2004年5月1日…。かつて、F1で「音速の貴公子」と呼ばれ、日本でも人気が非常に高かった
天才ドライバー「アイルトン・セナ」がサンマリノGP(イモラサーキット)の決勝中の事故で亡くなって
から10年が経ちます。当時はF1をよくTV観戦していた私にとっても10年前のあの事故は非常にショッキング
でした。
当時、F1のレース中の不幸なドライバーの事故死が暫く無かった時期であり、
多くの人が近代のF1の安全神話というものを信じ始めていた最中、1994年サンマリノグランプリ予選中に
オーストリアのローランド・ラッツエンバーガー選手が事故で亡くなるというアクシデントが起きました。
関係者全員が悲嘆にくれる中、5月1日に決勝がスタートされました。そして…。
事故が発生したとき、一時レースは中断したものの後に続行。そして、レース終盤に『ニュース速報』が
流れたときは、大きなショックを受けた事を今でも覚えています。
そんな訳で、今回はF1関連のゲームについて書いてみようと思い、今回は
ビデオシステムから登場したF1関連のゲームを取り上げたいと思います。
…あの様な悲しい出来事が二度と起こらないように祈りつつ…。
1989年にビデオシステムから登場したF1ゲームです。実際にグランプリで使用されたサーキットに
そっくりなコースでのレースゲームです。登場するチームや人物はフィクションなのですが、
実際のチーム名をもじったチーム名と微妙にそっくり(?)なドライバーの顔イラストだったりします。
また、レースゲームですが、大型筐体物ではなく普通のビデオゲームです。画面はサーキットを
上から見下ろした感じの画面構成で、画面は回転機能が使用されており、キチンと1周しています。
操作系は「2方向レバー+2ボタン」です。レバーで左右のハンドル。
2つのボタンがアクセルとブレーキになっています。
プレイヤーは6チーム(12人)から選択してレースに参加します。カーソルでチーム選択。ブレーキボタン
でドライバーの選択。アクセルボタンで決定です。6チームのうち、「Lotos」「Mclarun」「Ferreri」の
3チームはターボエンジン(最高速型)で、「Willarms」「Benetten」「Mraci」の3チームはNAエンジン
(加速型)になっています。(ドライバーの能力差は無いみたいですが…)
ちなみに、チームと所属ドライバーは(実際のF1における)1988年当時のものが元になっているようです。
ドライバーを決定後、ゲームモードの選択です。「イギリスGP」「日本GP」「アメリカGP」と
「左記3コース+モナコGP」がプレイできる「ワールドチャンピオンシップモード」の4種類あります。
最初の3つを選ぶと1つのサーキットを予選1周+決勝4周楽しめます。後者のモードは
各サーキット予選1周+決勝2周(モナコGPだけ4周)でゲームオーバーにならなければ、
次に進む事が出来ます。
「予選落ち」「タイムが0になる前に1周出来なかった場合」
「7位以下でゴールする(ワールドチャンピオンシップモードのみ)」ときはゲームオーバーになります。
また、決勝中は画面左下にマシンの状態が表示され、他の車や壁にクラッシュするたびにパーツの色が変化
(白→黄→赤→黒)し、パーツが破損してしまった場合もゲームオーバーになります。
(これでゲームオーバーになるのは稀ですが…。)
コツというほどでもないのですが、アクセルを踏みっぱなしでハンドルを入れっぱなしにすると
スピンしてしまいます。かと言ってアクセルを離せばタイムが遅くなってしまいます。
ですが、緩い高速コーナーなら
アクセルを入れながらレバーを連打するとスピードを落とさずに曲がる事が出来ます。
(まぁ、イギリスGPと日本GPくらいしか使いませんが…)
只、このゲームって結構アンダーステアな気がします。キツイコーナーを曲がるときは減速をきちんとしないと
曲がりきれない事が多く、そこそこの難易度があるゲームです。また、アメリカGP(デトロイト)と
モナコGP(モンテカルロ)は、市街地コースなので、道路を少しでも外れると壁にぶつかり、
タイムロスになってしまい、更に難しくなっています。
また、他車が積極的にぶつかってくるのが結構嫌です。逆に言えば、予選の結果が結構重要だということ
でもあります。
『スーパーフォーミュラ』の続編なのかな? 1991年にビデオシステムから登場した「F1グランプリ」。
操作系は『スーパーフォーミュラ』と同様「2方向レバー+2ボタン」です。
チームと所属ドライバーは1991年のものとなっており、ゲームに登場するチーム名とドライバー名は
実在するものと同じになっています。「Ferrari(A.プロストとJ.アレジ)」
「Mclaren(A.セナとG.ベルガー)」「Williams(N.マンセルとR.パトレーゼ)」「Benetton(N.ピケとR.モレノ)」
「Tyrrell(S.ナカジマとS.モデナ)」「Larrousse(A.スズキとE.ベルナール)」の12人から選んでプレイします。
ゲームは16戦のうち、4戦でポイントを争う『グランプリモード』と、16のサーキットのうち1つを選んで
プレイする『フリー走行モード』があります。
操作感覚は『スーパーフォーミュラ』と違い、結構すいすい曲がってくれます。まぁ、だからといってそんなに
楽ではないです。『スーバーフォーミュラ』同様、他車や壁にぶつかると大きく順位を落とす割には、
『グランプリモード』で次のステージに行く条件が3位以内なのが、ちょっと厳しいゲームです。
こちらは、1992年にビデオシステムから登場しました。ゲーム的には『F1グランプリ』と
ほぼ同じですが、チームデータが1992年のものになっています。
操作系は、ボタンが1つ追加され「2方向レバー+3ボタン」になっています。追加されたボタンは
「オーバーテイクボタン」で、1レースに3回までの制限がありますがボタンを押すと一時的にスピードが
上がります。
チームデータが1992年という事で、チームとドライバーが少し変更されています。
「Ferrari(J.アレジとI.カペリ)」「Mclaren(A.セナとG.ベルガー)」
「Williams(N.マンセルとR.パトレーゼ)」「Benetton(M.シューマッハとM.ブランドル)」
「Footwork(A.スズキとM.アルボレート)」「Venturi(U.カタヤマとB.ガショー)」の
12人から選んでプレイします。
ゲーム自体は前作同様に『グランプリモード』『フリー走行モード』がプレイできます。
操作感覚などは前作『F1グランプリ』とほぼ変わりません。ただ、グランプリモードが6位以内で次に進める
のと他車との当たり判定がやや小さくなったのが有難いです。(それでも積極的にぶつかってきますが…)
どの作品も敵の車の邪魔が結構厳しくイライラする部分もありますが、ゲームの出来自体は
悪くないと思います。F1が好きな人なら熱中できる作品だと思います。また、基盤が複数台接続されていれば、
対戦する事も可能です。特に『F1グランプリ』『F1グランプリ・パート2』はF1好きの友人と対戦しまくりました。
(余談ですが、その友人はセナファンで、私がウィリアムズの2人のファンだったので、
F1の翌日の会話はある意味熱かったです。(笑))
ちなみにこの作品以降、ビデオシステムからアーケード版のF1ゲームは出ていません。セナの事故以降、
F1の人気自体が少し下がったというのもあるのでしょうけど、まだまだ遊べるジャンルだと思います。