前作は硬派な喧嘩アクションの「熱血硬派くにおくん」の続編は「熱血高校ドッジボール部」。
この大きな変貌の陰に何があったのかは知りませんが、今回はこのゲームを取り上げたいと思います。
実際にドッジボール部がある高校などあるのだろうかと疑問に思うのですが、ガチンコのドッジボール勝負。
(これほど「ガチンコ」という言葉が似合わないスポーツも無い気も…)ボールのぶつけ合いです。
操作系は、「8方向レバー+2ボタン」。ボタンは「ボールを保持しているか否か」で使用方法が変わります。
右のボタンは、ボール保持時は「投げる」、保持していなければ「ボールのキャッチ」。左のボタンは、
ボール保持時は「パス」、保持していなければ「しゃがんで避ける」です。また、両ボタン同時押しで「ジャンプ」します。
ルールは、先に相手を全滅させた方が勝ち。こちらは1チーム4人で、能力の高い「くにお君」と
背の低いその他3人での構成。一定量のダメージを受けると天使になり退場…というか、
死んでいる風にしか見えない…。
(退場(?)時の天使が、なんとなく「ファル○ムのロ○ンシアの天使に似ている」のは気のせいでしょうか…)
勝てば次のステージへ進めますが、味方が全滅かタイムオーバーでゲームオーバーです。
ちょっとした特徴として、プレイヤーが操作できるキャラクターは、ボール保持時は「ボールを保持しているキャラ」のみで、
保持していないときは、「相手に直接狙われているキャラ」のみしか操作できません。
ボールを保持していないとき相手の攻撃を避ける場合、そのキャラの前後にいる「直接狙われていないキャラ」が
ダメージを受けることがあります。よくある事故とはいえ、結構気分的に嫌…。
オフェンスは基本的には、攻撃力の高いくにお君一人で行います。
「その場で右ボタン」⇒「ダッシュ中に右ボタン」⇒「ダッシュジャンプ中に右ボタン」の順で攻撃力が上がる
ので、大抵はダッシュジャンプ攻撃だけの繰り返しになります。
また、ダッシュジャンプ頂点付近でタイミングよく右ボタンを押すと必殺シュートになります。
(当時から「ナッツシュート」という名前があったのかは不明。ご存知の方はいらっしゃいませんでしょうか?)
必殺シュートは攻撃力が高く、ワンバウンドするまで相手にキャッチされないので、基本的にはコレ狙いです。
攻撃の注意点としては、ダッシュ系の攻撃の場合、センターラインギリギリから投げないことでしょうか。
ギリギリから投げるメリットも無い上、勢いで相手コートに行ってしまい、自コートに戻るときが無防備になります。
特に床が滑りやすいアイスランド戦では要注意です。
ディフェンスは基本的には飛んできたボールを右ボタンでキャッチするだけです。
ボタンを押してからキャッチできる判定が長い為、ボタンを押すタイミングが全然シビアで無いのが、このゲームの
嬉しい点です。
但し、万能なキャッチでも、「くにお(りき?)の必殺シュート」と「外人の投げる必殺シュート」はキャッチ
できません。 特に、外人の必殺シュートの方はジャンプ中はおろか、立ち止まった状態でも出すことが可能で、
しかもダメージが大きいです。この場合は移動で避けるか、左ボタンで避けましょう。
(外人の必殺シュートと言っても、ボールが大小変化する方のみキャッチ不可で、
ボールが上から降ってくる方はキャッチ可能。)
外人と言っても必殺シュートを使えるのは、「デカイ奴」「デブ」「アフリカ面の痩せ」だけなので、
それだけを覚えておけば充分です。(その他の敵が投げる場合はキャッチだけを考えれば平気です。)
また、左ボタンのしゃがみは「ジャンプショット」と「上から降ってくるシュート」以外は全て避けられるので、
キャッチが間に合わない場合や困ったときは、とりあえずしゃがんでおくのも手です。
ステージ構成は、1面はくにおのライバルの「花園高校」と対決し、2面以降は海外戦 (ドッジボール世界大会というのも妙だが…)「イギリス」⇒「アイスランド」⇒「中国」⇒「アフリカ」⇒ 「アメリカ」となっており、アメリカに勝利後は優勝(?)デモの後、イギリス戦に戻ります。
くにお君がボールを保持している状態で(1P側の場合)左端へ移動し、敵の外野に接近してパスを出すと 何故か敵はキャッチできずよろけます。よろけ中にボールを拾いなおし、再度パス。一定時間繰り返すと、 タイムカウントが出てくるので、これが「0」になる前に外野にショット(カウントがリセットされる)。 これの繰り返しで点数が稼げます。(パスを1回当てて5000点入る)1面だけで数十万点入るので、 数周するだけでカンストも可能ですが、 このゲームスコアランキングが無いので(ハイスコアだけは一応残る)あんまり有難くなかったり…。
ゲーム自体は遊びやすいのですが、2面以降から結構シビアな難易度になってきます。 とは言っても、
意地悪になるのではなく、味方の体力が割と少ない+タイムがややキツイので「大きなミスが出来ない」という感じです。
あと、海外戦では何故か敵の途中出場があり、敵が5人以上居るときは内野には4人しかおらず、
誰か一人倒すと、補充されるようになっています。
途中出場は必ずセンターラインギリギリから出てくるので、敵を1人倒したときはボールを持ってセンターライン
ギリギリに立ち、途中出場の選手が出てきたところをボコボコにするというやや卑怯(?)なテクがあるのですが、
これを使わずに中国・アメリカ戦を安定させることって出来るのかなというくらいキツイ難易度な気がします。
もっとも、この2戦が安定したらエンドレスプレイに近いのですが…。
ステージが進んでも、変わるのは敵の種類だけなのでやることは殆ど同じ上、操作が分かりやすいので
遊びやすさとしては良いゲームだと思っています。単調だけどタイムや難易度をややシビアにすることにより、
緊張感を毎プレイ感じさせてくれるのは偶然なのか、計算ずくなのか分かりませんが、
結構いい感じだと思います。
ただ、このゲームの攻略が「必殺シュートがどれだけ出せるか」と「敵のキャッチ成功率」に依存する割合が
大きいので、特に後者による部分で「やや気まぐれなゲーム」と言う感じもするのですが、それでもある程度は
楽しめる作品だと思います。
このゲーム以降、くにお君シリーズはFCを中心とした家庭用メインとなり、アーケードゲームでは
登場しなくなりました。その後、テクノスジャパンから「ドッジボール部」の続編が登場すると言う話が
出てきたそうですが、残念ながら稼動するほんの前にテクノスジャパンが倒産してしまい、幻となりました。
稼動予定の直前の出来事だっただけに、本当に残念でした。