個人的名作92

雀国志 〜覇王の采牌〜(カプコン・1999)

 

 アーケードゲームには様々な麻雀ゲームが登場しています。「脱衣系」もあれば、最近流行の「オンライン対戦麻雀」… でも、中にはこんな麻雀もアーケードゲームに登場していました。
 今回取り上げるのはカプコンの「雀国志 〜覇王の采牌〜」です。

 

【使いまわし…ですか?】

 三国志の世界で敵と麻雀で対決をし、国取りをしていくゲームです。
 でも、このゲーム画面は同社の「クイズ三国志」の使いまわしです…国のマップも武将の顔も… ハッキリ言って「クイズ三国志」のクイズの部分が麻雀になっただけです。

 もちろん勝っても誰も脱ぎません…まぁ、劉備や曹操の脱衣絵がいきなり出ても困りますけどね…かといって、 チョウセンや呂姫とか二喬が出てきたり、董白が出てきて脱ぐ…ということもありません。
 

 プレイヤーはスタート時に「劉備」「曹操」「孫権」「呂布」の君主うち、1人を選びます。
クイズ三国志とは違い、「ジャンルセレクト」や「2択3択」が無いので、君主の差が殆ど無いように感じます。

 君主を選ぶとゲームが始まり、プレイヤーは隣国の領土を選んで攻め込む事が出来ます。
 灰色の領土は空白地で、色付の領土は敵の国です。敵の国は対決する敵武将の智力と武力が表示されています。 この能力値は「クイズ三国志」同様にプレイヤーの領土が増えるほど増加してきます。
また空白地にも敵の能力が表示されていますが、上昇は敵の国より緩やか、もしくは全く上がらないので、 出来るだけ後回しにすると良いでしょう。


 敵の国に攻め込むと敵武将との1対1の麻雀対決になります。麻雀は積み込みなどのイカサマ等は一切無いです。 …ガチンコではありますが、摸打の繰り返しだけは味気なさ過ぎです。
 上がると敵の点棒(初期値は敵の武力に依存)を奪うことが出来、0点以下にすると勝ちとなり、その領土を取る事が出来ます。
更に君主を討ち取った場合、その君主の領土すべてを取る事が出来ます。 逆に自分持ち点を0点以下にされるとゲームオーバーとなります。
 どちらかが0点以下になるまで麻雀は中断されること無く続くので、 軽めの点数を取ったり取られたりが繰り返されると勝敗が決まるまでかなり時間がかかったりします。
(ちなみに1国の争奪だけで20分近くかかった時もありました。)
…せめて点棒の減らし合いで回復しなかったら、こんなに酷い事にはならなかったのに…この辺り、ちょっと工夫が欲しかった気がします。

 全ての国を獲得するとエンディングになります…がこれも「クイズ三国志」の使いまわしです。

 

【レバーの操作系を使いまわし…ですか?】

 唯一誉められる点は操作系でしょうか。「4方向レバー+2ボタン」で、麻雀コンパネに変えなくても遊べるという事です。
 レバーで攻め込む敵の国や捨てる牌等の選択。
 左ボタンは「決定」で攻め込む国や牌を捨てるときに使います。
 右ボタンは「メニュー表示」で、相手の捨て牌を鳴くときやカンやリーチなどのときに使います。 只、上がりのときは右ボタンを押さなくても自動的にメニューが開かれます。

 

【使いまわし…でしたか】

 ハッキリ言うと、どういう意図で何を狙ってこんなものが出たのか…かなり謎です。 「クイズ三国志」自体も随分前ですし、味気も無い1人麻雀を作る必要があったのだろうか…。
 完全に『敵武将との対決以外はクイズ三国志の使いまわし』で、イベントはおろかオープニングやエンディングの グラフィックまでもが使い回しです。
 アーケードゲームでルールが全く別のゲームのグラフィックを使いまわしただけのゲームというものは非常に珍しいと思います。 これ程までの珍作は珍しいと思います。
 逆にそんな余りの間抜けさに思わずコンティニューしまくってクリアしましたが、 これほど達成感の無いゲームは無かったでしょうね。(笑)
 珍品好きにはたまらない作品だったと思いますが…麻雀ゲームとしてはちょっと出来が悪いのが難点です。

 

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