個人的名作94

アクアラッシュ(ナムコ・1999)

 

 最近のナムコから出たアクションパズル系ゲームといえば、「ミスタードリラー」と言った所でしょうか。
 でも、それと同時期にナムコからもう1つの名作アクションパズルゲーム「アクアラッシュ」が登場しています。
 今回は幻想的な雰囲気に込められた高いゲーム性を持つこの作品を取り上げたいと思います。

 

【深海 〜水と泡の世界〜】

 画面下から登場する「泡のブロック」を操作してフィールド上の「泡のブロック」を消していくパズルゲームです。
 雰囲気としては、「テトリス」を上下逆さまにした感じが近いです。


 只、「テトリス」と違うところは、『ブロックを回転ではなく、変形させて組み合わせていく』ということです。
 ボタンを押すと該当する個所の泡が1ブロック分上に伸びていきます。

 

 これを使ってフィールド上の「泡のブロック」に組み合わせて1列作成すると、その列は消去されます。
 列が消去されたとき、その列より手前側の列にある泡全てが上に詰められます。「テトリス」のように消した列数だけ詰まるのではなく、 最上段もしくは他の泡の手前まで詰まります。つまり上の方でラインを消せばそれより手前側の列全てが上へと詰まっていきます。
 また、詰まった事により列が作成された場合、その列も消去され連鎖になります。
 大ピンチでも消し方1つで大きく復活できる事もあります。

  

 

 一定時間毎にフィールド全体は少しずつ手前へと迫ってきます。泡が手前にある赤いラインに触れた時点でゲームオーバーとなります。
 また、泡を消しつづけ、ステージ最奥の赤色のラインを消すとステージクリアとなります。
 ステージ構成は、初級は海底800m、中級は海底1000m、上級海底1200mから始まり、徐々に海面を目指して上昇して行きます。 100m毎に赤色のラインが登場し、一区切りとなっています。
水深0mまで到達する事が出来れば(様は初級は8ステージ、中級は10ステージ、上級は12ステージクリアで)エンディングです。
 クリアまでにかかった時間が最終スコアとなります。

 

【泡を操る操作系】

 操作系は「4方向レバー+3ボタン」です。
 レバーで泡の移動です。レバー上で高速移動。レバー下はボタンと組み合わせるときに使用します。
 ボタン3つが「泡の変形」です。
 泡は基本、横3列からなっており、右ボタンを押すと右が、中央ボタンを押すと中央が、左ボタンを押すと左が1ブロック分上に出っ張ります。
 一度増やした泡は戻せないので、増やしすぎないようにしましょう。
 また、他の泡がある場所では泡を出っ張らせる事は出来ませんが、 レバー下+ボタンを使用すると泡全体を1ブロック分下に動かして泡を出っ張らせる事が出来ます。
 1列分だけの泡も存在し、そのときはどのボタンを押しても泡が出っ張ります。
 

 

【水と泡のバラード】

 深海から徐々に海面を目指していく構成の為、背景は深海では薄暗くて深海魚が泳いでいる情景ですが、 徐々に水深が浅くなると段々明るくなっていき、泳いでいる魚もそれに合わせて変化していきます。
 背景なので中々気にかける余裕が無いかもしれませんが、ちょっと幻想的で素敵な演出です。

 複雑なルールも無く、泡の上昇による連鎖のお陰で「適当に消せば何とかなる」という状況になることが多い為、 初見でもかなり遊びやすいゲームだと思います。
 連鎖が簡単に発生させられる上、ビジュアルも結構派手なので「なんだかよくわからなけどスゲェー」 という優越感と爽快感に浸れる様な作品だと思います。


 また、ボタン3つを押しながらスタートボタンを押すと「エンドレス」モードが登場します。
 エンドレスモードはステージ制ではなく、延々とラインを消しつづけるタイプになります。 ステージ制ではスコアはクリアタイムのみ判定されている為、『如何に効率良く、早く消すかというパターンの精練』が必要となり、 エンドレスモードでは、『どんな状況下でも長くプレイする技術』という異なったプレイスキルが必要になります。
 基本のルールは同じでありながら、こういった複数の遊び方をさせてくれる作りというのが嬉しい限りです。

 対戦格闘ゲームがブームになっている時期に登場しただけに、ちょっと時期が悪かったのか、 名作でありながらややマイナーな感じが否めないこの作品ですが、このゲームの面白さはぜひ体験して欲しいものです。

 

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