最近のコナミといえばビートマニアなどに代表される「音ゲー」と麻雀格闘倶楽部のような「オンラインゲーム」。
昔のコナミといえば、名作シューティングの「グラディウス」でしょうか。
今回紹介するゲーム「魔獣の王国」はシューティングゲームではありませんが、『コナミ=グラディウス』という印象が強くさせる気がする作品かもしれません。
「魔獣の王国」は『悪魔の棺を発見し、その棺を開けた学者「CONDOR」とその様子をレポートしていた女性TVレポーターの「LABRYNA」の二人が魔界へと連れ去られてしまった。
二人は武器を手に、魔界から脱出する』と言う感じのストーリーで、ジャンルは全方向スクロールのアクションゲームです。ステージのどこかにある「鍵」を拾って出口まで行けばステージクリアです。基本的にはこれの繰り返しです。
操作系は「8方向レバー+3ボタン」です。プレイヤーを8方向レバーで操作し、4つのボタンを使用します。
4つのボタンは「パワーアップ」「ショット」「ジャンプ」「マップ表示」となっています。
「ショット」ボタンは武器を撃ちます。武器の種類により連射数が変わりますが弾数は無限です。
「ジャンプ」ボタンはキャラクターがジャンプします。穴を飛び越えるなどで使用します。
ジャンプ中は制御はできませんが、向きだけ変えることができるので「ジャンプ中に後ろを振り向いてショットを撃ち、追いかけてくる敵を逃げながら撃つ」という事も出来ます。
次に、「パワーアップ」ボタンを説明する前にこのゲームのシステムを書いておきましょう。出口までの道中の所々に敵の巣があり、敵はそこから出てきます。
(アタリの「ガントレット」を想像してもらえるといいでしょうか…)
ゲーム中、画面下部に8個のカーソルがあり、それぞれにパワーアップの種類が記載されています。
敵や敵の巣を壊すと宝石のようなアイテムが出てきます。これを1つ拾うと、下の8つのパワーアップのカーソルが1つ分移動します。
自分の欲しいパワーアップにカーソルが合ったときに「パワーアップ」ボタンを押すと、プレイヤーの武器がパワーアップします。
…まぁ、要するに「グラディウス」を髣髴とさせるパワーアップシステムなのです。
…ってことは「グラディウスみたいなガントレット」…で説明が終わっちまうのか…(笑)
「マップ表示」ボタンはそのステージの全体マップが表示されます。
使用できるステージでは回数制限などは無く、出口と鍵の位置も分かる非常にありがたいものですが、中盤以降使用できなくなります。
文章ばかりなのもアレなので、いつもの様にパワーアップの一覧を作ってみました。
ちなみに1P側と2P側のパワーアップカーソルの順番が違っていたりします。
従って、1コインで2P側からのスタートも可能です。
密かに最近のゲームに多い「2P側からスタート可能」の礎を…(←そんなわけない)
名称 | 効果 |
スピードアップ | プレイヤー共通で1番目のゲージがこれ。 1段階しかスピードアップしないが、付けるのが基本。 |
ダイナマイト | グラディウスでいうミサイルに相当。中範囲の爆発を起こすダイナマイトを投げる。 この武器だけは他の武器と重複可能で、そこそこの攻撃範囲を持つので、結構重要。 |
マシンガン | ショットが押し放しで連射可能。 連射数が多いが、それだけなので他の武器にした方が良い様な気がする…。 |
ファイア | 一直線上に火炎を発射する。 壁を貫通するので壁越しに攻撃出来るが、連射が出来ないので無駄打ちすると次がすぐに撃てないのが不便。 |
バズーカ | 弾速が遅く、連射も効かないが、何かにヒットすると攻撃範囲の大きな爆風が発生する。 一度撃つと次が中々撃てないが、爆風は頼りになるのでダイナマイトでフォローすれば結構使える気がします。 |
レーザー | 敵を貫通し、押し放しで連射可能なレーザー。 使い易いと思うが、壁を貫通しない事と攻撃の幅が狭いのが気になる… 状況次第でバズーカと使い分けるのが良いみたいです。 |
ショットガン | 前方を扇状に弾を撃つ。連射は不可。 威力の低さがやや気になるが、広い場所なら… |
? | グラディウスと同様に最後のパワーアップは「?」。 使用するとダメージ軽減の「シールド」になります。 でも、ライフがあるうちに装備しないと、活用する前にライフが無くなったり…。 |
プレイヤーは「ライフ+残機」制で、ライフは敵の攻撃を喰らうと減り、0になると残機が減ります。残機がなくなるとゲームオーバーです。
また、ライフは微量ながら時間でも減少していくので、チマチマと敵を倒して進むだけではライフが続きません。(一応ライフ回復があるが、殆ど出てこないのでアテにならない)
更に、ライフの残量関係なく『崖下や溶岩に転落』『一部の敵の攻撃を喰らう』とその時点でミスになります。
…やられやすいので「デフォルト設定で1コインクリアできるの?」という雰囲気ですが、その代わり、中ボスのドラゴンやラスボスが異様に耐久力が無く、武器を上手くヒットさせれば瞬殺できます。
(ドラゴンにバズーカをヒットさせると1発で倒せたり…ラスボスの魔王(?)も遠くから撃ち続ければノーマルの武器でも近づかれる前に倒せる) 凶暴な魔物達も人間の技術の前には…と思うくらいです。
ただ、武器をボスまで持ち越すのが難しいです。(ミスをすると装備がノーマルに戻る)
ライフが時間で減少する上に、前述の即死(特に転落し易い場所が多い)があるので折角集めた武器がすぐに無くなってしまいます。
要するに「ライフを減らさないように急げば良い」のですが、出口を開ける鍵は広いステージに1つしかなく、しかもその場所はランダムなので、パターン化しづらい所があります。…上手く作られていますね。
確かこのゲーム、ステージ数は結構少なくエンディングまで2〜30分位だったと思います。
当時のアクションゲームは、エンドレスやエンディングまで数時間掛かるものが多い中、珍しい感じがします。
しかも、『ボスタイプの敵が瞬殺可能』なので、結構敵を倒す事に熱くなる前に終わると思います。
コンティニューしまくってクリアしたときも『あれっ!? もう終わり?』と思いましたね。違う意味で個性があるゲームだと思いました。(笑)
そういった『ストーリー的に盛り上がりきらずに終わる』印象もありますが、ゲーム的には『ステージを1つ1ついかにライフを削らずに進むか』を考えて慎重にかつ素早く攻略していく熱さがあったと思います。
ゲームのルール自体も分かり易いので、どこかのゲーセンで見つけたら試しに触ってみるといいかもしれません。