個人的名作

ファンタズム(ジャレコ・1991)

 

 敵を操作する…。「あんな強力な攻撃をする敵が操作できたらクリアが楽なんだけどなぁ…」アクションゲームにおいて、 「一度はやってみたい」と言う事が当たり前のように出来る異色のアクションゲーム『ファンタズム』。
2005年一発目はこのゲームを取り上げたいと思います。

 

【そして、ぼくはしんだ…】

 主人公の彼女の父は、『霊エネルギー』を研究している博士。ある日、主人公が彼女と出かけていると、ギャング風の男達に 襲われてしまった。彼女は連れ去られ、主人公はギャング達に撃たれてしまった。
 気が付くと、魂だけとなって博士の研究所にいた。彼女は博士の霊エネルギーの研究を狙う悪の組織に誘拐されてしまった らしい…。彼女を助けるために魂だけになって悪の組織と戦う…みたいな感じのストーリーです。


 操作系は、「8方向レバー+2ボタン」で、ボタンはジャンプと攻撃となっています。
 内容自体はスタンダードなジャンプアクションゲームですが、面白いのが『魂の状態では敵に乗り移れ、その敵を操作して 先に進む』というゲームになっています。

 ゲームスタート時、プレイヤーは、子供向けアニメの幽霊として出てきそうな「魂」の状態でスタートします。魂の状態では 8方向自由に移動ができる上、壁等も無視して進む事が出来ます。「魂」の状態で敵のそばでボタンを押すと、 その敵に乗り移る事ができ、そのキャラクターでステージを進む事になります。
 「魂」は、雑魚敵全てに乗り移る事が可能です。また、乗り移った敵によって「攻撃」と「ジャンプ」の性能が大きく 変わります が、ステージの地形はジャンプが低いキャラクターでも先に進めるようになっている上、時間切れが無いので、機動力より 攻撃性能が高いキャラクターを選んだ方が良いかも知れません。

 『…でも、まてよ? 先に進むのなら、地形が無視できる「魂」状態になり続けたほうが良いのでは?』と思う方も いるかもしれませんが、「魂」状態のときは、画面上部にある『エネルギーゲージ』が減っていきます。 0になると、その時点でゲームオーバーです。(残機制では無い)
 誰かに乗り移らないとエネルギーが減り続けます。また、「魂」状態のときはアイテムが取れないので、回復も出来ません。  敵の攻撃を一切受け付けないとはいえ、フルゲージでも30秒くらいしか持たないので、急いで乗り移っておきましょう。
 

 先程も書きましたが、誰かに乗り移ると、そのキャラクターでプレイする事が出来ますが、各キャラクターにも体力 が設定されており、敵の攻撃を喰らって0になると「魂」状態に戻ります。そして再び他の敵を探して乗り移ります。
 乗り移るキャラクター次第で難易度も大きく変わるので、色々と工夫してみると面白くなると思います。
 あと、敵の攻撃を喰らうと『エネルギーゲージ』も減りますが、『エネルギーゲージ』が0になっても、 敵に乗り移っている間はキャラクターの体力が0になるまではゲームオーバーになりません。

 そのような感じのアクションで先に進み、各ステージに居るボスを倒すとクリアです。全6ステージクリアでエンディングです。

 

【あいつを操作したい???】

 このゲームに登場する敵キャラクター(抜粋)です。名称などは勝手につけました…。

キャラクター 説明
ギャング 銃で攻撃できます。色違いもいる。(少し性能が違う)
全体的に性能が低いので他に敵がいない時くらいしか使わないような…。
女の子 移動スピードは速いですが、攻撃がパンチとキックのためリーチ無さ過ぎ。
紫っぽい服の方は少しリーチが長いが基本的には使えない。
ラン○ー どう見ても「ラ○ボー」っぽい格好。
全体的に使いやすい能力。4種類居いて、それぞれ攻撃方法が違う。
魔法使い 「弾速が遅いが真っ直ぐ飛ぶ魔法」と「降下がゆっくりなジャンプ」が特徴。
忍者 ジャンプボタン押し放しするとかなり高く飛べる。
武器性能もまずまずなので結構使えるかもしれません。
ドラゴン 炎は攻撃力が高いがリーチが短いのが難点。また、ジャンプも低い。
色違いは少しリーチが長いが、同様に機動力は低い。
ロボット 左右の移動と攻撃はそこそこ良いが、ジャンプの高さが低すぎ。
上のほうにあるアイテムは諦めた方が良いかもしれません。
インド人 これも「女の子」同様に機動力系。パンチ・キックを使うのでリーチは短い。
空中浮遊も可能ですが、基本的には扱いにくい。
チンピラ風の男 (イマイチ表現しにくい感じの格好ですが…)機動力とジャンプ力が高いが攻撃力がイマイチ。
雪女 雪玉みたいなものを投げつけます。弾速が遅いけど地形に沿って進みます。
野球選手ジジィ 年寄りっぽい風貌なので…。
通常攻撃のバットスイングは、リーチは短いが敵の弾を跳ね返して攻撃できます。
吸血鬼 3方向にコウモリを飛ばします。
コウモリは避けにくいので敵として出ると厄介なのですが、実際に使ってみると連射が効かないのでイマイチ。
彼女 ラストステージで救出したときに使用可能。全体的な性能が高い。
また、一度乗り移ると、他の敵には乗り移れなくなります。

 

【シンプルながら???】

 アクションゲームとしては先に進む事自体はそんなに難しくないのですが、『エネルギーゲージ』の減りやすさが あるので、ちょっとダメージを受けるとすぐにゲームオーバーになります。 まぁ、その辺り『使いやすいキャラクターを 選んで進まないといけない』という攻略し甲斐があるゲームだと思います。
 個人的には、使いやすいキャラとしては『ラン○ー』『忍者』『魔法使い』辺りかなぁ…。使いにくいのが、『ドラゴン』 リーチが短くてかつ移動力・ジャンプ力が無いのは痛い…。
 ポイントとしては、敵を対処するときはしゃがんでおいた方が安全。(キャラクターの攻撃の多くはしゃがむと当たらない)

 5面、6面で役に立つテクとしては、「扉に入るとシーンが変わる場所」が幾つかあるのですが、 『一度拾ったアイテムはシーンを変えて戻ると再び復活している』という現象があります。 つまり、回復アイテムの落ちている小部屋などがある場合、そこを往復するだけで体力が簡単に最大まで 回復できてしまうのです。微妙な仕様ですが、残機製でないだけにちょっと 嬉しい仕様です。(一応、永パ防止キャラはいる…)
 只、これを知ったために1コインクリアはかなり楽になりましたね…。
 他には、『来たときは何も無かったけど、一定距離先にスクロールさせてから戻るとアイテムが落ちている』場所が 幾つか有ります。まぁ、上記の回復アイテム無限技に比べれば、あまり有用でも無いかもしれませんが、一応…。

 

【ちょっと泣けるかも…】

 上でネタバレしていますが、ラストステージで彼女を救出することが出来ます。(2,5,6面で鍵を拾っていることが条件)
 彼女を見つけた主人公が彼女に乗り移り、縛られている縄を解き、レーザーガンを手にラスボスに挑む… という展開になっています。
 ラスボスを倒すと、悪の組織のアジトは爆発し、エンディングとなります。
『大好きなこの世界にも、誰もが一度は「サヨナラ」を言わなくちゃいけない。』

 地上には長く居る事が出来ない魂姿の主人公は、やがてゆっくりと消滅してしまう。最期のときを彼女と一緒に過ごせたのは 最後の幸せだったのかもしれない…。


 また、彼女を救出せずにラスボスを倒す事も可能ですが、バッドエンドになります。(ちなみに、ハッピーエンドより、 1コインバッドエンドの方が難しいと思いますが、安定できる方はいらっしゃるのでしょうか?)
 悪の組織のアジトは爆発したが、主人公は最期まで彼女と再会することが出来なかった。

『彼女は無事に逃げ出せたろうか、いやきっとそうに違いない…少し不安に感じながら、 ぼくの意識は薄れていった…』


 色々なゲームの様々なシーンやエンディングを見てきましたが、このゲームのエンディングは非常に印象的なものでした。
このゲームのエンディングは、スタッフロールまでの数十秒間にイラストとメッセージが 少し出る程度なのですが、バッドエンドは本当に切なく、また、ハッピーエンドも忘れられないほどのものでした。 マジでエンディングだけでも必見です。

 

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