個人的名作141

ムーンパトロール(アイレム・1982)

 

 いかにもレトロゲームな雰囲気でありながら意外と熱いアクションを楽しませてくれる「ムーンパトロール」。
 今回はこのゲームを取り上げたいと思います。

 

【月…ですよね?】

 強制スクロールの横スクロールアクションゲームです。
 プレイヤーは月面を走る装甲車で、ゴール目指して進んで行きますが、道中には何故かUFO等の襲撃や岩などの障害物があり、 それらを上手く回避しながら進んでいきます。

 UFOは装甲車の上空を飛びまわり、ときどき弾を落としてきます。
 何者が何のために襲撃してきているのか分からないが弾に当たるとミスになるので左右に上手く動いて回避しなければなりません。
 また、装甲車からはショットを撃つ事が出来ます。 ショットは真上と前方に同時に撃つ事が出来、それでUFOを倒したり敵の弾を破壊することができます。
 後半ステージでは何故か戦車が襲い掛かってくることがありますが、同様に戦車とその弾はショットで壊す事が可能です。

 地面には岩や穴があり、岩に衝突したり穴に落ちたりするとミスになります。
 岩はショットで破壊することが可能(大きな岩は複数発必要)ですが、何故か装甲車はジャンプする事が可能で、 ジャンプで回避することも出来ます。また、穴はジャンプで回避するしかありません。
 穴は通常設置されている場所のほかにも、敵の弾が地面に落ちたときに穴が出来る事があります。
 また、誰が埋めたのか途中には地雷が埋まっていることがあります。穴同様ジャンプで回避しますが、一部間隔が非常に狭いことがあり、 ジャンプのタイミング次第では『飛び越えたは良いが次の地雷を踏んでしまう』事もあります…。

 そんな風に『パトロールなのに敵や障害物を避けてばかり…』な状態で進みゴールを目指して行きます。

 月面にはA〜Zまでのポイントが書かれており、それぞれで登場する敵や障害物が異なっています。
 最初はE地点まで辿り着くとステージクリアとなり一区切りとなってボーナス点が入ります。
 同様にJ、O、T、Z地点でも一区切りとなっており、Z地点まで到着した場合は難易度の高い2周目のA地点からのスタートとなります。

 

【パトロールしようよ】

 操作系は「レバー(2方向)と2ボタン」。
 レバーは車の加速と減速で完全に止まることは出来ません。
 ボタンは「ショット」と「ジャンプ」。
 ショットは上と前方にショットを撃ち、敵や岩を破壊することが出来ます。
 ジャンプは通常のジャンプで岩や穴の回避に使います。ジャンプは車のスピードによって軌道などは変わります。

 ゲームは残機制で敵の弾や敵、障害物に当たったり、穴に落ちたときはミスとなり、残機が減ります。
 残機が無くなるとゲームオーバーになります。

 

【単純ながら…】

 ルールも単純に横にスクロールしながら敵や障害物を回避する。
 シンプルで分かりやすいルールながらそれを熱くさせるのが「プレイヤーの装甲車のレスポンスの悪さ」。
 ショットは連射が一応効くがボタンを連射しても発射間隔が若干長めで、ジャンプすると若干反応が遅い上に着地の隙が結構大きめ…  加速減速も急発進急停止ができるほどではなく、徐々に…という状態。
…と、とてもUFOが襲来してくる状況のパトロールに使えるほど高性能ではないです。

 逆に言うと状況を良く判断して 「ショットは無駄打ちしない」「加速すべきか減速すべきか」「無計画にジャンプしない」等…意外としっかりと対策と操作をしないと ピンチギリギリの状態では回避不可能になってしまいます。
 若干の「一手先を読む」実力が必要になってきます…そうか!「UFO(宇宙人?)が相手だけに予知能力を鍛える為のゲームなんだな!!」 …と考えるのは若干先読みすぎかもしれませんが…

 細かい演出ですが、背景は手前側の山(一部のステージでは建物)と奥側の山があり、 それぞれでスクロール速度が(手前側が早く奥側がゆっくりと)異なっていて、微妙な遠近感を演出しています。
 作られたのが1982年ながらちょっと頑張っている感じが何となく喜ばしいというか…

 

【月の巡回は…】

 当時にしては演出やゲーム性はそこそこ良い出来でしたが、当時はファミコンなど家庭用の移殖は無かった為、マイナーゲームな感じになっています。
 個人的にはちょっと勿体無い感じもあります… 良く出来たゲームなのにファミコン化されていない為にマイナーゲームになっている作品は結構あります。
 それだけファミコンの影響力というのが大きかったのかなとも思えますが…

 

メニューへ