個人的名作

脳力向上委員会(テクモ・1995)

 

 テクモの個性的な作品「脳力向上委員会」。今回はこのゲームを取り上げたいと思います。

 

【測っていいんかい?】

 ミニゲーム集に近い作品です。テクモくんとテクミちゃんと博士と一緒にミニゲームをこなして 脳力を測定してみましょう。

 ゲームスタート時、「脳力測定」と「適正判定」の2つのコースがあり、どちらかを選びます。
 それぞれのコースには8つのカテゴリがあり、各カテゴリでは前半・後半の2種類のミニゲームをプレイします。
 全カテゴリをクリアするとコース終了となり、総合結果と評価が表示されます。
 プレイするゲームはカテゴリと前後半によって決められている為、各コース「8(カテゴリ)×2(全後半)=16種類」 のゲームをプレイすることになります。
 

 

【操作していいんかい?】

 操作系は「4方向レバー+1ボタン」。
 レバーは選択用カーソルなどの移動でボタンで決定です。
 この辺りは通常のミニゲーム集と大して変わらないので、細かい説明は不要でしょう。

 只、このゲームはカーソル移動がメインの割にはカーソルの移動が非常に遅く感じます。

 

【時間が無くてもいいんかい?】

 ゲームは時間制になっており、回答に時間がかかればかかるほど残り時間が減っていき、 0になるとゲームオーバーになります。また、お手つきや誤答には(一部のゲームを除いて)タイマー大幅減のペナルティがあります。

 残り時間は前半・後半クリア後に成績と回答速度に応じて回復しますが…回復量は少なすぎです。 (デフォルト設定では)どんなに回答速度を早くしても減少量に追いつきません。
 某ゲーム雑誌でも『1コインクリアは「適正判定」であれば辛うじて可能』と書かれていたくらいで、 設定が易しくなければコースクリアにはまず数回のコンティニューが必要です。
 どうせだったら1プレイ200〜300円でコンティニューをしなくても良いような仕様にして結果がプリントアウトさせる等、 もっと豪勢な内容にすれば良いのに…と思いたくなります。

 しかも、コースの総合結果も「あなたは○○タイプ」と数行の評価が書かれている程度… 数百円払ってまで見る価値のある物なのかというと…(汗)。
 ここまで酷いゲームは、結構珍しいくらいです…。

 

【こんなに種類があっていいんかい?】

 ミニゲームの種類は以下の32種類(2コース×8カテゴリ×2種類)。ゲームのようにワイワイ楽しむというよりは 知能検査に近い雰囲気です。

[脳力測定]
カテゴリ名 内容
れんそう  前半は物の並びの法則性から穴埋めを行う問題。
(『ABCA(?)C』の "(?)" の部分を答える)

 後半は問題のイラストと同じ関係の物を探す4択。
(問題が「鶏とヒヨコ」なら答えの中から親子関係の絵を探す)
くらべる  前半は左右の図形列が全く同じか異なっているか答える問題。

 後半は5×3マス分のイラストの中から画面上部に表示された物と同じピースを探す問題。
目で見る  前半は画面上部に野菜や果物がいくつか描かれているカードが表示されており、 下の選択肢から、そのカードと「数が同じ」か「野菜や果物の種類が同じ」のカードを選ぶ。

 後半は左右の図形の内、赤色の部分の面積が大きい方を選ぶ。
 このゲームは赤い部分の比較が見た目で簡単に分かるような図形では無いので、ちょっと難しい。
ことば  前半は文字を入れ替えて単語を作る。
 正解へのヒントが表示されるので、それを元に答える。

 後半はクロスワード。
 縦横の言葉の交差部分が「?」になっており、その部分を埋める問題。
すいり  前半は画面上部に表示されているカメレオンと同じ模様を下から選ぶ問題。

 後半はアミダクジ。
 アミダクジに線を1本加えて、スタート(宇宙人)とゴール(UFO)を繋げる問題。
さくぶん  前半は体の部分を使った慣用句を答える問題。

 後半は問題欄に複数の単語が書かれているが、並び替えて文章にするには1つ足らない単語がある。それを答える問題。
ひらめき  前半は建物にそれぞれに特徴のある窓が6個あり、3つのヒントから該当する窓を当てる問題。

 後半は複数の人の中から、3つのヒントから「Aさん」を探す問題。
考える  前半は6ピースパズル。画面下の6ピースを絵の微妙な違いを見極めて、画面上にはめていく。

 後半は9ピースパズル。前半と違い、ピースを入れ替えて絵を完成させる。

「考える」カテゴリはよっぽど問題運が良くない限り、 デフォルト設定ではまずコンティニューを必要とするくらいの内容です。
 

[適正発見]
カテゴリ名 内容
はんだん  前半は一番手前にあるオブジェクトを選ぶ問題。
上もしくは下を入れているうちにカーソルが合う…というのは秘密だ。

 後半は画面上部にあるバルブに合うレンチを選ぶ問題。
 バルブの窪みと出っ張りを見極めるのがポイント…と思いきや複雑な図形は無いので楽。
みてとる  前半は画面上部を泳ぐ熱帯魚と同じ熱帯魚を下の選択肢から選ぶ問題。
たまに紛らわしい物があるが、基本的には分かりやすい。

 後半は問題のデジタル時計と同じ時刻を刺しているアナログ時計を選択肢から選ぶ問題。
 アナログ時計は90度もしくは180度回転しているものもあるため、ちょっと厄介。
はんのう  前半は3×3マスのパネル内に豚と狼のパネルが表示される。そのうち狼パネルのみを選んで撃つゲーム。

 後半は縦横ランダムに動くゴキブリを全て叩くゲーム。

 カーソルの動きの遅さを痛感するカテゴリの1つ…。
にほんご  前半は左右に3つずつの言葉があり、それらの内、同じ意味の言葉を線で結ぶ問題。

 後半は穴埋め問題。単語に「☆」と「◎」の穴があり、その部分に当てはまる文字を答える問題。
 単語のヒントが無い為、答えに気付かないと非常に辛い。また、「☆」の部分⇒「◎」の部分と順番に答えなければならず、 「☆」より先に「◎」の部分を答えるとお手つきになる。
てきぱき  前半は4×4マスに適当にオブジェクトが配置されています。それらを画面上の例と同じ場所に入れ替える問題。

 後半は問題文の日本語をローマ字で入力する問題。
よみかき  前半は左右の文章が全く同じか異なっているか答える問題。

 後半は10個の単語を日本語の辞書順に並べたとき、先頭に来る単語を答える問題。
けいさん  前半は4マスのうち、一番オブジェクトの数が多い物を選ぶ問題。

 後半は商品の合計額の計算。それぞれ値段が決まっている品物を問題文の数だけ購入したときの金額を答える問題。
きおく  前半はカード8枚の神経衰弱。間違えてもお手つきにならないので勘で開けまくった方が良い。

 後半はUFOが光らせたランプの順番を答える問題。中盤以降UFOのランプの位置が変わるが位置ではなく色の順番を答える。
 

 

【遊んでいいんかい?】

 1コインオールがほぼ不可能という仕様は結構珍しい感じもあります。
 何故こんな仕様にしたのか理由を聞きたいくらいです…1コインで途中まで遊んでもそんなに楽しめるわけでもないし、 苦労してコンティニューしても結果がアレだし…(汗)。
 それに、家庭用向けというほどゲームが充実しているわけでもないし…置き所に困りそうな作品ですねぇ… まぁ、私はそんな珍品っぷりが大好きだったりしますが。

 

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