個人的名作

スタックコラムス(セガ・1994)

 

 セガのパズルゲームの代表作といえば、「ぷよぷよ」「テトリス」そして「コラムス」。
 その「コラムス」シリーズの内の1つがこの「スタックコラムス」です。シリーズ内では少し特殊な扱いがある感じがします。
…何といいますか、有名シリーズの中のマイナー作品…といったところでしょうか…。

 

【『ぷよぷよに続け?』対戦パズルゲーム】

 セガのパズルゲームコラムスの対戦型版と言った作品でしょうか。
 「コラムス」はご存知の方も多いと思いますが、上から落ちてくる宝石の内、同種のものを縦・横・斜めにそろえて消して行く落ち物パズルゲームです。
 

 

【風変わり…だったのかな?】

 操作系は4方向レバーと2ボタンです。
 レバーは落下してくる宝石の移動(但し、上は使用しません)で、左のボタンが『落下してくる宝石の並び替え』、右ボタンが『攻撃』です。(攻撃に関しては後述)

 「スタックコラムス」は通常の「コラムス」のルールに加えて(対戦用ということもあって)追加のルールがあります。
 連鎖や同時消しをすると、画面中央にコインが溜まって行きます。コインは最大5枚までたまり、攻撃ボタンを押すとその時点で溜まっているコインを全て使用し、その枚数分相手の列をせり上げる事が出来ます。
 ちなみに5枚以上は溜まらないので、4枚溜めた状態で大連鎖をしても1枚しかもらえません。…となると、どんなに頑張っても最大5列しかせり上げられないのかといえば、そうではありません。
 この場合は連鎖が終了する前に攻撃をすれば(溜めていたコインが無くなる為)コインが再度5枚溜められるので、「攻撃」⇒「大連鎖」⇒「再度攻撃」で相手に大きなダメージを与える事ができます。
 得られるコインの枚数は、連鎖・消去数と(1ステージの)プレイ時間に依存しています。(時間が経つほどコインが増えやすい)勝負開始から数分たつと、1連鎖消しでもコインが増えていきます。  

 

【微妙なバランス…】

 溜めて…攻撃して…という展開になるのですが、攻撃ボタンでコインを使用したときには相手の列を上げるだけでなく、同時に自分の(相手から上げられた)列が下がります。
 つまり、1Pと2P両方がコイン5枚持っているときに『1Pが攻撃後に2Pが攻撃』したときは『2Pが5列上昇し、その後1Pが5列上昇して更に2P側が5列下がる』ことになり、結果として、『両方がコイン5枚使用したのに、1P側だけが5列せり上げられた状態』になります。

 早い話が、一般的に後に攻撃した方が得なのです。

 また、連鎖を実行した場合、『(連鎖数-1)枚だけ相手のコインを減らせる。』というルールもあるので、相手がコインを溜め込んでいたら連鎖で一気にコインを奪い取ってしまうのもポイントです。

 しかし、この連鎖によるコイン消しも、相手がコインを持っていなかった場合は何も起きないので一般的に後に連鎖した方が得…。

 

 他にも、通常のコラムスと異なる点は『魔法石』にあります。
「スタックコラムス」では魔法石は『下向きの三角』『四角』『上向きの三角』の3種類が連なって降ってきます。そのうち一番下にしたものの効果のみを得ることができます。

下向きの三角形 :自分のせり上げられたラインを3列下げる。かなり助かります。
四角 :通常の魔法石同様、魔法石の真下にある宝石と同種の物を全て消す。
 (但し、魔法石を使って連鎖をした場合、コインが殆ど溜まらない)
上向きの三角 :相手のラインを2列上げる。これの使いどころが結構重要。


 また、スタックコラムスのルールには「攻撃された場合、その時点で落下中の宝石が消去されて列がせり上がる」というルールがあります。
 ぷよぷよ等の殆どの対戦パズルゲームでは、「落下中の物を配置後、次の落下物が来る直前に攻撃が来る」ので、このルールは結構戸惑います。
 『宝石が消去される=石が置けない』ので、連続的に攻撃を喰らうと『宝石が置けない』⇒『宝石が消せないまま列がせり上げられる』状態になったりします。
 また、「魔法石」が降ってきたときに攻撃をされてしまうと、魔法石が消えてしまうのでかなり痛いです。

 さらに、1ステージのプレイ時間が長くなるとコインが溜まりやすいので、連続的に攻撃を喰らって石が全然置けないまま追い詰められる状況になったります。…実際に喰らうとかなりウザイです。

 後に同社から発売された「花組対戦コラムス」ではこのルールではなくなったので、不評だったのでしょう…(現に私も嫌いだし)

 

【敵も個性「敵」?】

 1人用は『大会中に行方不明となった父親を探すべく、コラムスのトーナメントに参加する』というストーリーで、全11ステージで11人の敵と対戦し、全員に勝てばエンディングです。
 対戦相手一人一人の攻撃パターンが違っている為、結構個性的に感じます。  

 

1人目 アラブっぽい風貌の人。コイン5個溜めたときに1回だけ攻撃してくるが、後は攻撃してこないみたい。
2人目 猿が対戦相手…。2回戦で当たるという事は猿に負けた奴がいたって事!?
3人目 瀕死の重症からサイボーグ化して蘇った人らしい…。このへんから少し強くなります。
4人目 ピアニストの人。
プレイヤー側に魔法石が来たときだけ攻撃してくるので、1つ目の魔法石が来るまで攻撃はせず、相手の攻撃が来たら2つ目の魔法石が来るまでに一気に押し切るのが良いでしょう。
5人目 コインを溜め続ける敵。プレイヤーが攻撃したときに後出しで使用する以外は余りコインを使用してきません。

 また、彼の勝ち台詞「昇竜段を破らぬ限り、君に勝ち目は無いと思い給え」ってどっかのパクリの台詞を吐きます。
 尚、『昇竜弾』とは、コイン5枚溜めた状態で魔法石が来たときに『三角魔法石とコイン5枚を同時に使い、7段せり上げる』ことです。(対戦中に「昇竜段」としゃべる)
6人目 マスクをしたスナイパーだそうだが、何故かアニメ風のマスクをしている…。
前の二人と比べると余り特別に変わった攻撃はしてこない。
7人目 少女が相手です。コインを溜めることは一切せず、常に使い続け、魔法石も常に攻撃に使います。
コインを効率よく溜めて使えれば何とかなりますが、一気に追い詰められる事もあり、更に時間経過でコインがたまりやすくなる状態だとキツくなる。
8人目 老紳士風の人。前ステージの少女の祖父らしい…。この辺から攻撃が的確になってくる。
9人目 ちょっとセクシーな感じの女性。正攻法的な感じの攻撃法なので特徴を感じられない…。
10人目 全大会の優勝者。ラスボスの影武者と言うのだが…年の差いくつよ??
11人目 ラスボスは、皇帝「Mr.BABU」。だがその風貌は気ぐるみを着た赤ちゃん。
しかし、1コインクリアをすると衝撃的なオチが…。

 1コインオールか否かでエンディングが変わりますが、ある意味1コインオールの方がバットエンドな気もします。 …といいますか、あんなオチってあり!?

 

【有名の中の無名】

 冒頭でも少し離しましたが、「コラムス」という有名シリーズの中では風変わりの作品の様ですね。
 格闘ゲーム全盛期には少々地味でしたし、「コラムス」自体、あまり取っ付き易いゲームではないですからねぇ〜。
 個人的な疑問なのですが、このゲームのターゲットってどんな感じのプレイヤーだったのでしょうか? ターゲット層が全然理解できない作品な気もします。 それとも勢いに任せて作ってしまった作品だったのでしょうか…摩訶不思議な作品です。

 でも、そんな『マイナー感がタップリ』なこのゲームに少しだけ惹かれてよく遊んでいました(内容の良悪自体は別として)。
もっと、とっつきやすいルールだったら、(プレイ人口も増えて)人との対戦も楽しめたのでしょうけど、中々そんな機会は得られませんでしたね…。

 

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