扱いやすいが、必殺技やジャンプ投げなどの特殊な技は隙が大きく使い勝手が悪い。
 使いやすさはトップクラスでは有るが、他のキャラのようにクセが少ないので他キャラに慣れてしまうと、 余り面白味が感じられなくなってしまう感じも…。

[張飛]
 パワータイプ。
 全体的にやや動作が重いが、極端に遅いわけではない。
 投げ技が豊富で、隠し技に「スクリューパイルドライバー」があるが、単発では威力が高いわけではなく、 「通常掴み技×2→投げ」の方が安定して高いダメージをたたき出せる気がしない訳でもない…

[趙雲]
 スピードタイプ。
 ややパワー不足を感じるシーンもあるが、慣れれば扱いやすい分類に入る。
 5人で唯一、敵を掴んだ後のジャンプ投げを持っていない代わりに隠し技として空中投げを持っている。
…が、「スクリュー〜」同様、使い勝手の悪さからネタの域を越えられないようだ…。

[黄忠]
 遠距離戦タイプ。
 黄忠だけ通常攻撃が弓矢になる。
 弓矢は遠距離の敵を攻撃できるが、複数の敵を一度にダメージを与えられない為、敵が大量発生するシーンでは脆い。
 複数の敵を上手く対処するスキルが要求されるので、黄忠一人でのプレイは、難易度が高い。

[魏延]
 平均的なタイプ。
 能力は平均的だが、関羽とは異なり通常技が若干使い勝手が悪いものが多い。

 

【武将を操る】

 操作系は「8方向レバー+2ボタン」です。
 ボタンは左が「攻撃」。右が「ジャンプ」です。
 「ファイナルファイト」をご存知ならば、『そのまま』です。
 ボタンが2つしかないにもかかわらず、多彩なコマンドで色々なアクションをすることが出来ます。


徒歩時(「A」は攻撃ボタン、「J」はジャンプボタン。矢印はレバー操作)
操作 説明
A 通常攻撃です。ヒット時に続けて押すと連続技になり3発目がダウン技になります。
黄忠はA1回で弓を一発打ち、A連打をすると3連射します。
A・A・↑A(又は↓A) コンボの3発目が投げ技に変化します。
投げの間合いが広く、空中の敵をつかめるだけでなく、威力と他の敵への巻き込み性能が高く、 通常のコンボの3発目はリーチが不安なキャラが多い為、基本的にはこちらを使います。
 関羽と魏延は↑Aで後ろ、↓Aで前に投げます。
 趙雲は↑Aで前、↓Aで後ろ、張飛はどちらに入れても前に投げます。
(張飛はタイミングでレバーを後ろに入れると後ろに投げる)
1,2発目はレバーは無関係なので、レバーいれっぱなしでやると出しやすいです。
A+J 俗に言う「メガクラッシュ」。
体力を微量消費して完全無敵の広範囲の攻撃をします。
体力が減るのでピンチのときのみ使用します。
↓↑A 必殺技を出します。最大3ヒットし、それなりのダメージになりますが、大体のキャラは隙が大きいので暴発注意です。
これの1発目で一部のボスを倒すと首狩りができます。
↓J 体当たり系の攻撃を出します。
出しやすい上、通常のジャンプ攻撃の様に一発でダウンを奪えるのですが、敵の攻撃とぶつかると相打ちになりやすい。
敵と密着 敵を掴みます。
ファイナルファイト同様、投げ等の掴みからでのみ可能なアクションをすることができます。
敵掴み中にA 敵に攻撃します。
3回で敵を強制的に放してしまいますが、ファイナルファイトの様に3発目の威力は上がりません。
張飛だけは↓Aで「噛み付き」になります…が隙・威力等の性能が悪すぎ。
敵掴み中にレバー横A 敵を投げます。
使い勝手はキャラによりますが、そんなに特殊なものはない。
敵掴み中にJ・A ジャンプして敵を投げます。
通常投げよりも高威力ですが、キャラによって巻き込み性能等の使い勝手が大きく違う。
趙雲だけはジャンプ投げが無く、ジャンプキックに変化します。
張飛はジャンプ時にレバー横でブレーンバスター。ニュートラルでパイルドライバーですが、 レバーニュートラルでジャンプ直後にレバー横Aで左右に飛びながらのパイルドライバーになります。
レバー1回転・A 張飛の隠し技「スクリューパイルドライバー」。
掴みからではなく、通常時でないと出ません。
只、単発の威力は掴み攻撃からのジャンプ投げの方が高い気が…
(空中に居る敵の近くで)↓A 趙雲の空中投げ。(ジャンプ投げではなく、格ゲーの空中投げに近い)
こちらも掴みからではありません。
中々使う機会も無い上に出にくいので、攻略に組み込む必要は全く無いです。

 いろいろな操作がありますが、基本的にはレバー上か下A連打(コンボ投げ)だけで何とかなったり…。

 このゲームは基本は徒歩での戦いですが、偶に登場する馬に乗ると専用アクションをとることができます。
 威力と得点が高いのですが、「通常移動が遅い」「多くの敵を巻き込む技に乏しい」「掴み技が無く接近戦が弱い」「やられ判定が大きい」 「ダウンしにくい為、徒歩のときでは繋がらないコンボを喰らって大ダメージを受けることがある」…とデメリットの方が大きかったりします。

騎乗時(「A」は攻撃ボタン、「J」はジャンプボタン。矢印はレバー操作)
操作 説明
A 通常斬りです。モーションの遅さの割りには、メリットが少なく、徒歩で殴るほうが使い勝手が良かったり…。
レバー後ろAで背後攻撃になりますが、こちらも同様に使い勝手が悪い。
A連打で連打攻撃になりますが、こちらも特別強いわけでも無い。
J モーションの大きな攻撃です。A同様、特別使い勝手が良い訳でもない…
レバー前J 攻撃判定のあるダッシュ。徒歩の↓J同様、相打ちに注意。
ダッシュ中にJで武器を振り回しながらの攻撃。判定の広さだけは優秀。
ダッシュ中にAでダッシュ攻撃…余り使わない。
レバー後J 馬の向きを変えます。レバー後ろを入れ続けても振り向きますが、どちらも振り向きモーションが遅すぎ…。
↓J 大振り攻撃をしながら馬を下ります。
↓A(ヒット中に)→ 通常斬りから投げのコンボになります。
巻き込み性能はありますが、コマンドが面倒な割には、徒歩のコンボ投げの方が出しやすく使いやすい…。
レバー後・前・A(or B) 衝撃波を出しながらの攻撃です。
ダウンが奪いやすいのでやや使い勝手がいいかなぁ…位です。

 騎乗時の技の性能が悪すぎるのがちょっと残念な感じです。
 乗り物に乗った状態で色々遊べる…なバランスにして欲しかったものですが…  

 

【100万も所詮は烏合の集…】

 「天地を喰らう2」の大きな特徴としては、このジャンルのゲームにしては難易度が若干低いところです。
 幾つか例を挙げると道中の雑魚は動きが遅い者が多く、また一部を除いて「積極的に攻撃してこない」 もしくは「攻撃の前兆が非常に分かりやすい為、対応しやすい」事があげられます。
 ある程度やりこむと道中ではタイムオーバーでもしない限りはミスをしなくなってきます。
 つまり、道中の対策は余り必要とせず、ボス攻略を綿密に練っていけば、『いつの間にかに1コインオール』 ということにもなります。
 各キャラクターは多彩なコマンドを持ち、更に敵の攻撃が緩い為、色々なアクションを楽しむことが出来ると思います。

 逆にこのゲームをやった後、他のアクションゲームをプレイすると結構厳しく感じるくらいに…。

 

【何故か武器が落ちている?】

 「ファイナルファイト」同様、道中には様々な武器が落ちており、拾って使うことが出来ます…が基本的には実用性は低いので 使うことはありません。
 その代わり、一部の武器はちょっと変わった特徴があったりします。
 また、同じ見た目の武器でも名前が数種類有るものが有ります。

種類・名称 特徴
そこそこ見かける武器。
リーチは長いが単発技でダウンさせることが出来ない為、効率が悪い上に敵を捌きにくい。
サイ 剣のリーチを短くしただけの武器…存在価値が分からない…。
ナイフ 1度だけ投げる事が出来る。
実用性はそれほど高くないがダウンが奪える。
棍棒 狼牙棒のような見た目と錘の様な見た目の物がある。
これで止めを刺すと敵を粉々にする以外に面白味がない武器。
青龍刀 1発でダウンさせることが出来るが、攻撃力が低いのに一々ダウンされるのでダメージ効率が悪い。
威力が高いがモーションがやや遅くダウンが奪えない。
鉄鎚 大きなハンマー。7面と8面のみに登場。
ヒットした敵を一定時間気絶させることが可能。
気絶→気絶→…と無限コンボも可能で、結構使っていて楽しい武器。
日本刀 幾つかの種類があり、7面中盤と徐晃の居る部屋の右上で入手可能。
全般的に振りが速く、かつ多段ヒットするが、イマイチ出番は無い。
青紅の剣 6面で夏候恩を倒したときに入手可能。
見た目は剣と同じだが、1発でダウンが奪えてそこそこ威力もあるので使い勝手が良い。
七星の剣 6面ボスで登場する雑魚が偶に落とす七色に輝く長剣。
青虹同様、1発ダウンでそこそこ使いやすい。
エクスカリバー 7面後半に出現。
ヒットすると敵が燃え、1発ダウンで大ダメージ…と使いやすいが、心なしか落としたときに消滅しやすい。
草薙の剣 9面前半に出現。
1発でほぼ1ゲージ分のダメージを奪う最強の剣だがボスまで持ち越せない。
倚天の剣 9面ボス前に出現する剣。
日本刀同様、多段ヒットする。

 

【ちょっとしたネタ?】

【ボスをハメる】
 黄忠以外で可能。
 ボディブレス等の下方向に強いジャンプ攻撃を使わないボス(曹仁、ジュンウドウ)に有効。
 ボスを画面外に向けてダウンさせたら、『縦軸を少しずらして』画面外に向けてパンチ連打するとボスは画面外で勝手に喰らってくれる (曹仁はガードすることもあるが…)ので、そこからコンボ投げで再度ダウンさせ、再び軸をずらして…でハメ続ける事が可能。 運が良いとノーダメージで勝てる。
 縦にずらした距離が短いと画面外から殴られる事があるので注意。

 偶にボスが背後に回り込むこともあるが、コンボ投げや掴みから容易に修正可能。
 但し、雑魚の対処は必要。ジャンプ攻撃等でダウンさせておくと良いが、その隙にボスに殴られないように…。
 複数人プレイなら1人がボスで他が雑魚と担当を分けると非常に楽。
 曹仁やジュンウドウ以外でもハメられそうなボスが居るが、1人プレイではハメる余裕が無い気もする…。
 

【増えて増える】
 体力回復アイテムは体力満タン時に取ると得点になるが、体力が満タンでなくても『アイテムの回復量>体力最大値から減った量』のときは、 その差が点数になる。
 それらの点数はアイテムにより異なるが、原始肉等を取ったときは体力満タンよりも少し減ったときの方が貰える点数が高いことがある。
 

【脱出!!】
 プレイヤーのダウン時、レバガチャをすると起き上がりの時間が短縮されます。
 また、敵の投げ技を喰らいそうになったときは攻撃+ジャンプ同時押し1回だけで抜けられます。
 

【1発多く】
 このゲームは「ファイナルファイト」のパンチハメの様なテクができない様にするためか、 敵も味方も『短時間に3発喰らうと強制ダウン』という仕様があります。
 しかし、強制ダウンで吹っ飛ぶ雑魚に対して、何故かコンボ投げの投げだけは行う事が出来るので、 『Aを1発だけ当て、ワンテンポおいてからAA↓A(or↑A)のコンボ投げをすると』、3発ヒットしさらに投げる事が出来る為、 普通にコンボ投げするよりもパンチ1発分多くダメージが与えられます…がそんなに大きなメリットがあるかといわれると…
 

【暴発の暴発】
 張飛のスクリューパイルドライバーはレバー1回転だが、 右に敵が居るときは「→↓←↑→A」と入れるとスクリューにならないとき(↓↑Aでの)必殺技が出る。
(左の場合は「←↓→↑←A」)
 レバーの回転方向で必殺技を出すか、普通のパンチにするか使い分ける事も可能。
 空振ったときのフォローになる…程度。
 

【種類が違います】
 9面の開幕のシーンに鳥が出現するかはランダムらしいです。
 ちなみに、倒すと食べ物になります…こいつ見た目は鷹なのに…。
 

【若干早く…】
 8面の次のシーンに進むときにデモが存在するシーン(砦に入るシーンや地下に落ちるシーン)はアイテムが落ちていると デモが始まるまで少し時間がかかります。
 武器を含め全部拾っておき、武器が不要ならデモの直後に捨てたほうが若干タイムが節約できます。
 

【男ぉ?】
 張飛のベアハッグ(掴み中に攻撃ボタン)を女性にかけると何故か男性と同じ声になります。
 専用ボイスを用意していなかっただけと思われるが…もしかして女装!?

 

【名作でした…】

 多彩なアクションと遊びやすい難易度でかなり熱中しました。
 友人達と複数人プレイ(設定で最大3人同時まで可能)が非常に楽しく、1人プレイだとすぐに落とすことがある特殊な武器(鉄鎚やエクスカリバー) を拾って、細かなところはフォローしてもらうことで長持ちさせたり…色々な遊び方で沢山楽しんだ作品です。
 意外と難しいのが、全員(出来る限り)武器持ち。コンボ投げが出来なくなるだけで結構大変に…只、(武器を落として)素手になった瞬間最強。

 …個人的にこのゲームで一度はやってみたいのが黄忠デフォルト設定での1コインオール。 ご存知の方も多いと思いますが、これだけは結構難しい…
 他の4人のクリアは容易なのにこれだけは悪夢の様な難易度… 残機設定をかなり緩くした台では1コインオールしたことはありますが、それでも残機ギリギリ…神プレイには程遠いです。 黄忠の全一なんてどうやるんだろう…。

 

 

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