個人的名作103

サイキック5(ジャレコ/NMK・1987)

 

 隠れた名作…という言葉を多々聞く機会もあると思いますが、今回取り上げる「サイキック5」もその一つではないでしょうか。
 今回は名作アクションゲーム「サイキック5」を取り上げたいと思います。


 

【 どんなゲーム? 】

 5人のサイキッカーらしき人たちが魔物を倒していくアクションゲームです。
 プレイヤーは5人のサイキッカーから1人を選び、彼らの特徴を生かしながら交代させながら先へと進んでいきます。
 ステージは上下方向に重力がある全方向スクロールタイプで、ジャンプを駆使してゴールを目指していきます。 ゴール地点にはボスがいて、ボスを倒すとステージクリアとなります。全8ステージでエンディングとなります。

 当時のアクションゲームにしては珍しく、縦画面になっています。キャラクター自体もやや小さめなので、 広々としたフィールドでジャンプをメインとした構成になっています。  

 

【 サイコソルジャー達を操作!! 】

  操作系は4方向レバーと2ボタンです。
 レバーでキャラクターの操作を行いますが、ジャンプ中にレバーを上に入れると降下が遅くなり、また下を入れると降下が早くなります。
 左のボタンは「アタック」です。キャラクターがハンマーを振ります。敵を攻撃したり、破壊可能な壁を壊すときに使います。
 右のボタンは「ジャンプ」です。押した長さにより高さが変化します。

 プレイヤーは残機制で「敵や敵の弾等に当たる」「時間切れ」「動く床に押し潰される」とミスになり、残機が0になるとゲームオーバーです。

 

【 5人の個性を使い分けて進む 】

   先ほども書きましたが、プレイヤーが操作できるキャラクターは全部で5人います。彼らの内、1人を選んで進んで行きますが、 スタート時は2人だけしかいませんが、残りの3人はゲーム中で救出すると使用することが出来るようになります。

キャラクターは以下の4つのパラメータがあり、各キャラその値が異なって居るため、非常に『個性的』になっています。
JUMP ジャンプの高さに影響します。この値が低いキャラクターでは行けない場所もあります。
HOVER 空中でレバーを上に入れたときの落下速度に影響します。 この値が高いキャラクターはレバーを上に入れるとなかなか落ちません。
POWER 道中所々にある、「押して開ける扉」を開けるまでにかかる時間に影響します。 この値が低いキャラクターは扉を開けるときに大きなタイムロスになります。
ATTACK 攻撃ボタンによる攻撃力に影響します。

 キャラクターは以下の5人です。
NAOKI  最初から使用可能な帽子をかぶった少年。
 全てのパラメータが平均的な能力で使い易いですが、特化したものが無い為に中途半端…という感じもしないでもない。
AKIKO  赤い服を着た少女。彼女も最初から使用可能です。
NAOKIと比べるとJUMPとHOVERが高く、POWERとATTACKがやや低い。
道中は移動がメインになるので彼女をメインにしたほうが良いでしょう。
 また、HOVER値が高いので、パワーアップ中ならボス戦(ボスは空中に居る為)が戦いやすい。
BUNTA  背が高くて太っちょの為、NAOKI、AKIKOよりも当たり判定が大きめ。
 POWERが高いので扉が多い場所では活躍できるが、JUMPとHOVERが低いので機動力は低い。
また、ATTACKは高いがHOVERが低いため、ボスに対してダメージを与えにくいが、上手く当てることが出来ればすぐに倒すことも可能です。
MAKOTO  背の高い男の子。ミスしたときの顔がドラえもんのスネ夫に似ている。
 JUMPが非常に高く、彼でないと届かない場所があるが、その他のパラメータが低いため殆ど役に立たない。
GONZO  赤い褌がトレードマーク(?)なお爺さん。
 HOVERとATTACKが高いのでボス戦には強く、特にパワーアップ時なら瞬殺も可能。しかし、その他の能力が低い。

 ゲームスタート時は、NAOKIとAKIKOだけしか使用できませんが、残りの3人はステージ途中で助ける事により使用することが出来ます。
 キャラクターの交代は、ステージスタート時と道中に存在する電話ボックスで行う事が出来ます …が、それ以外の場所では交代することが出来ないので、キャラクター選びを慎重に行わないと先に進むのが困難になることもあります。
 基本的にはAKIKOか(ジャンプを必要としない場所なら)BUNTA辺りにしておくのが無難なようです。

 余談ですが、このゲームは選んだキャラクターによってVGMが変わります。個人的にはNAOKIのテーマが好きなのですが、前述のとおりNAOKIは使う機会が多くなかったりします。

 

【 得点稼ぎが…熱いらしい 】

 ステージ各所には、器と「?」が描かれているボックスがたくさん配置されています。
 器を壊すと、その場所に得点アイテムである食べ物に変わります。食べ物はステージごとに4〜8種類有ります。
同じ食べ物を連続して取るとスコアの上昇が大きくなります。 例えば、2種類の食べ物A,Bが3つずつあるとすると、「ABABAB」と回収するよりも「AAABBB」と回収したほうが得点が高くなります。
 また、ステージクリア時に食べ物の回収状況に応じてボーナス点が入ります。

(1).1種類を全て回収すると1種類につき5000点。
(2).1種類を全て連続して回収すると1種類につき10000点。
(3).全ての食べ物を回収すると更に10000点(全ての食べ物を(2)の条件で回収すると50000点)。

 器の中身の食べ物は『器を壊す以外で攻撃をした回数』に依存している為、攻撃を行った回数をちゃんと覚えていく必要があります。
 スコアアタックをする場合、通常のプレイ以上にスキルが問われる熱さがありました。
(基本的には後戻りをする程、時間に余裕が無いのである程度は諦めるしかない感じもありますが…)

 ボーナス点は食べ物アイテム以外にもシークレットボーナスが沢山あります。『特定の条件下で特定の事を…』系の物が多々あるようですがスミマセンが、全部は分かりません…

 「?」ボックスは壊すとアイテムに変わります。「?」という割には中身は固定なのですが、画面右上には5つの枠があり、カーソルが一定時間おきに枠を移動しています。
 5つの枠はゲームスタート時は空っぽですがプレイ中にアイテムが表示される事があります。 アイテムが表示されている枠にカーソルが移動したときに「?」ボックスを壊すと中身がカーソルの物に変化します。
カーソルのアイテムは便利なものが多いため、不要な得点アイテムの入っている「?」ボックスならアイテムを変えてしまうと道中が楽になります。

 「?」ボックスにデフォルトで入っているアイテムは↓になります。

顔マーク 某スマイルマークを思い出す様なアイテム。100点なので、これを他のアイテムに変えるのが基本。
時間回復 残り時間が回復する。
残り時間は基本的に不足している上、回復する要因が少ないので、他のアイテムに変えないように注意が必要。
宝石 顔マーク同様に得点が増えるが、数千点単位で上がる。


 カーソル枠により置き換えられるアイテムは↓になります。

「P」マーク ミスかステージクリアまで全ての能力値が上昇する。AKIKOでも雑魚敵が1発で倒せるのが大きい。
EXTRA 「E」「X」「T」「R」「A」が描かれたパネル。全てを1つずつ集めると残機が1人増える。
同じ文字をストックする事は出来ない。
×2 見た目どおり、得点が2倍になる。複数取ったときは効果が重複する。(最大値は不明です…)
タイムストップ 暫くの間、敵が止まる。

 また、道中では何故か魔女が画面上部をウロウロしています。
 攻撃をしようと近づくと逃げられてしまい、中々倒せませんが倒す事が出来れば箒を一定時間奪って「雑魚敵が全て停止+空中を自由に移動+体当たりで敵を倒せる」事が出来ます。 完全無敵と思いきや、ボスだけは攻撃してきます。攻撃を喰らうとミスになります。
 非常に高性能ですが、狙って倒すのが難しいので…と言った所でしょうか。

 

【 最高なサイキック 】

 アクションゲームとして操作性が簡単で、慣れればすぐに自由に動かす事が出来、非常に遊びやすいと思います。
 難易度がやや高めですが、「クリアするだけ」「ハイスコア狙い」「ノーミスクリア」…色々な目的を持って挑戦できる楽しみがあります。

 不満点を上げるとすれば「制限時間の短さ」でしょうか…。8ステージなので余り長くしすぎるとアーケード向きで無くなる可能性もありますが、普通にプレイする分ではちょっと短い…時間回復を効率よく集め、敵などに手間取らない事が重要なようです。

 只、個性的なキャラクターの選択等により、『自分で先の攻略を考えながら進んでいく』面白さが非常に良く出来ており、ゲームの流れがフィールドの構成が異なるだけの内容が8ステージも続く作品でありながら、全然飽きを感じません。
名作と呼ぶにふさわしい作品だと思っています。


 …なのですが、移殖作品がファミコンで「エスパ冒険隊」と言う名前でアレンジされた作品だけで、忠実な移殖は登場していません。
 その為か、「知る人ぞ知る」的な名作…という感じになっている気がします。
『よく出来ている作品』というだけでは有名にはなりきれないのでしょうか…勿体無いものですねぇ…。  

 

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