個人的名作

パイプドリーム(ビデオシステム・1990)

 

 独特のパズルゲーム…中には独特の面白さを持つものも多々あります。
 今回は独自性が面白い『パイプドリーム』を紹介したいと思います。

 

【何が夢だ?】

 盤面上のようなフィールドにスタート地点から水が流れ始めるので、プレイヤーはパイプを並べてゴールまでのパイプを作ります。
 パイプは画面端に落ち物パズルゲームのNEXTの様に表示されており(5個先のパイプまで表示)、 それらを各マス目に配置しゴールまでの道を作成していきます。
 配置するパイプは1マス分の大きさで、直線(縦・横)と直角のカーブと十字(縦と横の直線パイプどちらにもなるし、立体交差も可能)と、 一方通行(通常のパイプと同じだが、水の流せる方向が決まっている)となっています。

 パイプは壁やステージ開始時に既に設置されているパイプなどの場所以外であれば、何処でも配置可能です。 また、画面端の外壁は「矢印が描かれている場所」に限り繋がっています。 ゴールが壁と外壁に囲まれている場合は、どこかの外壁が繋がっている筈です。

 スタートからゴールまで接続できれば良いのですが、各ステージにノルマが決められており、 ノルマ数以上のパイプを使った経路でないとクリアになりません。
(ノルマと経路の長さはゲーム中、表示されており、常に確認可能)  つまり、最短距離ではなく、出来る限り経路を延ばさないといけませんが、その代わりパイプが長ければ長いほど得点が増え、 更に全てのパネルを通過するように経路を作るとボーナス点が入ります。

 ステージスタートからゴールまでの経路の作成状況に関わらず、一定時間後にスタート地点から水が流れ始めます。
 水は徐々に進んで行き、パイプが繋がっていない場所に辿り着いてしまった場合、そこで水漏れが発生しミスになります。
 逆に言えばスタートから充分な経路を確保していれば、暫く水漏れにはなりません。

 スタートから流れ始めた水がゴールまでノルマ数を超えたパイプ数を使用して到達させるとクリアとなり、次のステージに進めます。
 水漏れやノルマ不足でミスとなり、残機が減ります。残機が0になるとゲームオーバーです。

 プレイヤーはゲームスタート時にA、B、Cの3種類のコースから1つを選択してゲームを行います。
 各コースステージ数が決められており、各コース16ステージクリアでエンディングとなります。
 因みにAコースは「消防士が消火の為に水のパイプを作る」、Bコースは「病院の点滴の管を作る」、Cコースは「水のない地域に水路を作る」 というストーリーが(ゲーム上余り関係ありませんが…)あります。

 

【とりあえず接続工事を】

 操作系は「4方向レバー+2ボタン」。
 レバーでカーソルの移動。
 ボタンは1つが『パイプの配置』です。NEXTのパイプを起きたい場所にカーソルを移動させ、ボタンでパイプを配置します。
 既にプレイヤーがパイプを配置した場所にパイプを置いた場合、上書きされます。
 いらないパイプは経路の予定マスに配置して上書きで消してしまいましょう。 但し、ゴールまでの経路に無関係の場所にパイプを置くと、ステージクリア時に減点になります。
 もう1つのボタンが『水の加速』です。ステージクリアが確定した場合に押すと時間短縮になります。

 

【これはハマる…】

 単純なルールで、敷居の低さからお試しでプレイしてみるとついついハマってしまう…そんな面白さがありました。
 やることが少ないので、どんなステージでも初見でも有る程度楽しめてしまうのが良い点と思います。

 パイプの種類が少ないので経路を事前に頭の中で組み立てておき、上手く配置するのが秘訣でしょうか。
 クリアパターンを事前に頭の中で組み立てて時間内で上手い具合に作っていく …『瞬間の判断力』を問われる落ち物パズルや『じっくり熟考』なパズルとは違った方向性を持つ、 非常に変わった味のあるパズルゲームに仕上がっていると思います。

 只、1つ残念なのが後半ステージがNEXTゲーに近いものがあるところでしょうか。
 このゲームのパイプは一方通行を除くと7種類あるのですが、 ステージによっては多くの壁に囲まれてそのうちの1〜2種のパイプでしか先に繋げられない場所があるにもかかわらず、欲しいパイプが中々NEXTに出てこない…
…と言う現象がよく発生します。
 しかも、NEXTは5個前まで表示されているので、5個とも使えないとなるとかなり時間を潰されてしまいます。
 勿論その間に水が流れて水漏れのミスに…ということになります。
 機転を利かせて別ルートを作る手もステージによっては可能ですがノルマなどの関係や大幅に経路を変える方が返って、時間が掛かる事が有るため、 常にそれで回避できるわけでもないのが…ちょっと不満ですかね。
 NEXTゲーのバランスがもうちょっと上手く言っていたら、もうちょっと良い作品だったのかもしれませんが…
 個人的には「オールマイティ」か「タイムストップ」辺りのヘルプがあったら…  

 

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