個人的名作82

バルキューブ(メトロ・1996)

 

 今回取り上げる作品はメトロの「バルキューブ」。
 シンプルなルールながら、思わずはまり込んでしまう熱さがあるゲームです。

 

【どんなゲーム?】

 画面内を飛び回る立方体の「バルキューブ」を操作してフィールドにあるブロックを消していくゲームです。 雰囲気としては「ブロック崩し」に近いイメージです。

 「バルキューブ」は画面下部から発射されて上に向かって進み、フィールドの枠かブロックに当たると跳ね返って下に戻ってきます。  また、ブロックに当たった場合はブロックを消します。 『ブロック崩しのボール』をイメージすると分かりやすいと思います。
 『ブロック崩しのボール』と違う点は、レバーで左右の移動が制御できる事です。レバーで「バルキューブ」を 安全でかつ大量にブロックを消せる場所に誘導する事が出来ます。


上手くブロックの上に回りこませると有利。


 『ブロック崩しのボール』の様に動く為、「バルキューブ」はブロックを消していく内に画面下部に向かって戻っていきます。  画面下部には『▼』型のパネルが並んでおり、これに「バルキューブ」が当たると跳ね返り、再び上へと進みます。 丁度『ブロック崩しのパドル』に近い感じです。
 但し、最後に「バルキューブ」に当たった『▼』型のパネルは消えてしまい、その部分が穴となります。その穴から「バルキューブ」が 落ちてしまうとミスになります。要は『同じ場所で跳ね返さなければ良い』のです…が、プレイしてみると、何故か意外と落としてしまう…。
  

 ブロックは「バルキューブ」が『▼』型のパネルに当たるたびに下に下がっていきます。最下段までブロックが下がったときもミスになります。
 従って、普通のブロック崩しのように、『ブロックを1個消す⇒▼パネルで跳ね返す⇒ブロックを1個消す⇒…』ではブロックを1個消すごとに ドンドン下がってしまう為、大量のブロックがフィールドにある時は消しきれません。出来る限りブロックの上側に回り込んで 一度に沢山のブロックを消すようにしていきましょう。


 また、次に登場するブロックは画面右に表示されています。下がる段数は画面に残っているブロックの状況に応じて変わります。
ブロックが下の方にあれば1段ずつしか下がりませんが、ブロックが殆ど無い状態の場合大幅にブロックが下がってきます。 つまり、次に大量のブロックが登場するシーンの場合、画面に表示されているブロックを全部消さずにわざと残すのもテクニックです。

画面上のブロックを消しすぎると下がる段数が増え、ブロックが大量に出てくる。


多めに残しているとブロックの下がる段数が減る。


 このような感じでブロックを消し続けるとレベルが上がり(最大99)、難易度が徐々に上がっていきます。 高難易度ではブロックが大量に出現しますが、巧妙に操作してブロックの隙間を作って上に回りこませたり、 消す順番によっては難易度を大幅に下げる事が出来る…等、 只難しいだけではないテクニカルなブロックの配置でプレイヤーを楽しませてくれます。
 

 

【 キューブを動かすには 】

 操作系は「8方向レバーと1ボタン」。
 レバーは「バルキューブ」の操作です。
 ボタンはゲーム開始時の「バルキューブ」の発射と「バルキューブ」のスピードアップ(押しっぱなしている間だけスピードアップ) に使用します。
 

 消す対象のブロックは、色のブロックと銀色のブロックがあります。色のブロックは「バルキューブ」を1回当てるだけでで消せますが、 銀色のブロックは複数回当てないと消えません。
 また、色のブロックは沢山の種類有りますが、同色のブロックを続けて消したほうが得点が高くなります。
 

 先ほども書きましたが、「バルキューブ」を画面下から落としたときとブロックが画面最下段まで到達したときはミスとなり、 残機が減ります。残機がなくなるとゲームオーバーになります。

 

【バルキューブもパワーアップ】

 文字の書いてあるブロックを壊すとアイテムが出てきます。バルキューブがアイテムに触れるとそのアイテムの効果が得られます。
 出てくるアイテムはブロックに表示されている文字と色から判断できます。(何も書かれていないブロックから出てくるアイテムもある)

[ A ]
 「アロー」。
 一定時間、ブロックを貫通することが出来る。ブロックを一度に大量に消す事も可能だが、 『ブロックでバルキューブを跳ね返し続けて上で粘る』事が出来なくなる点だけに注意。


[ C ]
 「チェンジ」。
 バルキューブが小さくなる。また、小さいときに取ると元の大きさに戻る。
 小さいときは判定が小さくなり、ブロックの細い隙間を通る事が可能になるので回り込ませ易くて使い勝手が良いので 小さくしっぱなしが良い感じ。


[ O ]
 「オプション」。
 一定時間、バルキューブに残像が付き、銀色ブロックを1回で壊せるようになる。
 銀色ブロックを使って上の方で粘る事ができにくくなるが、そんなに不便というほどでもない。


[ P ]
 「ポイント」。
 得点が増える。連続して取ると獲得点数が増える。(100〜10000点)


[ S ]
 「スロー」。
 バルキューブのスピードが下がる。


[ T ]
 「ツイン」。
 一定時間、オプションが追加される。追加されたほうは自動で動くが、バルキューブと同じようにブロックを消してくれる。


[ V ]
 「ヴァニッシュ」。
 画面上のすべてのブロックを消滅させる。


[ 1UP ]
 「1UP」。
 お約束のごとく残機が増える。お約束のごとく滅多に出ない。


(ちょっと記憶が曖昧なのですが、無敵アイテムがあったような…)

 

【ルールがシンプルだから…】

 『バルキューブを操作してブロックを消していく』だけでルールの説明が終わってしまうので、余り書く事がないですが。
 とにかく『シンプルだけどプレイヤーを熱中させる』典型的なゲームだと思います。 名作の「テトリス」等の様に、下手に複雑な操作等を必要とせず、プレイヤーのスキルと刹那の判断力によりゲームの結果が変化する面白さは 十分にあると思います。

 また、良く出来ていると思われるのがブロックの配置が理不尽に複雑ではないと言う点です。
 見た目は難しそうな構成でも対応方法によっては大量に消せる方法があるので、それを見つけ出して狙っていくように上手く作られています。
 只、序盤でも「バルキューブ」のスピードがそこそこ速くなるので、それに慣れるのが大変かもしれませんが、 それでもこの「バルキューブ」を何度かプレイすると、『クリアしていく為に的確に操作・対処していく』という このゲームの持つクセになる程の面白さを感じられると思います。

 それにしてもこのゲーム、意外とそんなに移植されていないのが不思議。携帯ゲーム向けだと思ったのですけど…。

 

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